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【子ども】植物学③裸子植物は小学生?

菌類、ソウ類、コケ植物を人間の成長に例えてみたところ、妹や弟がいる子とそうでない子の反応の違いが顕著だった(前回の記事はこちら→植物学②)。次はシダ植物、裸子植物と続き、例える子どもも自分の年齢に近くなるので、もう少し身近に感じてくれるかもしれない。


シダ植物から仲間を守れ

シダ植物

(↑木のすぐ左側に、シダ植物を描き足した)

「ベニシダの裏、あれ、気持ち悪くて嫌やねん」
植物学が始まったときから、ずっとシダ植物の登場を警戒していた子がいた。保護者の方に尋ねてみると、こういう症状には集合体恐怖症という呼び名まであるらしく、細かい粒が集まっているような形態のものを見ると、恐怖心を抱くのだという。嫌がるのを分かっていて無理に観察させるようなことはしないでおこう。世界への興味を広げたり深めたりしたくて植物学に取り組んでいるのに、わざわざ反感だけを強めるようなことをする必要はない。
そんなわけで、胞子のうの観察は、山に入ったときに葉の裏を見るだけにとどめておき、シダ植物について学ぶ日は、ウラジロの栄養葉(胞子のうが付いていない葉)を観察することにした。

シダ植物_クレヨン_編集済

さて、子どもたちの反応はというと、自分たちの仲間にシダ植物を苦手とする子がいるのを知っているので、シダ植物に敵対心を見せてくる。

それでも、お正月に見たことのあるウラジロだ。ベニシダよりは親近感がある様子。裸子植物は、自分で立てるようになって1人でも遊べるんだけど、大事な物を隠し切れない幼児のような植物。右手に石ころを握り、左手は何も持たずに握って見せて、
「どーっちだ!?」
っていうけど、指の間から石が丸見え・・・。そんな話を聞いていると、なんだか可愛らしく思えてきたようだ。結局、
「無理して見んときや!」
と友達を気遣いながらも、葉をめくって裏まで観察していて、
「胞子のうはないけれど、赤い点々がある!」
という発見をして盛り上がっていた。
「コイツ全く隠せてない」
「何やってんねん」
とツッコむ姿が楽しそう。

この日のおやつは、ゼンマイを炊いたもの。今回学んだのは梅雨の時期なので叶わなかったが、春先なら自分で摘み取りに行くこともできるかもしれない。それに、あの渦巻きを伸ばしてみるのも、幾何学的な姿が見られそうでワクワクする。胞子のうから胞子を飛ばす実験なんかもおもしろそうだ。

授業の内容は、教師と子どもの関係性、時期や地域によっていくらでも変えることができる。これが楽しいのだ。教科書がないことによるメリットだと思う。


裸子植物は何年生か

裸子植物

(↑ シダ植物の上に、マツを描き足した)

次の月は裸子植物。幼児から少し成長して、隠し事ができるようになった植物だ。普段は種子を包み込んで大切に収納しているけれど、時が来たらパッと開く。「この話、ナイショだからね!」って言いながら広めてしまう、小学生くらいのイメージだ。

裸子植物は小学生だと言う私に、
「自分たちはそんなことはない」
「小学生だろうけど、3年生くらいじゃないか」
と子どもたち。どうやら、自分たちはナイショの話を広めている意識がないらしい。
「えっ、いつも『ウチの学校さ~』って、友達や先生のことを暴露しているのに!?」
「好きな人の話に、興味津々なのに?」
なんて言おうものなら、子どもたちから怒られそうなので、口が裂けても言えない。ツッコミは、私の心の中に隠しておくことにした。

まつぼっくり

部屋の窓からちょうどマツの木が見えていて、裏の公園に行けば松ぼっくり(松かさ)がたくさん落ちている。松ぼっくりを水に漬けるとかさが閉じていく様子に驚いたり、乾いた松ぼっくりの隙間から見つけたタネを飛ばして、ヒラヒラと風に乗って落ちていく様子を観察したり。松の葉ですもうを取って遊んだことがあるとか、松ぼっくりは数列になってるらしい、という話を教えてくれる子もいて、裸子植物はとても身近だった。

まつぼっくり2

そして、この日のおやつは、ぎんなんとマツの実。小学生には不人気だろうと思っていたが、意外にも賛否両論の賛成派が強くて、こういうの大好き!という子のお腹の中に、あっという間に消えていった。


次は、いよいよ被子植物です!

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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。
小学校教員を経て、現在は放課後等デイサービスの指導員として働くかたわら、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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