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鮮度・効率で持続的な漁業へ貢献。未来のさしみやを体現するヤエスイ合同会社さん

陸x海 Reef-Land プロジェクトは島の山から海までのつながりを考え、環境に配慮した取り組みで持続的な島づくりに貢献している方をご紹介するプロジェクトです。SIIではこのような生産者・事業者さんを応援し、もっと多くの人へ取り組みが広がるように順次紹介し、同じ想いを共有する地元のマーケット、消費者、サポート企業とつなげることで経済を応援していきます。
この記事は2022年2月のサステナブルアイランド石垣HPの記事を再掲しました。

ヤエスイさんは、旧市役所庁舎の向かいに新しいポップな雰囲気のお店を構えるお魚屋さんです。目立つロゴマークに白木のデザインがお洒落で、新しい時代のさしみ屋!と、思わず入ってみたくなるようなお店です。

新しい「さしみ屋」の形、ヤエスイ合同会社

沖縄では昔から、魚屋でなく「さしみ屋」と呼ぶ、漁船から直送される魚を捌いて売ってくれる漁船直営のお店がたくさんあるんです。

この伝統的な形のさしみ屋、今は大型スーパーの展開で昔より存在感が減ってしまっているように思いますが、直接漁師から魚を買える、という点ではまさにサステナブルですよね。
ヤエスイ合同会社はマグロ船を引退した具志堅代表と、現役マグロ船6隻の海人が集まって誕生した会社です。この協働の形がすでになんだかワクワクします。

環境への取り組みに積極的で、船上でのしっかりとした処理、保存、管理を徹底したこだわりのマグロを漁師から直接買えるらしい!...ということで、ヤエスイさんメンバーで天心丸船長の田中博幸さんにご案内頂き、今日はじっくり取り組みを聞いてきました!


助成金を利用した最新技術の導入

まずは、魚といえば鮮度。とことん鮮度を保ち美味しい魚を提供するため、水産庁の「農林水産業みらい基金」という助成金を利用して最新の技術や知識を導入したそうで、そこここに驚く工夫が。

まず、各船に窒素を生成するナノバブルという機械を導入し、船上処理後、魚倉の中で酸化させずに鮮度を保つのだそう。そして、お店には人も入れる蔵番(Kuraban)という大きな冷蔵庫がありました。マグロをそのまま吊り下げて保管でき、劣化を抑えて熟成を促進する効果があるそうです。それに加え、保存には−60°の冷凍庫やSea Snowという塩分を1パーセント含んだふわふわこ雪のような氷の製造機などなど、とにかくいろんな機器が満載の作業場。

地元の魚を美味しく食べてもらいたい、と直売に力を入れているヤエスイさんですが、これらのしっかりとした管理体制によって、内地でも直接取引を行い販路拡大に力を入れています。

ここまでは、「へーえ、ビジネスがうまいな〜!!」という感じだったのですが、もっとすごいと思ったのはその先です。事務所に入ってみると、田中さんがスクリーンのスイッチを入れ、そこは魚屋の事務所とは思えないハイテク空間へ早変わり!大きな2つ並んだスクリーンには、メンバーの船が今どこにいるかが映し出され、獲れた魚の種類、数、重量、生死状態がリアルタイムで報告されてきます。なんだかジェームズボンドの映画を彷彿としてしまった...(ちょっと違う?笑)。とにかく、これをみてお店ではいつどんな魚がくるかを考え、売る順番や冷凍したり捌いたりする魚の順序をあらかじめ決めて値段とクオリティを保持した販売と効率的な経営を行うのだそうです。
実はこれには、はこだて未来大学でマリンITの研究をしている和田先生に協力を頂いたそう。その他にも聞いてみると、私もはるか昔、大学時代にお世話になった東京海洋大学の馬場先生(漁家経営が専門)などいろいろな分野の先生から助言を頂いているようで、驚きが尽きません。


需要と供給のバランスを考えてちょうどいい量を管理しながら漁獲し、1匹1匹を高品質・適正価格で売ることは、海の資源を大切に守りながら獲るので持続可能な漁業となります。そして、そうした高品質な魚を内地に全部持っていってしまうのではなく、ちゃんと地元での消費を一番に考えてくれています!様々な工夫と上手な経営によって地産地消を守り、なにより6隻の漁船の協働によって実現している事が素晴らしいと感じました。

田中さん曰く、「本当は八重山全体にも取り組みを広げたいんだけど、初めから全員がまとまるのは難しい。だからまずは共感で集まった自分たちがやってみたいと思った。でもやり方を独占するつもりは全くなく、もっと多くの漁船とも協働していきたいと思っている。」そうです。

環境へ配慮した販売の取り組み

そしてヤエスイさんでは販売においても環境への配慮がされています!まず、SIIのインスタでも紹介させて頂きましたが 、タッパー などの容器持参で購入ができ、なんと持参すると割引してくれるのでゴミが出ないお買い物が出来ます♪

そうでなくとも、お刺身や加工品を販売するトレーは、さとうきびの搾りかすを混ぜてできた「バガストレー」を使用し、プラスチック削減に努めているそう。

ゼネラルマネジャーのなっちゃんは、環境に配慮した商品作りを常に心がけている、笑顔がとても素敵な方でした。彼女が直接、石垣のホテルなどへも商品の売り込みにも行かれるそうです。そして、取材中ずっと、魚をさばく人、売る人、獲る人、みんなが生き生きと笑顔で働いている様子がとても新鮮で、「石垣島の美味しいまぐろをもっと多くの人に食べて欲しい!」という熱い思いが沢山伝わってきました。
HPにも各船の漁師紹介があったり、身近で温かみのあるタッチで情報が載っていますよ。

ぜひみなさん、(旧)市役所通りのヤエスイさんで、直接スタッフへ声をかけて石垣のまぐろを買ってみて下さいね。きっと新しい発見があるはずです✨

サステナブルアイランド石垣  Yoko🐟

ヤエスイ直売所

石垣市石垣3-1
TEL:0980-87-7443
FAX:0980-87-7444
営業時間 11:00〜18:30(天ぷら14:00〜18:15)

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プラゴミ削減ショップマップ

マイタッパーを持って行ってごみを出さないお買い物ができるさしみやのリストがサステナブル アイランド石垣のHPとグッバイウェイストのアプリから見れます。
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ごみをださないお買い物マップ”グッバイウェイスト”
グリーンピースさんがまとめている、ごみをださないお買い物マップ。
全国でプラ容器を出さずに飲める・食べれる・買えるお店を掲載中!
SIIにご連絡頂けたら協力可能なお店を追加しますのでぜひご連絡を✨
みんなで石垣のお店も増やしていきましょう!
https://goodbyewaste.jp/

石垣島の素敵なお店、大募集!

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