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《働く人はおさえておきたい》沈黙の危うさ

『沈黙の文化は危険な文化である。』

この言葉にドキッとした方はいませんか?みなさんの職場を思い浮かべると、いかがでしょうか?メンバーからネガティブな報告や相談はないし、従業員満足度アンケートでも気になる結果は出ていないので、特に問題はないとおっしゃる方がいるかもしれません。

しかしながら、時間の経過とともに
→社内のコミュニケーション不足→想定外の退職者→お客様からの不満の声という悪循環にはまってしまうケースを耳にします。

上司がポジティブな報告しか歓迎していなかったり、業務の成果基準ばかり注目しマネジメントの課題に向き合えていなかったり・・・と、実は足元に問題がちらほら。問題が解決されないまま不満ばかりが積み重なっていき、しだいに発言するより沈黙していた方がいいとメンバーが感じ始めるわけです。

今回は、よくあるズレの一つ「失敗の捉え方」に注目していきましょう。まず、みなさんのチームでの失敗は、以下のどのタイプに当てはまりますか?

【失敗のタイプ】
①回避可能な失敗
行動・スキル・注意の欠如により、プロセスから逸脱し望まない結果が起きる。

②複雑な失敗
慣れた状況に出来事や行動がかつてない特異な組み合わさり方をして望まない結果が起きる。

③賢い失敗
不確実性やリスクを取った試みにより、新たなことを始めて望まない結果が起きる。

本来は「②複雑な失敗」や「③賢い失敗」なのに、「①回避可能な失敗」として扱っていないでしょうか?特に「③賢い失敗」は要注意です。
リスクを抱えながら新しいことに果敢にチャレンジした場合、単なるミスとして責任をおしつけられたら、当然モチベーションは下がります。本人だけではなく、それを見ている周りのメンバーもです。

そこで、失敗とは何か?改めて考えてみましょう。

【失敗とは何か】
①失敗に対する考え方
失敗は受容できない。→試みに失敗はつきものである。

②高い業績についての考え方
高い業績を上げる人は失敗しない。→高い業績を上げる人は賢い失敗をし、失敗から学び、その学びを共有する。

③失敗における目標
失敗を回避する。→素早い学習を促進する。

④失敗による影響
保身のために失敗を隠す。→率直に話し合い、素早く学びイノベーションをおこす。

このようにマインドを変化させるためには、リーダーが積極的に失敗を受け入れる環境をつくり・メンバーを巻き込み・生産的かつ意味のある対応を行なわなければなりません。新しい制度を導入すれば即解決につながるわけではないのです。ひたすら地道な努力を続けるしかないのです。

【失敗のタイプ別対応策】
①回避可能な失敗
・トレーニングする
・再トレーニングする
・プロセスを改善する
・システムを再デザインする
・(失敗の繰り返しなど非難されても仕方がない行為があった場合)処罰する

②複雑な失敗
・多角的な失敗分析を行なう
・対処すべきリスク要因を特定する
・システムを改善する

③賢い失敗
・影響をつきとめるための綿密な結果分析を行なう
・新たな仮説を立てるためのブレーンストーミングを行なう
・次のステップまたは追加の試みをデザインする
・失敗を表彰する

働きやすさ&働きがいが求められる今こそ、失敗について率直に話し合える環境かどうか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

*参考文献*





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