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揮発性

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#創作大賞2023

【おはなし】天国のモフモフ

【おはなし】天国のモフモフ

 「よし、そろそろ行こうか」
 レネが僕の先を歩いていく。

 庭の花壇にはたくさんの種類の花が植えられていたけど、すべて枯れてしまっている。

 庭を出て町を抜けて酉の方角へ向かうと、森に入る。森の中を少し進むとやがて■■■■の白い巨大な体が見えてくる。

 そいつは体を丸めて、目を閉じたままじっとして動かない。胴体の高さは僕の背丈の倍はあるだろうか。顔の大きさは、両手を広げても足りない。
 顔

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