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壊れていく日常

楽しい生活が待っている。

今まで施設で暮らした窮屈さから解放され
ようやく自由になれると思っていた。

だけど…

いざ母と一緒に暮らしてみると…
施設とは違った種類の窮屈さがあった。

家事は全て私や妹がやり母はお昼まで
寝ている。

毎日、母は行きつけの近所のカラオケ喫茶で
昼食をとり、アイスコーヒーを飲み
そこに通う常連さん達と時間を過ごしていた。

夕方帰宅した母は、藤井さんが仕事から
帰ってくるまで再びベッドで寝ていた。

私は、毎日料理を作っていたけど
それは、自分たちが食べる分だけで
母と藤井さんとは別だった。

仕事から帰宅した藤井さんは母と自分の食べる分の料理を作って夜遅くに2人で食べていた。

母は、私たちが幼少期だった頃から
子ども達と一緒に食卓を囲みご飯を食べる
ということをしなかった。

理由は…

「チビたちとご飯を食べると食欲なくす」

そう自分の姉に話していたのを昔聞いたことがある。

(当時母は、私たちのことを「チビたち」
と呼んでいた。)


母が家事を一切しなくても、それは自分たちが
やればいいと思っていたし、そこに負担に感じることはなかった。

ただ母に対して感じたことは…

何のために私たちを引き取ったの?

という思いだった。

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