宇宙ビジネスSPAC ---4社比較
先日、ロケット打ち上げベンチャーのAstra社の記事を書きましたが、その後にわかに宇宙関係ベンチャーのSPAC上場が活気づいてきました。
https://note.com/stevie0154/n/n261b5617247e
Astra社以外の詳細なビジネスの分析は次回以降に譲り、今回は売上計画等の基本的な定量面を中心に比較をしておきたいと思います。
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1.概要
2.直近期の売上・利益比較
3.売上計画比較
・Astra社(HOL)の2023→2024、2024→2025の売上成長が目立つ印象(アグレッシブ。言い換えれば、、、無理してない?)
・Astra社以外の3社は、2021~2025年の年換算成長率(CAGR)が60%~76%と、グロース企業ではそれなりに目にする成長率かと思われる(立派な水準です)。
4.利益計画
・各社とも、EBITDAが黒字化するのは2023年頃の計画。
・ここでもAstra社の2024年・2025年の計画値が目立つ印象。
5.フリーCF計画
・各社とも、フリーCFが黒字化するのは2023年頃の計画。それまでは新株発行等を通じた資金調達が必要。公募増資で価格が下がった場合等、今後も投資の好機がくるのかもしれません。
・ここでもAstra社の2024年の計画値が目立つ印象。
6.合併条件・出資関係
・合併発表時点の個人投資家の出資持分に相当する"SPAC Investor"の比率は7%~21%。
・SPACの発行するワラントやいわゆる"PIPE(大規模私募)投資家"の今後の動向によって、変化することはありますが、あまりにSPAC Investorの比率が高いのも疑わしいかと思っています。せっかくリスクをとって創業し、既存投資家がここまで育ててきた美味しいビジネスを、SPAC投資家に大きく渡すのは、何かしらの理由があるのかもしれません。
・例えば、偽物SPACと疑われているTrittras(Ticker:”TRIT")のSPAC投資家の比率は30%、PIPE投資家は0%でした。
7.PSR比較
3/1時点の価格をもちいて、PSRを計算しています。
・売上計画が実現した場合のPSRは、HOL・VACQ(ロケット打ち上げビジネス)に比べ、SFTW・NSH(衛星データビジネス)の方が小さい計算になります。
・ただし、あくまでも現在の発行済み株式数で計算していますので、今後このままとは限りません。
8.雑感
宇宙ビジネスは夢が広がるように思いますが、SPAC上場時の計画通り実現するまでは、大きな壁がたくさんあるのだと思います。その都度、株価は急騰・急落を繰り返すのかもしれません。投資家としては、経営の定期的なチェックと、忍耐強く待つ姿勢が必要になるかもしれません。
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参考資料
SPAC合併時のプレゼン資料
<Astra>
<Rocket Lab>
<Spire>
<Triterras>
<PSR計算>
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