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住んでいない土地に居場所があるということ

一昨日から昨日までの2日間、京都へ行っていた。
今回のメインは、日本酒イベント「SAKE Spring」(通称サケスプ)に参加すること。
サケスプね、本当は春に開催予定だったんだけど、ちょうどコロナが再流行してしまった時期だったためにこの時期まで延期されたんだ。

今回も1か月くらい前からドキドキしていた。
お願いだから開催されてくれい…!もう待ちきれないよ…!!

そして無事に開催され、昨日参加してきた。
いろいろな日本酒が飲み比べられて、もう何を何杯飲んだのか全くわからなかったけど、とにかく楽しいひとときだった。


で、サケスプも楽しかったんだけど、今日書きたいのは別のこと。

私は京都が本当に好きで、もう何十回と行っている。

大学生前半の頃はひたすら抹茶スイーツ巡りをして、いろいろな観光地に足を運んでいたなあ。
結構きついスケジュールもこなしたりしてさ…!
今考えるとよくやってたもんだ。

大学生後半から社会人2,3年目あたりまではカメラにハマって、いかにいい写真を撮れるかに時間を費やしていた。
カメラってさ、いい角度とか時間帯とか、こだわりだすとキリがないの。
だからひとりの方が気楽で、この頃からひとりで行くことが増えたんだよね。

そして現在はというと、その日の気分で行きたいところに行き、食べたいものを食べるという、なんとも計画性のないゆったりプランばかりになっている。
京都、行きすぎて、こんなにゆるくても土地勘に困らないくらいになってしまった。

食べることが大好きだから、前まではいろいろなお店を開拓していた。
でも最近はお気に入りのお店をリピートするようになった。

今回もリピート店を巡ることにした。
カフェと居酒屋、どちらも前回に行って、今回で2回目だ。

お店に入って席に着く。
ひとりだから、大抵どこのお店でもカウンター席になる。
カウンター席っていいよね、店員さんと自然と会話できるから好き。

「あ、もしかして前に来てくださってた方ですか?
転職や引っ越し、どうなりました?気になってましたよ」
カウンター4席しかないカフェのお姉さん、ほくほくの笑顔を向けてくれる。
キュ――――ン。

「あら、どうも~!あれやろ、〇〇(私の居住地)の子やろ!あいつ(店員さんのひとり)が前のときよう話してたってなあ」
ちょっと隠れ家的な居酒屋の、あいつと呼ばれたお兄さん、振り返って手を振ってくれる。
キュ――――ン。

えええ、前回来たの半年くらい前な気がするんやけど、しかも2回目なんやけど、顔覚えててくれるばかりか会話の内容まで覚えててくれるん…!!
なんなん、涙出てくるやん…!!

もしかしたらそれは、営業トークというか、観光地ということもあって客の相手がうまいだけなのかもしれない。
本当にたまたま、私が印象に残っていただけなのかもしれない。

それでも、顔や会話の内容を覚えてくれていることは、やっぱり単純に嬉しかった。
それに毎日何十人ものお客さんを相手にするはずで、そんな中でも覚えていてくれたことに感動した。

帰るとき、カフェのお姉さんは入口まで送ってくれた。
「またいらしてくださいね。いつでも待ってますから。」

もうそんなん絶対来るに決まってます。来さしてください。

居酒屋では、華金で店内はとても忙しいのに、お兄さんたちみんなが振り返ってペコリとしてくれる。
「ごめんなさいね、バタバタしてて。ほな、今日もあめちゃんどうぞ!また待ってますう!」
ペコちゃんの棒つきキャンディーを渡してくれる。

はあああ、沁みる。今日もあめちゃんまでしっかりありがとうございます。暑さで溶けんうちに食べますね。

こうしてこれらのリピート店は、また次もリピートすることが確定した。

そこに住んでいるわけでもなければ、月に何度も通う客でもない。
それでも「また待ってるよ」と言ってもらえる場所があるって、本当に嬉しいことだ。
自分の住む土地ですら、こうしてほっとできる場はそう多くない。

こちらもいい意味でしゃんとする。
また来てほしいと思ってもらえるような客であろうと思う。
押しすぎず、引きすぎず。親しき中にも礼儀あり、だ。

少しおこがましいことは承知で言うけれど、
「私の居場所」、大切にしていきたい。


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