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SNSで話題23年9月に正式販売する、鼻の毛穴を洗浄!小林製薬「ケアナボン」の希望小売価格

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記事の要約

小林製薬が開発した新製品「ケアナボン ひたし洗い液」は、鼻の毛穴洗浄に特化した商品で、SNSを中心に大きな注目を浴びています。ユニークな名前と使用方法から話題となり、テスト販売では想定を大幅に上回る売り上げを記録しました。その結果、今年の9月に正式販売が予定されています。この製品は容器を鼻に押し当てて摩擦を利用し、水流で鼻の毛穴の汚れを洗浄する仕組みです。小林製薬は、製品開発において肌への負担軽減にこだわり、500以上の試作を重ねて肌負担の少ない洗浄料を開発しました。また、製品を鼻に当てて使用する新しい形状の容器も開発しましたが、これには試行錯誤が伴い、100個以上の試作と3年の時間がかかりました。この製品開発全体の期間は4年を要しました。



ユニークなネーミングに込められた工夫

小林製薬が、新たに開発した「ケアナボン ひたし洗い液」は、名前の一部に「ボン」という言葉を含んでいて、これは同社の洗眼薬「アイボン」を連想させます。「ボン」は英語で"Born"を意味するそうで、このネーミングには同社のセンスを感じます。

以前から小林製薬は独特のネーミングによって注目を集めてきました。「熱さまシート」、「のどぬーる」、「ナイシトール」、「サカムケア」など、商品名からどのような機能を持っているかが一目で分かるような名前にしています。それは同時にユーザーに親しみやすさを感じさせ、記憶に残りやすいという効果も生み出しています。

商品特性としての「見える化」

「ケアナボン」のもう一つの特徴は、シュポシュポした後に、汚れが見えることです。キレイになるかどうかよりも、「汚れが取れたかどうか」をユーザーに確認させるというのは、新たな商品特性と言えます。

かつて毛穴スッキリパックが話題になった際、肝心なのは商品が毛穴の汚れを確認できることでした。人間は見えることによって納得感や安心感を得る傾向があります。そのため、「見える化」は消費者に対して製品の効果を具体的に伝える重要な手段となります。

ヒット商品開発の裏側

商品開発は容易な作業ではありません。特に、消費者の目に触れる商品を作り出すためには、何度も何度も試作を重ね、細部に至るまでこだわり抜く必要があります。

この「ケアナボン」の開発には4年の歳月と、500以上の洗浄剤のテスト、鼻容器も100個以上の試作が必要だったとのこと。これらの情報からは、一見ふざけているように見えるネーミングの背後には、深い洞察と並々ならぬ努力があることが伺えます。

また、そのような努力が結実し、新商品が生まれたときの喜びは、一部始終を見てきた開発者だけでなく、それを待ち望んでいた消費者にとっても大きな喜びとなります。そのため、このような取り組みを続けていくことで、製品の信頼性やブランドイメージが向上し、結果として販売数の増加につながります。

その一方で、このような独自のネーミングと商品特性は、海外市場でどのように受け入れられるのか、また受け入れられるようにどのような工夫が必要なのか、これからの課題とも言えます。

これからも小林製薬のような企業が、ユニークなネーミングや工夫を凝らした商品開発を続けていくことを期待します。そして、それらの商品が世界中で受け入れられ、日本の企業力が世界に認知される一助となることを願っています。


今日の問い

  1. あなたのビジネスにおいて、商品名やサービス名はどのように決めていますか?そのネーミングは顧客にとって理解しやすく、親しみやすいものでしょうか?

  2. あなたの商品やサービスには、どのような特性がありますか?そしてその特性をお客様が自身の目で確認できるような「見える化」は行っていますか?

  3. 新たな商品やサービスの開発にどれほどの時間と労力を投じていますか?また、その過程で得られた学びや成果はどのようにお客様に伝えていますか?

  4. あなたのビジネスはどの程度グローバルに展開していますか?国内だけでなく海外の顧客にも理解され、受け入れられるネーミングや商品特性をどのように考えていますか?

  5. これからの時代において、どのような商品開発やブランディング戦略が求められると考えますか?小林製薬の例から、何を学び、どのように自社のビジネスに活かせると考えますか?

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