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「カウンセリングをする」=「コンサルティングの正反対を行う」ということ。

キャリコンサルタントの養成講座を習っていた頃、先生の教えから、理想とする相談者とキャリアコンサルタントの関係性を学びました。
それを図で表すとこんな感じです↓

(筆者作成)

これは相談支援の場における相談者と、相談者が抱える問題、及び相談を受けているカウンセラー(キャリアコンサルタントも含む)の関係性を作成したものです。

この図から伝えたいことは、

相談者が抱える問題や悩みをカウンセラー/キャリアコンサルタントの目線や価値観で見てはならないということ、あくまでも問題は相談者からどのように映って見えているか、に着目すること

です。

当時先生からは、「キャリアコンサルタントは相談者の後ろに立って、相談者から見える景色を覗き込むように」なんて言葉を言われていたのが印象に残っています。

今の私が心理カウンセラーを学ぶにあたって、土台となっているキャリアコンサルティングとは、相談者への助言や提案をメインにするのではなく、相談者の抱える問題や悩みをまずはしっかり受け入れること、と認識しています。

よって、まず相談者がその問題や悩みをどのように捉えているのか、見えているのかを、色々な質問や投げかけを通じて相談者の大事にしている価値観や考えが何か、相談者の主観に軸を置くことが大事な視点だと捉えています。


では、コンサルティングの場合はどうでしょうか?
これも図で表すとこんな感じです↓

(筆者作成)

相談者(クライエント)が抱える問題を解決するために解決策を提案するコンサルタント(経営・業務や、営業にも当てはまるかもしれません)は、問題解決に向けて、問題発生の元となるデータや数値といった事象に目を向けること、つまりは客観的事実、問題点に着目することが大事とされます。

ここまでをおさらいすると・・・

カウンセリング(キャリアコンサルティング)=相談者の主観を重要視する
(経営・業務)コンサルティング=客観的事実、問題点を重要視する

私はこのように捉えています。

カウンセリングを実施する上で無視できない「相談者の主観」に目を向けるということ・・・つまりは相談者が出会した出来事や事柄において、どのように捉え、どう思ったかという感情や思考に目を向けることが非常に大事になっていきます。

対して、(経営・業務)コンサルティングや営業、あるいは普段の業務をこなしていく上でも、その当事者の捉え方や感情はあまり重要視せずに、解決のためにデータや数値をはじめとした客観的事実がどう示していることが非常に大事になっていくと、私はこう考えています。

普段の仕事をこなしていく上では、コンサルティング場面のように、実際に起きている事柄や問題点に着目して業務をこなしていくことが多いと思います。
"業務だけ"を遂行していく分には、このようなコンサルティング目線は大事になってくる一方、カウンセリングはもちろんの事、上司や部下といった社内の人と協力して何かを成し遂げようとしていく時には、円滑に業務を進めていくためにも、関係する人たちがどんなことを考え、どう思っているのか、当事者の主観や思いに目を向けるということも非常に大事になってくるのではないでしょうか。

それはつまり、相談者、相手の意見に常に賛同する、ということはなく、賛同しようがしまいが、相談者の話に耳を傾け、受け入れる、ということが非常に重要になると私は考えるのです。

この「相手の話を受け入れる」とは、どういうことなのか。
それはまた次の機会に・・・


by なっちゃん