世界をシンプルに捉えたい ホヤ 通過していく粒々
ホヤという生き物は、「動物」というくくりの中で、もっとも単純なかたちをしている。
よく「人間といえども、もとをただせば単なる筒にすぎない」という話を聞く。口から食べて、お尻から出す。複雑なつくりに見えても、生命体と、外界との接地面は、外側の表皮、それから筒の内部のみ。
ホヤはまさに、これを体現している。海水を、筒のなかへ通過させ、たべものを漉しとって、身にしていく。
「人間だって、口から食べて、栄養を漉しとって生きているじゃないか」
いやいや、今回わたしが言いたいのは