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時を告げる者たちの詩



海が啼く波濤のたかみで

まぼろしは時を歌った

刻と刻とのあわいを縫って

ことばは虚空に躍り出た

時空の波が

その微細な触手で大地を擁き

色に瞬くことばが

その指先から放たれた...


アーラヤ識が見せるかぎろいのなかに

ことばは色を響かせ時を告げた

仄暗い闇のなかに羽ばたくことばが

あわいに揺らめくまぼろしに

その鱗粉を落としていった

それは時空の波に香りたち

遠き潮騒の夢を呼び寄せた

海のことばを伝えるために...


銀河のさざなみを往く

この星の旅路に在りて

円環の時を廻る

陰影のなかに海は巡り

アーラヤ識の地殻変動が

新たな時を産みだした

銀河を擁く力のなかに

この星は在り

転じた時を告げる者は

海に歌い…  星を詠う

銀河のさざなみのなかで

転じた時間にこの星は震え

ひとのこころの奥底で

時の火花は色を変えた...


銀河を擁く視えざる腕のなかで

螺旋軌道はその韻律を歌った

刻まれゆく星の心音に

来たるべき時の祝福を歌っている

銀河の風は星を抱き

歌は星の気息となった

マザーガイアの胸の高鳴りは

その身を震わせ

海のざわめきとともに

すべてのいのちに呼びかけた...


星の海の

夜明けの時を映して

この星はことばの海を抱いた

ひとのこころの奥ふかく

ことばの海のささやきに

遥か銀河のしおさいを聴く

ことばの海の使者たちは

眠るひとびとの夢に時を告げた

ひとのこころは冬を越えて

春のざわめきを遠くに聴いた...


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