中国代表のサッカーはなぜ発展しないのか?
中国のサッカーはなぜ弱いのか?
このことについて考えたことはありませんか?
2023年サッカーFIFA世界ランキング(2023年7月20日)によると、中国は80位。
ちなみにアジアでみると、日本20位、イラン22位、オーストラリア27位、韓国28位、サウジアラビア54位となっています。
直近の試合では、日本がドイツに4-1で快勝しましたが、その裏では中国はマレーシアと親善試合が行い、1-1の引き分けとなっています。次戦はシリアと親善試合を行う予定になっています。
約14億人の人口をもつ中国。
サッカーがそろそろ強くなってもおかしくないような気がしますよね。しかし、いっこうに強くなる気配はなく、むしろどんどん弱くなっている気すらします。
なぜ、強くなれないのでしょうか?
それを今回は考えてみたいと思います。
前提知識
百度百科によると、サッカー人口は2600万におよぶといいます。国別サッカーの競技人口ランキングベスト10では、第1位だそうです。人口の1.9%を占めています。
ただし、サッカーが強い=人口が多い、とは限りません。
理由は、第3位インド、第7位インドネシア、第9位バングラデシュというように、サッカーではあまり馴染みのない国々がランクインしているからです。
原因その1.教育
選手を育てる環境がない。
日本では、小学校では少年団があり、中学校から部活があります。とくに才能に秀でた人は小中学生からJリーグ下部組織のクラブに加入していたりします。
高校や大学でも部活があり、そこからプロを目指す。あるいはJリーグユースがら這い上がってきて、トップチームに加入するのが流れとしてありますよね。
中国ではどうやらそのようなサッカー教育の流れがないようです。
小学生から中学生ぐらいまでは街のクラブでサッカーをし、そこでポテンシャルがあると認められた選手だけがプロチームの下部組織かサッカー専門の学校へ行くらしいのです。
日本の学校のように部活というものはありません。年齢の早いうちに見いだされなければ、将来への道はそこで閉ざされてしまいます。
わたしは上海で留学したとき、サッカーサークルで活動しました。
初めて一般的な中国人が試合をしている姿を見たとき、それはもう驚いたものでした。えっ?これが大学生がやる試合なのか?と愕然としたものです。
そして、初めて彼らの中に交じって練習をしたとき、唖然としました。基礎の基礎がそもそもできていない。ボールをしっかり蹴れていない。一般的なレベルがこれだと、そりゃあ底上げが難しいだろうなと思いました。
中国代表が強くなるには、中国サッカー全体が強くならないといけないですね。
10歳前後の選手から底上げし、積み上げる必要があるかもしれません。
原因その2.海外組が少ない
近年でいえば、
ウー・レイ選手(武磊)がスペインリーガエスパニョーラのエスパニョールに在籍していました。
ハオ・ジュンミン選手(蒿俊闵)がドイツブンデスリーガのシャルケに在籍していました。元日本代表の内田篤人氏の同僚で、内田氏は「よくふたりでパス交換してたなー」と明言しています。
2002年日韓ワールドカップのあの時代にさかのぼれば、
元中国代表監督であり選手時代も中国代表として活躍したリー・ティエ氏(李鉄)。イングランドプレミアリーグのエヴァートンに在籍していました。
スン・チーハイ選手(孫継海))がイングランドプレミアリーグのクリスタルパレスやマンチェスターシティに在籍していました。
ファン・ジーイ選手(范志毅)がイングランドプレミアリーグのクリスタルパレスやスコティッシュプレミアシップのダンディーFCに在籍していました。
ヤン・チェン選手(楊晨)がドイツブンデスリーガのアイントラハトフランクフルトやザンクトパウリに在籍していました。
有名どころでいうと、海外組はこのくらいでしょうか。
ほとんどの選手が中国国内のクラブに所属しています。
一例ですが、2022年1月27日に行われたカタールW杯アジア最終予選。
日本戦のメンバーとクラブはこちらでした。(https://www.goal.com/jp/リスト/china-member-asia-qualifying/1nw0aeltjdyqm110at1piu494x#cse08fa1af33a3bc30 引用)
GK
23 ワン・ダーレイ(山東魯能)
12 リウ・ダンゾ(広州FC)
1 イェン・ジュンリン(上海海港)
DF
20 ヂゥー・チェンヂィエ(上海申花)
5 チャン・リンペン(広州FC)
4 ワン・シャンチャオ(上海上港)
2 ジェン・ジェン(山東魯能)
22 ユ・ダバオ(北京国安)
3 ドン・ハンウェン(広州FC)
19 リー・アン(山東泰山)
6 ティアス・ブラウニング(広州FC)
ジー・シャン(山東泰山)
MF
8 ハオ・ジュンミン(武漢)
15 ウー・シー(上海申花)
13 シュ・シン(山東泰山)
16 ジン・ジンダオ(山東泰山)
14 チ・ジョングォ(北京国安)
21 ダイ・ウェイジュン(深センFC)
10 チャン・シージャー(北京国安)
FW
9 チャン・ユーニン(北京国安)
18 タン・ロン(長春亜泰)
17 ウェイ・シーハオ(広州FC)
7 ウー・レイ(エスパニョール/スペイン)
11 アラン(広州FC※)
リュー・ビンビン(山東泰山)
アロイージオ(広州FC※)日本戦は出場停止
フェルナンジーニョ(広州FC※)不参加に
1人を除き、ほぼ国内組です。
原因その3.給料
かつて中国国営の新華社は、川淵三郎氏へのインタビュー記事を掲載しました。
そこで中国のサッカー選手の給料が、日本、中国、韓国比較したときにで最も高いと指摘しました。給料が高いという現状に満足していることが主な原因だというのです。
選手たちが世界のビッグクラブに移籍して、自分たちより強い相手と競おうというモチベーションを持っていない、それこそが中国サッカーの進歩と発展を阻害しているというのです。
また、元日本代表監督で中国のクラブでも監督の経験を持つ岡田武史氏は
「中国選手は同郷人でまとまる傾向があるが、中国代表としては結束するのが難しい」と言及したようです。
近年、中国サッカーは変革を遂げつつあります。中国サッカー協会のプレスリリースによると、
2021シーズンから、外国籍選手の年俸は約3億7800万円となりました。
国内の選手は約7900万円。21歳以下の選手は470万円になりました。
どんなに能力が高かったとしても、これらが上限に設定されました。
選手を海外から爆買いするし給料もそのぶん何十億円と支払っていたのを是正したのです。
日本の選手を見ると、夢は日本代表に入りW杯に出場することのように思います。その手段として、欧州でプレーすることを選択します。
一般的にはJリーグでプレーするより欧州でプレーしたほうが給料がいいと、選手自身も言ってるのを見たことがあります。ある側面では、給料は選手の価値とも捉えることができるわけです。
ただ、お金のことより自分の成長を重視しているのがわかります。
それが中国の選手となると、お金のほうが重要だという価値観があるのかもしれませんね。欧州に移籍して少ない給料を貰って生活するなら、中国国内のチームでそれ以上の給料をもらったほうがマシ。
そんな考えがはびこっている可能性はなくはないと思います。
次回2026年のW杯に期待
次回のW杯は変更点がいくかあります。その中の一つに参加数があります。
これまでは参加数が32カ国でした。それが48カ国に拡大されます。
それに伴い、アジア枠は8.5に設定されました。
8カ国が直接出場できるようになります。残りの0.5枠は大陸間プレーオフで決まります。
はたして中国代表はこの枠に入ることができるのでしょうか?
ということで、今回は中国代表のサッカーについて話しました。
よろしければ、過去の投稿もぜひご覧ください。
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