そして今日も日が昇る #エッセイ
※死についての描写があります※
夜明けを見ている。外が明るくなりだすと、少しホッとして次第に眠くなって来る。
大切な人を喪ったときそれが私の人生史上、あまりにも圧倒的な破壊力をもつ出来事だったので自分が壊れてしまわないように睡眠と食事を死守した。睡眠薬を飲んで眠り、ない食欲を振り絞り形あるものを口に入れた。
現状の昼夜逆転は、それより少し後の出来事に起因していて、それは、愛犬の死だ。もうすぐ一周忌になる。前者の喪失を大きな愛で支えてくれた存在でもあった。
息を引き取る瞬間まで一緒に居たし、送る支度も私がした。火葬場のスイッチも私が押した。生前できることはやったし、驚くべきことに後悔はない。
だけど、彼(大型犬だった)の不在で私は睡眠薬を飲んでも眠れなくなった。正確には、眠たくはなるけれど眠りに落ちたくない気分が勝り起きていてしまう。
そして朝を迎えるのだ。そんな不健全な?習慣を気付かれたくなくて(気付かれているだろうが)、家人を送り出してから寝る。明るさのなかで寝る。当然のことながら用事があれば睡眠時間はあまり取れないのだが、2、3時間でも続けて寝られれば動くことは出来る。
真夜中の静寂が私にはきっと必要なのだろう。いつか必要としなくなるまで。
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