今日もカフェでコーヒーを飲みながら⑦ 6.同じクラスで、3年間…

4年生以降、クラス替えも、担任の先生の交代もなく、高学年になってからも、クラスの男子達や、一部の女子達は、執拗に私をいじめ続けました…。


真冬の寒い日…、
私は、姉からの『お下がり』で貰った、ピンクと白のリバーシブル・ジャンバーを着て登校したのですが…、
そのジャンバーを、誰かが、教室の中の石油ストーブに放り投げたらしく、私が見つけた時には、殆ど黒コゲになっていました…。
「うわっ、クッセーなぁっ…」
「ウケるっ…」
「ザマーミロッ…♪」
私をいつもいじめていた子達は、せせら笑いながら見ていました。
放課後、私は、黒コゲになったジャンバーを着て、泣きながら下校しました。家に帰るまでの間、すれ違う人達は、私を見て、
「なぁに、あの子? ボロボロなジャンバーなんか着て…」
「Y内っていう、卑しい女のトコの子供でしょ?」
「母親が母親なら、子も子よね、みっともない格好してっ…」
「恥ずかしくないのかしらっ…」
「あれじゃ、まるでルンペンよねっ…」
と、ヒソヒソ、コソコソと、陰口を言いました…。
私は、家に帰ってから、祖父母に話し、その翌日、祖父母の方から学校に通報しました。
しかし、同級生達は、皆、口をつぐんでしまい、誰がジャンバーを石油ストーブに放り投げたのか、全く話してくれませんでした…。


また、ある日の理科の授業中…、
各班毎に、青虫を観察して成長の記録をノートに書き取らなければならなかったのですが、同じ班の子達が、
「お前になんか見せてやらねーぞっ!」
「Y内なんか、テストで0点採ってりゃいいんだよっ!」
と言って、観察させてくれませんでした。
私は、仕方なく、放課後になって教室に誰もいなくなってから、こっそり青虫を観察して、事細かくノートに記録を書き取りました。

その数日後…、
青虫に関する事が、理科のテストで出題されました。
が…、
授業中に青虫を観察していたはずの同級生達の殆どが、あまり良い点数を採らず、クラスで唯一、私1人だけが100点満点を採る結果となってしまいました。
その結果を不服に思った同じ班の子達は、
「おかしいだろっ! 何でY内が100点なんだよっ!」
「お前、青虫の観察しなかっただろっ!」
「カンニングでもしたんじゃないのかっ?」
と、難癖をつけ、私を責めました。
私は、O瀬先生に、同じ班の子達が青虫を観察させてくれなかった事、放課後に1人で青虫を観察してノートに記録を書き取った事を話しました。
同じ班の子達は、その場ですぐに注意されましたが、他の子達は、
「放課後にコソコソ見るなんて…」
「ドロボーみたいっ…」
と、私の陰口を言いました。


執拗かつ陰湿な『いじめ』は、更にエスカレートしていきました…。


図工の授業で、童話の中に出てくる光景をイメージして描くというテーマを出題された際、私は、『ブレーメンの音楽隊』の中の光景を思い浮かべ、画用紙に下絵を描いた後、すぐに水彩絵の具で色を塗っていきました…。
それは、真夜中、森の奥深くで、ロバを一番下に、犬、猫、鶏の順に乗っかって寝ているシーンで、その様子を分かりやすく見せる為、あえて木々の葉っぱを描かず、辺りの暗闇を引き立たせる為、黒い絵の具に少々青い絵の具を混ぜて、何度か重ね塗りした上に、金色の絵の具で星を沢山描きました。
更に、ロバ達も、普通に色を塗った後、乾いてから、うっすらと黒を重ねて塗りました。
その絵は、良い評価を付けてもらい、教室前の掲示板の一番上の方に貼られました。
ところが…、
私をいじめていた男子達が、私の絵を見て、
「こんなの、絵本のと違うっ!」
「何で森の中なのに、1枚も葉っぱがないんだっ!」
「周りが暗くて、星空なんて、変だろっ!」
と、批判したのです。
そして…、
「こんな変な絵、引っ剥がしてやるっ!」
と言い出すと、私の目の前で、わざとビリビリに破きながら絵を引っ剥がし、グシャグシャッと丸めて踏み潰してから、
「こんな変な絵描くなっ! バーカッ!」
と言って、私の顔めがけて丸めた絵を思い切り投げつけ、皆でせせら笑ったのです…。
私は、グシャグシャにされたその絵を、家に持って帰ると、後ろ側からセロテープを貼りました。絵の具の上に残った靴底の跡を見ると、悔しさが込み上げてきて、声を上げて一晩中泣きました…。


更に…、
毎週行われていた『漢字テスト』で、私は毎回、90〜100点の点数を採っていましたが、その事に関しても、
「Y内が、そんな点数採るなんて、おかしいだろっ!」
「お前、塾にも行ってないよなっ!」
「Y内みたいなビンボー人の頭悪い女が、良い点数採るなんて、変だろっ!」
「Y内、お前、カンニングしてるだろっ!」
と、根も葉もない事を言われました。
私は、『漢字テスト』の答案用紙を返された後、何度かO瀬先生に呼び出され、
「Y内さん、本当の事を言いなさいっ! カンニングしてるのかっ?」
と、問い詰められました。その度、私は、
「カンニングなんかしていませんっ!」
と言いましたが、それでも信用してもらえなかったので、私は、証拠として、漢字練習用のノートを学校に持って行き、皆が見ている前でO瀬先生に見せた事もありました。


また、夏休みや冬休みに『自由研究』で作った作品も、一応、学校に持って行くものの、
「提出して、教室に展示されたら、壊されてしまうかもしれない…」
という不安が拭えず、結局、いつも作品を提出せず、そのまま家に持って帰りました。


6年生になって少し経つと、私も、他の女子達と同じように『初潮』を迎え、ほぼ毎日、生理用ナプキンを学校に持って行くようになりました。
しかし…、
休み時間や、体育の授業などで移動し、私が教室を離れている間に、誰かが、私の鞄や机の中を勝手に漁って、生理用ナプキンを見つけると、袋から取り出し、赤いマジックで塗り潰してから、わざと机の上に置くといった、相当タチの悪い『嫌がらせ』まで受けるようになりました…。


それでも私は、風邪で熱を出したり、体調が悪い時以外は、殆ど学校を休みませんでした。
母や義父に心配をかけたくなかったという思いと、一度学校を『ズル休み』してしまったら、もっと酷い『いじめ』を受けてしまうかもしれないという『恐怖心』に怯えていたからです。
また、祖母からは、いつも、
「負けるが勝ちだよ」
と励まされ続けた事もあり、『いじめ』に遭っても、逃げ出しませんでした…。

学校から帰ると、私は、ジャージから普段着に着替え、部屋で絵を描いたり、漫画を読んだり、宿題を済ませたりしていました。
外へ1人で遊びに行く時は、必ず自転車に乗りました。万が一、いじめっ子達とバッタリ出くわしてしまった時に、すぐに自転車で逃げられるようにと考えていたからです…。

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