プラスチックゴミがもたらす影響
ゴミ問題の現状に関しては、前回の投稿で書かせていただきました。
今週は、ゴミの中でも特にプラスチックゴミに絞って書かせていただきます。
「海洋プラスチック問題」としてプラスチック製品が良くないとご存じの方も多いと思います。どうして海にプラスチックがあるのか、海にプラスチックがあるとなぜいけないのか、お伝えできたらと思います。ご一読いただけると幸いです。
プラスチック製品とは
プラスチックは、何で作られているか知っていますか。化石燃料の一つ「石油」です。
石油から形を変えたプラスチックの特徴を挙げさせていただきます。
良い点としては、加工しやすい・軽い・錆びないことです。
形を変えられ、持ち運びに便利、加えて水に強いという特徴は、様々な用途に使用することができます。
対して、悪い点は、熱に弱い・破れやすい・分解に時間がかかることです。
破れやすいからこそ、使い捨てとして使われていることが多い印象です。
この中で、プラスチックの問題として一番大事な特徴はどれでしょう。
「分解に時間がかかる」ことです。
分解に時間がかかる
プラスチックは有機物です。ですので、自然界に住んでいる微生物などの分解者が、無機物(二酸化炭素や水など)に変えてくれます。
分解者についてもう少し書かせていただきます。
分解者にも人間と同じように好き嫌いがあるそうです。
皆さんは、すごく硬いクッキーと、すごく柔らかいマシュマロのどちらかで早食い競争をするとします。どちらの方がたくさん、かつ早く食べることができますか?
分解者も人間と同様に、食べやすいものと食べづらいものがあります。
分解者が分解しやすいものは、「自然界で作られているもの」「人間も食べれるもの」です。
ここでプラスチックの話に戻します。
プラスチックは元々自然界にあったものではありません。自然界にあった石油を人間の手によって、便利に改良したものです。
ですので、分解にものすごく時間がかかります。
その期間、なんと400年以上
なかなか分解されないプラスチックは、太陽の紫外線や波の力で徐々に小さくなり、マイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック)として海や土の中に残り続けるのです。
プラスチックゴミが海にある理由
そもそもプラスチックゴミは、なぜ海にあるのでしょうか。
まず挙げられるのは、ポイ捨てです。人間の手によって捨てられたプラスチック製品は、軽いがゆえに風に飛ばされ海に行きます。
また、海のゴミをよく観察していると、外国表示のものを見かけることがあります。これは、海外からのゴミが、日本に流れてきたものです。遠い海外から海に流されてもなお、原型を保っています。
2つ目に、故意的ではないけど捨てられてしまう場合もあります。
例えば、ゴミステーションに出したはずのプラスチックゴミの中身が風に飛ばされてしまった場合。カラスによってゴミを荒らされてしまった場合などです。
他にもたくさんありますが、ポイ捨てしている人の意識を変えても、ゴミの減る量は限られるということを抑えておく必要があります。
3つ目に、外でプラスチック製品を使っている場合です。
例えば、人工芝などのプラスチックが、雨に流されたり、風に飛ばされたりして、海や土の中に入ってしまうことがあります。
ビニールテープやポリ袋、ビーチボールなど、外でプラスチック用品を使用するときには注意が必要です。
最後に、台所です。台所の水は、下水道を通って下水処理場に行きます。
ですが、下水処理場で水を綺麗にしたとしても、軽くて分解が遅いプラスチックは残り続けます。
故意的ではないにしろ、台所からプラスチック製品が少しでも流れれば、そのまま海へ行くと考えて下さい。
プラスチックの有害性
プラスチックの種類は、たくさんあり、ものによって有害性は変わります。ですが、共通して言えることもあります。
プラスチック製品は、加工の際に添加剤を多く含んでいる可能性があること
漂流などの際に有害物質が吸着してしまう可能性があること
添加剤や有害物質はどちらも生物にとって良いものではありません。
分解しにくいプラスチックは、小さいものほど、体の中に蓄積し続け、内分泌撹乱物質として、ホルモンの働きを阻害してしまうこともあります。
人間は1週間でクレジットカード1枚分のプラスチックを食べていると言われています。
電子レンジで温めたプラスチック用品が、溶けて食品の中に入っている可能性だって、海のプラスチックを食べた魚を我々が食べていることだって
無害な理由なんて全くありません。
2050年には、海洋生物よりプラスチックの量の方が多くなると言われています。
海洋生物のために、そして我々人間のためにプラスチックの利用については真剣に考える必要があります。
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