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スタンダードの論点(ブルームバロウ)

何かと動物には嫌われがちなオーヴァンですよろしくお願いします!

7/31(JST)ブルームバロウ(BLB)のMTGアリーナ実装に際し、新カードをレビューしながらスタンダード環境の論点を整理する記事です。ローテーションによりBLB実装と同時に「スタンダードで使えなくなるカード」も環境に影響するため、併せて確認していきましょう!

前回記事はコチラです!おかげさまで過去最多閲覧数を更新しました!これを励みに続けようと思いますので、今後も何卒よろしくお願いします!

まずはOTJ後のメタゲーム振り返りで復習しましょう!

メタゲームの変遷

エスパー(ミッドレンジ)→ドメイン・ティムール(ランプ)→ボロス・赤単(アグロ~ややミッドレンジ寄り)→アゾコン(コントロール)→ディミーア(クロパ)→ゴルガリ・オルゾフ(除去ミッドレンジ)
と、末期まで流動を続けた良環境でした。

ローテ落ちするカードへの依存度が高いデッキは存続が困難なので、それらに喰われていたアーキタイプが台頭したり、あるいは新しいアーキタイプが登場したりする初動となるのでしょうか?

アグロデッキの論点

赤単

5/25 Japan Standard Cup 優勝

1ターン目を支えた《熊野と渇苛斬の対峙》が退場となります。
後釜になる1マナを探すことになるわけですが、候補になりそうなのが...

爪よりも尻尾のほうが強いぜ!

コイツどうでしょうか?
後手1ターン目で置いた場合でも、相手の生物は2/3ぐらいなので殴りに行けます。熊野と比べると見劣りしてしまいますが、《焦がし吐き》の前例があります。カウンターを1つ置いても《切り崩し》がヒットするスペックですが、《朱地洞の族長、トーブラン》のような相方がいれば活躍するやもしれません。《最深の力、オヘル・アショニル》・・・?
トカゲシナジーを活かすなら黒赤にする路線もあるでしょう。
他に《心火の英雄》も十分活躍できるスペックだと思う。

熊野の他に《火遊び》《祭典壊し》《血に飢えた敵対者》《反逆のるつぼ、霜剣山》などが抜けます。火遊びと祭典壊しはほぼ同型の《ショック》《地盤の危険》(プレインズウォーカーに飛ばない)があります。

そして対赤単のサイドボード候補として名高い《痛烈な一撃》も同時に姿を消します。ライフゲインと除去を同時にこなす対策札の減少は、赤単にとって追い風ですね。

痛烈じゃない一撃

《大洞窟のコウモリ》を使う白黒系ミッドレンジが採用しそうな《超音波の一撃》と比較すると、1マナ4点2ゲイン→2マナ4点3ゲイン(するかも)と、性能も使い勝手も大幅に弱体化。そもそもコウモリを焼けばゲインを阻止できるのと、白系デッキ自体が数を減らすと予想されるので大丈夫でしょう。

新環境でも赤単には要注意ですね。

ボロス召集

5/26 Rebound Standard 優勝

論点:横と縦のアグロ戦略
ボロス召集も1マナ域から《ヴォルダーレンの美食家》を失い、2ターン目《イーオスの遍歴の騎士》の安定性が半減。かといって色を足して《遠眼鏡のセイレーン》を使うのも難しいでしょう。(とか書いてたら、ジェスカイ型が結果を残したらしい。すげぇ…)
クリーチャーを横に並べる戦略が継続できるか、見極めたいですね。

昇竜拳!

今度はコイツが飛び込んで3ターン目《イーオス》着地を目指すことになるのでしょうか?《戦導者の号令》や《門道急行の事件》といったカードと相性が良さそうなので、ミッドレンジ型にサイドチェンジしても活躍できそうです。

そしてブルームバロウの白赤は有力なハツカネズミが多数登場しています!

既存のハツカネズミ関連カード一覧

召集や《内なる空の管理人》のように「コストとしてタップ」では誘発しないため、既存の横並べ戦略と噛み合いは今一つかもしれません。もしもハツカネズミが並ぶなら《渓間の冒険呼び》のようなロードも一緒に採用できそうですが…。
一方で《光輝王の野心家》みたいなカードは雄姿と相性が良いと言えます。《呪文書売り》《包囲の古参兵》がスタンダードに存在しますが、どちらも人間で部族シナジーは受けられません。
ちなみに雄姿は装備でも誘発します。《岩山炎の後継者、メイブル》が装備品を持ってくるのは「そうしろ」という事ですが、装備コストが2マナと絶妙に重そうなあたりに調整が伺えます。スタンダードで未だ見ぬ《失われた十手》《富と力の剣》のようなカードが掘り起こされるんでしょうか?

そして縦の戦略においては、既に名を馳せるデッキがありますね。

グルール

6/1-2 US Regional Championship 優勝

「横」に並べるボロス召集に対し、《精鋭射手団の目立ちたがり》(通称SSO)を軸として「縦」に伸ばす戦略を取ります。《耐え抜くもの、母聖樹》が抜けるとはいえ、緑がエンチャント破壊に困ることは無いでしょう。
上記リストからローテ落ちするのは赤単に記したカードの他《タミヨウの保管》《絞殺》などがあります。

亭主やるなら武力は重要

このクラスエンチャントも《光輝王の野心家》同様に雄姿の種。
余談ですが現在の緑のカードリスト、緑単が強かったカルドハイム期と似ていると感じられます。《レンジャー・クラス》は《亭主の才能》、《群れ率いの人狼》は《鋭い目の管理者》、各種1マナ格闘除去、さらにファウンデーションに収録が内定している《ラノワールのエルフ》。あとは《エシカの戦車》級の4マナがあるなら、緑単が成立する可能性が十分ありそうです。

一方こちらは《復興の領事、ピア・ナラー》を軸とした横並べデッキ、ナヤトークンの新戦力候補。
1枚刺しとかになりそうだけど面白そう。

ボロスもグルールも相手を攻める戦略が多彩なだけに、戦略と噛み合ったカードで構築できるかが腕の見せ所でしょう。

バント毒性

《渦巻く霧の行進》が消失し、《敬慕される腐敗僧》から大量の毒を飛ばす動きが減速しました。腐敗僧の能力は雄姿と異なり「呪文の対象」のみで《亭主の才能》等で毒を置けないようです。
ランプ系デッキを駆逐する能力は残されているのでしょうか?

ミッドレンジの論点

オルゾフ

環境末期に現れたオルゾフミッドレンジですが、個人的に3年間使い倒した《婚礼の発表》《放浪皇》が消滅し、強力な白いカードが少なくなってしまいました。寂しい…
入れ替わって組めそうなのがコウモリシナジーのデッキで、ライフを得る/失うことでボーナスを得られるのが特徴です。既存のカードでは《分派の説教者》がライフゲインとロス両方に関与でき、ゲインだけなら《黙示録、シェオルドレッド》、ロスは《腐食の荒馬》などと相性が良さそうです。
ライフロスのシナジーは活かせそうな場面があんまり無さそうなので、ゲインを中心に考えて組むのが良いと思います。

「世界一大きいコウモリ」でググるとヤバいやつが出る

中でも注目の蝙蝠、当然ライフゲインとロスを同時に達成できる仕様です。
リアニメイト能力は「マナ総量(MV)が自身と同じ3マナまで対象に取れる」というのが珍しいように思えます。さらにクリーチャーのみならず(土地でない)パーマネントカードを対象に出来るのが強く、中でも《ゴバカーンへの侵攻》はゾラリーネ単体で落とせ、裏面はゾラリーネを守りながら墓地に向かえるので再度吊り上げることが出来ます(最終カウンターが乗りますが、裏返す際は追放の後に問題なく唱え直せます)。他にもアモンケットへの侵攻を戻したり、裏返ったアモ侵がゾラリーネに化けて本体を釣って、という動きも面白そうです。

ライフゲインとロスが両方達成できると・・・

んん〜??

さほど大きなメリットが得られるわけでもないようです。
《本質の媒介者》は警戒付けて殴ろうとすると分派や荒馬では間に合わないので、戦闘前にライフを失えるダメランや《暗黒星の占い師》などが必要になるので、飛行だけ付けるつもりで運用することになるでしょう。
《月の集会》はコウモリ1匹貰える能力はおまけ程度で、2ライフをドローに変換するエンジンが主な用途のカード。シェオルドレッドと使えば…?

既存のコウモリ関連カード

正直右側2枚はかなり怪しいが、他は《遺跡潜みのコウモリ》も含めて構築採用実績のある優秀なカードが揃っています。新環境に名乗りを上げるアーキタイプとなるか、注目しておきましょう。

ディミーア

軽いクロック+《ヨーグモスの法務官、ギックス》のドロー+カウンターで封殺する黒くパーミッション戦略は新環境でも健在。さらにBLBでは

野球部みたいなスラィディング

その思想を体現するネズミの姿も見られます。殴り値こそ低いものの、ギックスとのシナジーの他に、
・手札で腐った《切り崩し》が当たるようになる。
・悪事を働けるので《懲罰者、ケアヴェク》や《精神の決闘者》とセットで使える可能性が高い。
などの役割が期待できます。

足元めっちゃ手が生えてる!

そしてネズミをもう一匹。ヴレンを出したうえで相手生物を倒せば貰えるネズミトークン、《下水王、駆け抜け侯》がいれば中々のサイズになりそうな気がします。「置いたうえで何かやるとボーナス」系のカードは相当強力でないと活躍しづらいですが、コイツはどうなんでしょうか?

既存のネズミ一覧

ネズミシナジーを活かすならグリクシスになりそう。《渦巻く精神、ウィック》も入れて3色にしてみる?

エスパー

5/25-26 Champions Cup Final Season2 Round3 優勝

《策謀の予見者、ラフィーン》を筆頭に、《敬虔な新米、デニック》《婚礼の発表》《放浪皇》と各マナ域から主要カードが抜けてしまい、退場を余儀なくされました。
エスパーカラーには依然として優秀なカードが揃っているので、後は構築力とメタ次第と考え、2年分のプールで組んだエスパーを回してみましたが如何せん馬力が足りず、対ミッドレンジで勝ちきれないデッキになってしまいました。個人的に思い入れの大きいアーキタイプなので、何とかして次環境でも使いたいのですが・・・

論点:白の足し引き

特に白は
・太陽降下:環境随一の全体除去
・一時的封鎖:危難の道が落ちて需要増
・安らかなる眠り:未認可霊柩車が落ちて墓地対の需要増
・喝破:かき消しが以外で有用なソフトカウンター
といった「特定の常用にめちゃ強い」カードがあるので、サポートカラーとして活用することになるだろうと睨んでいます。前述したディミーアに対し、オルゾフミッド+カウンターの構成や、アゾリウス+黒除去の構成は狙い目かもしれません。

誰でもいいからエスパーを救済してくれ!

《放浪皇》に代わって入りそうな《大天使エルズペス》、飛行をつけられるので《コクマルガラスの救済者》と相性がいいかも。

ゴルガリ

6/29 MagicCon Standard Cup 優勝
6/1-2 SEA Championship 優勝

ローテ落ちするパーツが少なく、ほぼフルパワーのゴルガリ。

イグラが全てを貪る(英雄譚)

相手のクリーチャーがアーティファクト化する点も利用できそう。羅利骨牌がもっさりしなくなるっちゃなる。喉首狙いが当たらなくなる点も注意。
除去耐性が《血管切り裂き魔》に匹敵しそうだけど、制圧能力がそこまで高くない。トランプル付けてくれぇ!

ラクドス

あまり見かけなくなったカラーリングですが、注目のトカゲが結構います。
※ヴィーアシーノはトカゲに統合されました

既存のトカゲは無法者が多い

とりわけ強力なのがジャスパー・フリント。さらに新戦力が

悪事コンビ

全体的に低マナ域に密集しており、アグロデッキとして成立し得ます。

新生については気を付けたいのは
・MV変化なし(キッカーと同様):《軽蔑的な一撃》打つ際注意
・トークンはEtBで出る。《門衛のスラル》や《機械の母、エリシュ・ノーン》で無効にできる。
・逆に《栄光のドミヌス、モンドラク》や《世慣れた見張り、デルニー》で双子を産める。

あたりでしょうか?特に単体除去を撃たれても得をしている能力でマナフラ受けにもなれます。故に《危難の道》がローテ落ちして《一時的封鎖》が取れる白は他のカードが弱いことから、新生が意外に「やれる」のかもしれません。

トカゲ以外にも注目の動物が。

初見でローアンだと思ってた

絵面も能力も悪さする気満々すぎて、思わず使ってみたくなってしまいます。所感ですが、
・新生や放題のコストはマナで支払うので採用するカードに注意
・代替コストとして手札から捨てたデカブツを即時リアニメイトしたい場合《とぐろ巻きの再誕》よりも《ギックスの残虐》のほうが良さそう
・コイツ自身は《地質鑑定士》から出てこれるので思い切って重いカードに寄せる構成も肯定的だが、コイツの攻撃を通すために軽い除去は入れざるを得ない。鑑定士との相性は見た目ほどではなさそう。
・《多元宇宙の突破》を追放できれば文字通り宇宙ですが、現実的には腐りにくいカルノサウルスや黒徳目、ファイレクシアの肉体喰らいなどを追放したいところ。黒徳目で釣れるエターリならギリギリ夢追えるかも?ダメージ通せなくても許せサスケまた今度な

コントロールの論点

ドメインランプ

4/27-29 Pro Tour Thunder Junction 優勝

論点:マナベース

マナ基盤のトライオームが消え、序盤のマナ加速と終盤の攻め手の二役を担ったユーティリティ《装飾庭園を踏み歩くもの》が抜けてしまいました。
《古のヤギ角》でライフを得ながら頑張れるのでしょうか?そして《力線の束縛》を1マナで撃つ難易度は如何程でしょうか?《ギルドパクトの力線》の採用が必要なのでしょうか?

ダスクモーンまで我慢だ

・・・とか何とか言ってる間にローテ落ち後のMOチャレンジでゴルガリを駆逐してテッペン取ってしまった!しかもワンツーフィニッシュ!!
良い意味で予想を裏切られたので、ドメインは死んだと思わないほうがよさそうです。

ティムール

カペナフェッチが落ちて流石に死んだか?
《寓話の小道》《解体爆破場》《脱出トンネル》などで頑張る必要がありますが、ライフゲインが付かないあたり耐久性に不安が残ります。
バント豆の木のようなコントロールデッキはあるかもしれませんが、それって最早ドメインでいいよね?ってなりそう...

アゾリウス

5/25 Japan Standard Cup 3位

ある意味《放浪皇》を失うのが最も辛いアーキタイプでしょう。
除去は《冥途灯りの行進》、ドローソースは《記憶の氾濫》と、それぞれ手痛いダウングレードを強いられています。

機織りって緑っぽい言葉だけど青のカード

季節サイクルに記された獣の足跡マーク、「獣痕シンボル」と呼ぶそうです(筆者は肉球と呼んでいた)。シンボル3消費のリセット能力に可能性を感じています。相手のトークンが残るものの、《太陽降下》の培養器や《散歩先》や獣痕2のモードで残したフィニッシャーをそのまま残せる《告別》と考えると強そうに見えます。

抜けたドローソース《記憶の氾濫》の枠は《遠見の儀式》か、1マナ増えますが《思考への侵入》あたりが適任でしょうか。

二人とも楽しそう

アゾコン使いにとってはやや心許ないと感じるでしょうが、対面する側としてはこれぐらいが妥当と感じるのでしょうか?更地にした後で諜報2ドローする前提なので、「苦しい展開ではカウンターもできる」はあまり大きなメリットではないように思えます。

鳥はバント系が中心

以降、作るだけ作って使わなかった既存の部族動物たちの画像です。

アライグマ
ウサギ。割とやれそうな部族
カワウソ。イゼット系は苦手です
カエル。ゴルガリ系の主張が激しい
リスはこれだけ

「バジリスク」も「ニクシリス」も「ケンリス王家」もリスじゃありません!

スタンダード大会情報

蒼紅杯

恒例のスタンダード最速大会。今回から参加費が有料になるものの、上限128名参加の場合は2敗ライン、参加者が少なければ3敗ラインあたりまで参加費が返ってくる見込みなので基本的に出得です!
参加申し込みは大会meleeから!

ジャパンオープン2024

蒼紅杯の翌週に開催。こちらは参加無料なので間違いなく出得。
申し込みは大会meleeから!日本時間7/31 12:00AM(=もう始まってる)から受け付け開始。上限820人ですが早めに埋まる気がしますのでお早めに!

以上!
今回も読んで頂きありがとうございました!!

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