オレには何も楽しみがない
アルコール依存症だった父親が、晩年酔っ払って暴れるたびに言っていた言葉が、「オレには何も楽しみがない」です。
今でも強烈に耳に残っていますが、今は客観的に捉えられるようになり、なぜそんな言葉が口から出るようになったのかもよくわかります。
それは自分が主役の人生を生きてこなかったからです。
もちろん時代背景もあって、父親が社会に出た頃は高度成長期で、産めよ増やせでバリバリ働いて、物質的に豊かになろうとしていた時代ですから、ある意味仕方がなかったのかもしれません。
定年になった途端にやることがなくなり人生のテーマも見出せず、「楽しみがない」現実を突きつけられたのでしょうし、もちろん産み育ててくれたことには感謝しかありませんが、もっと自分の人生を生きて欲しかったなと今は思います。
僕自身はやりたいことしかやってこなかったし、周りからは変わり者だとか頑固な奴だと思われていたかもしれません。
昭和の頃は今と違って古い価値観がまかり通っていて、若い時は夢を語ってもいいけど、大人になったら現実を見ろというような風潮でしたからね。
めっちゃくちゃ生きづらかったし相当浮いてたと思います。
でも大きく時代は変わり、本気で今が一番楽しいと思えるし、これから先の不安なんてありません。
相当な時間をかけて内観もしてきたので、内側と繋がり本当の自分というものを知ることができたからです。
やりたいことがわからないとか、何をしたら楽しいのかわからないという人は、感覚が麻痺しているだけです。
子供の頃は一日中外で遊べたし、楽しいこともたくさんあったはずです。
では大人になったらなぜそれがわからなくなるのでしょう。
それは自分が主役であることを忘れ、他の誰かに主役を明け渡してしまったことに他ならないのです。
他の誰かというのは特定の個人だけでなく、会社とか家族や仲間かも知れません。自分中心で生きることを放棄してしまったということです。
多くのサラリーマンが定年後家にずっといて、テレビばっかり見ていたり、することがなくて老け込んでしまう姿を見ると、本当にもったいないと思いますが、それもその本人の選択ですから誰のせいにもできません。
今月誕生日を迎えて65才になりますが、定年など考えたこともないし、今も中高校生と一緒にステージに立ったりして、きっと元気なおっさんだと思われてますよ 笑笑
若いのにお前ら保守的すぎるんじゃ〜!ってハッパかけてますしね 笑
やりたいことや楽しいことがないというのは、それを見失ってしまっただけでなくなったわけではありません。
よく言われるような自分探しの旅に出たところで、それは自分の外側にあるものじゃないからなかなか見つからないんですよね。
やはり自分と向き合って内側に答えを探すことです。
自分を大切にするには、しっかり心の声を聞いてあげてください。
仲間と集まってワイワイやるのも楽しいですが、なるべく一人の時間をたっぷりとって、自分が何を感じているのか、どうしたいのかを知りましょう。
そこが全ての出発点です。
それがわかればどっちに向かって何をすればいいのかがわかるし、迷いや心配ごともやがて消えていくことでしょう。