外出時のパソコン使用と企業文化

在宅勤務が強く推奨されるようになって,それなりの期間が経ちました。
現在の状況は,一企業とか業界のレベルでコントロールできる範囲を越え,ほぼ強制的にそうなったという格好です。

在宅勤務を選ばないなら,従業員が生き残れないかもしれない,ひいては会社自体が成り立たなくなるかも… というリスクの前には,一企業のポリシーなど無力なのでしょう。

オフィスの外に仕事の環境を持ち出す場合,ほぼ必然的にノートパソコンを持ち出すことになります。しかし,籍を置いていた会社によっては… これがなんとまぁ本当に難しく,棒高跳び以上に高い壁のように思えることもありました。

僕の経験では,こと大企業と言われる会社にその傾向が強かったです。

それぞれの事情は分からなくもないのですが… ハードルを高くする企業こそがクラアントに "いつでもどこでも,場所にとらわれずに ICT を活用" とか言うものだから,"どの面下げてそんなことをw” とか,"まず隗より始めよ" とか思ったものです。

VAIO を買った時に籍を置いていた商社系 SIer がそうでした。
"持ち出し用ノートパソコン" が各ディビジョン (部単位) に数台割り当てられ,クライアント先での構築作業等にはそれを持参する,ということになっていました。

これがまぁナンとも面倒で,"できるだけ持ち出しパソコンを使いたくない" と思うことしばしばでした (もしかしたら,意図的に使いたいと思わせないようにしていたのかな?とさえ思うくらい面倒だった)。というのも…

前日までにやること:
- 申請書を書いて "ハンコリレー"
- 不要なデータがあるかどうかを確認してそれらを抜く
- 必要なドキュメント (設計書等々) をオフィスにあるパソコンから移す
- その他もろもろ…。

当日 (用件が済んでから):
- たとえ遅くなってもいわゆる直帰は不可。その日のうちに持ち出し用パソコンを戻すためだけに帰社
- 使用データを削除
- 必要なデータがあればオフィスの作業用パソコンに移す
- パソコンをチェックイン…

こんな面倒なステップがあれば,まぁ持ち出し用パソコンなど使いたくないと思うことしばしばです。

さらには移動時の掟 (?) のようなものもあり,それは… 網棚にパソコンを置くな,持ち出し用パソコンを持って飲み会に行くな,果ては電車で寝るな (驚)… と。そこまでのリスクを背負ってまで持ち出し用パソコンを使いたくない。。。

そんなわけで,必要なドキュメントは印刷したり事前に先方に送っておいたりして,マシンは出来るだけクライアントに用意してもらうようにしていました。

現在籍を置いている会社は,まったくそんなことはないです。そんなことをしていたら,仕事は回せないわ必要な人材を集められないわ,ほとんど何もできませんからね。

一応,持ち出し用パソコンがあるにはありますが,大抵は自分が普段の業務で使っているパソコンをそのまま外出時にも持っていきます。よって,普段の業務をそのままオフィスの外で出来ることになります。

確かに,盗難・紛失時のリスクを考慮して… ということがあるのでしょう。でも,それは持ち出し用パソコンであるか否かを問わず起こり得ることです。盗難・紛失時のリスクを減らすため,中身 (HDD とか SSD とかにあるデータ) をできるだけ少なくして…ということなんでしょうけど,一回取られてしまうと,中身の多少にかかわらず大きな事件になるのですから…。少なければいいというものでもないと思う。むしろ,持ち出し用 or 通常業務用を問わず,同じような対応をした方が良い (例えば BitLocker + α とか…) と思うのですが…。 

僕がいた商社系 SIer は今でも同じような状況なのかなぁ…。だとしたら,昨今のリモート ワークは結構大変そう…。僕だったらオフィスに来ることを選んでしまうかも (もちろんそれは絶対に拙いのですが…)。

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