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減薬の道を選ぶタイミング

みなさんは、減薬のタイミングについて考えたことがありますか?

わたしは20年以上の服薬生活の中で、何度も減薬をしたいと考えたことがあります。強すぎる抗うつ薬の影響でテンションが上がりすぎて眠れなくなったり、そうかと思えばそこへ睡眠薬の処方を受けて今度は起きられなくなったり・・・気づけば双極性障害という病名がついていたり。

自分のテンションがお薬によって振り回されているな、と感じることが多かったですし、投薬が始まってからはどんどんと体重も増え、二次的な不調も増えて「薬を飲むのが嫌だな」と感じることが多くなりました。

「減薬をしたい」と訴えることもありましたが、医師からは了承がもらえずに薬が減らされることはなく、気づけばどんどんお薬に対しての耐性もついていて、どんなに強い睡眠薬を飲んでも毎日3時間くらいしか眠れない、という状態になっていました。ただ、離脱症状のことも理解していたため、お薬をやめるわけにもいかない、といったとても困った状態になっていたのです。

そもそもわたしが中医学の世界に足を踏み入れたのは、減薬のためではありません。西洋医学の世界では、わたしの病気を治す方法が見つからなかったからです。
長年、多剤処方された向精神薬を飲み続けて、気づいたら難病になっていました。

そんな話をすると、結構な確率でお薬アンチ・西洋医学アンチの人に声を掛けられるのですが、実はわたしは100%薬が悪いものだとは思っていません。ましてや、西洋医学が悪いとも思っていないのです。それぞれに良いところがあり、それぞれに苦手なところがあり、それぞれを必要としている人がいます。それに気づかせてくれたのもまた中医学でした。なにより、漢方薬も使い方を間違えれば副作用があるし、自然のものだから体に優しいという訳ではありません。

長期的な多剤処方には疑問を覚えることもありますが、向精神薬も同じように必要な場合もあり、必要な人もいると思っています。なので、減薬をしましょう!と推進したいわけではありません。

減薬は「したい」とそう思う時が、その人のタイミングなんだと思っています。

昔、よく友人から「薬はやめたほうがいいよ」と言われていたことがありました。
その頃のわたしは「わたしには薬が必要だから。これがなかったら仕事も出来なくなってしまうし、困ってしまう」と答えていたのですが、あの時のわたしにとっては薬は必要なものでした。結果的に、それによって不調を招いてしまったけれど、それでもあの時のわたしにとっては無くてはならないものでした。

中医学の知識を得た今、「薬を飲み始める前の昔の自分に戻ったら、同じように薬を飲み続ける選択をしたかな?向精神薬を飲んでいたかな?」と考えると、飲まない選択をすると思います。それは、西洋薬だけではなく、他にも選択肢があるということを今は知っているし、メンタルの不調がメンタルだけの問題ではない、ということを今は理解しているからです。

人にはそれぞれに選ぶ権利があり、それぞれに受け入れるタイミング、理解するタイミング、前に進むタイミングがあると思っています。

わたしはわたしと同じように「減薬をしたい」と前に進もうとしている人や「前に進みたいのに薬をやめられずに困っている」「今とは違う選択肢を選んでみたい」という人がいるのであれば、そのサポートを出来ればいいな、と思っています。

減薬は大変なことも多いです。
だからこそ、あなたのタイミングで前に進めたらいいな、とそう思っています。


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