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小説

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頭の中からこぼれ落ちた物語です。
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#小説

散花は水に流れ行く

流水  エンジンを切るとラジオから流れていたパーソナリティーの声が途切れて、車内は静かに…

Takeman(貞久萬)
6か月前
8

波が消えるとき

 隣で寝ていた男の寝返りをうったその足がぶつかってきた。おかげで目が覚めた。外海に出てか…

4

いんでくる

 夕食を食べ終わると薬の時間になる。寿々子は錠剤をもらうと看護師のまえで口に入れ、コップ…

17

オリーブ、サルファーイエロー、ライラック、ゼニスブルー

 窓の外を見ると灰色の空が見えた。ふりそそぐ朝日はすでに暑さを感じさせる。せっかくの休日…

11

朔望とスペクトラム

貞久萬  眞琴がうちのクラスに転校してきたのは中学三年の二学期のことだった。自分の席につ…

11

死がふたりを

プロローグ「それでは、誓いの言葉をのべてください」  私の前にいる神父さんが私たちに向か…

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