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出音がどんな音してるかちゃんと聴こう

楽器から出る音、もしくはギターやベースのアンプから出る音のことを出音(でおと)といいます。
一番最初に音を発する時の「音」のことです。

これがどんな音なのかを知ること、もしくは把握することは超重要で、その最初の「音」を全身で聴きとり、レコーディングなら可能な限りそのまま録音し、ライブならそれをメインスピーカーから再現する。

もちろん音楽性だったり意図があって、エフェクトなどで加工するのは構いませんが、まず最初にでている音を耳で聴くこと、体感することは何よりも大事なことなのです。

ジャクソン・ブラウンやTOTOなどのエンジニアだった、グレッグ・ラダニーのセミナーを受講したときに、スネアやタムのマイクをセットする前に、自分の耳を楽器に近づけて聴くようにアドバイスを受けました。
その当時、レコーディングスタジオでは決められたマイクを決められた距離でセットするのが一般的だったので、衝撃を受けました。
あくまでも自分の耳が頼りだというそのやり方に。

ライブでも優秀な音響担当者は、必ずステージでアンプの音を聴きます。
そしてマイクのセッティングも自分でやります。
ステージ上でアンプからどんな音がしているのか確認もせずに、ただマイクで拾ってメインスピーカーから出すだけなら、それは仕事とは言えません。

ライブハウスで働いているとき、オーボエ奏者の宮本文昭さんのリハーサル中に、生音をそばで聴いて感動しました。
その音色の美しさに心を打たれたのです。
この仕事をしていてよかったな〜っと思った瞬間でしたね。

その音色を、マイクやミキサー卓を通して遜色なく伝えるのが音響エンジニアの仕事なのですが、その楽器からどんな音が出ているのか、どんな息づかいで演奏されてるのかを、まずしっかりと把握しなければなりません。
そのためには近くで聴き、耳や肌で受け取る必要があるのです。

特に歌や生楽器は個性が出ます。
その歌手やプレイヤーのよさを最大限引き出すためにも、出音のよさを知り、それを活かすための努力や工夫は忘れてはならないのです。




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