【大人】寄り添う大人の関わり方で
中学生のハローワーク11月のゲストは、アレクサンダーテクニーク教師のバジル先生。企画のタイトルは「中学生のハローワーク」だけど、実は毎月大人が参加できる大人クラスも同時に開催されています。
初めての人たちにも会えて
大人になると、目の前のことが忙しくて、なかなか他の世界の人や、別の価値観で生きる方たちとお話する機会は持てません。こういう機会をつかまえて、自分の常識をブラッシュアップして、ものの見方を広げ、内面的に自分を育てていく時間に出来たらいいな、と思います。
さて、今回は、夜に貸し出してくれる会場がなくて、とてもオシャレな場所での開催でした。そして、大人クラスはいつものメンバーに加え、新しく、お2人の方が大人クラスに参加してくださいました。「おもしろそう、聞いてみたい!」ってコレを見つけて参加してくださるなんて、嬉しい限り!
進路を決める時にとった行動は
さて、全体では、バジル先生が自分の道を見つけるまでのことをお話くださいました。自分の進路を探し始め、かといって親にも相談しなくなる中学生の親である私たち。「ホルン奏者になる」というレアな選択をして、実際にその道で生きておられるバジル先生のお話は、とても興味深いものがありました。(お話の内容や、全体の雰囲気は、子どもクラスの記事参照)。
親が「あなたらしく生きてくれたらいい」と望んでも、中学生、特に3年生の秋にもなると「どの学校に行くか」という目の前の進路選択が重くのしかかって、好奇心の芽を自分で摘んでしまう。好きなことをするパワーも失いがちです。
その時期にバジル先生は何をしていたのか。なんと中3でホルン奏者になろうと決めたらしく「自分でホルンの先生を探してきて」とか、「こういうヘンな大人と会って」とか、自分でアレコレ道を拓いていった話をしてくださいました。たまに「こういう集まりに行ったらサイテーやったから日本無理でドイツに行った」なんて赤裸々な話も混ざるけど、それも中学生には信頼が持てる要素だったみたい。
まわりの大人の発言で
大人が気になったのは、バジル先生の話に登場するまわりの大人たちの姿。自分で出会いに行った人、学校の先生などなど、人生の節目節目で、関わった大人がどういう発言をしたのかによって、バジル少年の未来が変わって行ったんだなぁ、すごい影響力やなぁ~と。
バジル少年は15歳の頃に出会ったオーケストラ奏者の先生に向かって「そのやり方は違うと思う」とか怖いもの知らずにも放言していたそうで、でもその先生はそれを頭から否定はしなかった。そこでバジル少年は自分でいろいろ試して、自分なりの正解を自分で探すようになっていった、という経験をお話いただいたのが印象に残っています。
「子どもを伸ばす大人とは?」「自立していく時期にふさわしい子どもの見守り方は?」など、あれこれ質問が飛び交います。ある方が「私はできないけど、動画にいいアドバイスがあって、それを子どもに伝えたいのに、なかなか伝わらない」というお話をされました。そしたらバジル先生ったら「それは、自分がわからない事を子どもに納得させたいってことですか?」と確認されたのです。
ドキッ(^^;)!
でもね~、大人なら、子どもには自分を越えていって欲しいと思うじゃないですか。子どもに良かれと思って、自分が知っている事以上に何かを伝えなくちゃいけない場面もあります。エラソーに押し付けたいわけじゃないんです。子どもは自分に必要なことを知っているだろうけど、自分で必要なものを探し出すノウハウが十分だとは思えないんです。ああ、バランスが難しいなぁ~。
都市伝説に惑わされるな
バジルさんの答えは、「誰かの正解を押し付けてもダメで、本人が興味を持ったら、本当にそうなるのか自分で確かめてみて、ならないとしたら、なぜそうならないのかいろいろ検証してみること」だそうです。「正解を探す時には、科学的な知識がヒントになることも多いから勉強もしないといけない」と。可能性のあるものを総当たり戦でやってみることで、自分が納得する答えを見つけていくことが大事なのだ、と言います。
「だって、15歳が13歳にエラソーに言いたいだけの事だっていっぱいあるでしょ。ボクはそういうのは “ハイ、それは都市伝説~!“”それも都市伝説~!”ってバサバサ切り捨てて行きます(^^)」。
もはや、「信じるものは救われる」というには情報が多すぎる時代です。信じて救われなかった大きな戦もありましたし、いまだに「考えるな、信じろ」という圧力を感じる場面もあります。でも今は、自分で問いを立て考え「納得して行動する」ことが必要な時代なのでしょうね。
中学生の親である私も、子どもが自分で考える力や行動力を伸ばしていけるよう、応援したいものです。なんて思ってたら、全部自分に帰ってくるんですよね。「んで、アンタはそれ出来てるの?」って自分がつぶやいて「ああ~~~ごめんなさい~」って(^^;)。ま、困ったり学んだりしながら、いくつになっても(1ミリずつでいいから)成長してる姿でいられたら、と思います。
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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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