橋爪智之 Tomoyuki Hashizume

チェコ共和国在住の欧州鉄道フォトライター。鉄道ジャーナル、RMモデルズ、東洋経済オンラインなどに寄稿。誌面を通じ、欧州の鉄道の面白さを発信中。日本旅行作家協会会員。必要に応じて執筆や撮影の依頼も受け付けておりますのでご相談ください。

橋爪智之 Tomoyuki Hashizume

チェコ共和国在住の欧州鉄道フォトライター。鉄道ジャーナル、RMモデルズ、東洋経済オンラインなどに寄稿。誌面を通じ、欧州の鉄道の面白さを発信中。日本旅行作家協会会員。必要に応じて執筆や撮影の依頼も受け付けておりますのでご相談ください。

最近の記事

ブルートレインが華やかだった頃の写真をスキャンした

気が付けばヨーロッパに住み、こちらの鉄道を追い掛け続けて10年以上が経過していた。人生で10年以上とは、これはなかなか長い時間だ。ジャーナリストとして色々な原稿やら記事やらを書いてきたが、もちろんそのほとんどはヨーロッパに関すること。日本の鉄道については、ほとんど書いていない。 ただ、別に嫌いだとか、興味がないだとかではない。約50年の人生で、ヨーロッパに10年以上住んでいたからと言っても、まだ残り7割くらいは日本で暮らしているわけで、当然日本の鉄道のことも好きである。詳し

    • 勝算はあるのか?イタリア高速列車市場への参入を画策するSNCFと問題点

      2024年6月12日、フランス国鉄SNCFは2026年からイタリア国内の高速列車市場へ参入し、毎日最大13往復の列車を運行したいとする声明を発表した。区間はトリノ~ミラノ~ヴェネツィアおよびナポリ間で、SNCFの長距離列車運行子会社SNCF-Voyageursによって運行される。SNCFは、今後10年間の間にヨーロッパ域内における利用客数を倍増させ、イタリア市場においてはシェア15%を獲得するという目標を掲げている。 車両は、現在認証試験中の最新型車両TGV-Mを使用し、高

      ¥150〜
      割引あり
      • コネは良いこと?

        6月に日立レールのピストイア工場を取材してきました。すでに東洋経済オンラインで、その時の様子を一部ご紹介しておりますが、他の媒体でも別の切り口で順次ご紹介していく予定となっております。 日立の「イタリア鉄道工場」どんな車両を製造中? 主力製品は高速列車、環境配慮ローカル車両も | 海外 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net) 日本のメーカーの場合、とりわけ納入前の新造車に関しては、鉄道会社側と守秘義務などの取り決めが厳しく決められているでしょうから、簡単

        ¥300
        • お節介な夏の旅行の注意

          2023年も気が付けば夏が近付いてきました。光陰矢の如しとはよく言ったもので、時はどんどん流れていきます。noteの更新も、ずいぶんとさぼってしまいました。 過去3年間、私たちはコロナという未知のウィルスに苦しめられました。自由な移動が制限され、簡単に旅行へ行くことができない時代が何年も続きました。そのコロナは、ワクチン接種が進んだことや、対処法などが確立されつつあることで、もちろん油断はできませんが、ようやく死に直結するような病ではなくなりつつあります。渡航制限は解除され

          速達性をどこまで追い求めるか?

          JR九州は2022年2月22日、西九州新幹線「かもめ」の開業日を秋の3連休初日となる9月23日と正式に発表した。西九州新幹線は、長崎と佐賀県の武雄温泉との間、約66キロを約30分で結ぶもので、長崎、諫早、新大村、嬉野温泉、武雄温泉の5つの駅が設けられる。ただし、武雄温泉~新鳥栖間は佐賀県から許可が下りておらず、まだ着工もしていない。したがって福岡から長崎へ行く場合、鉄道を利用する場合は武雄温泉でいったん下車し、在来線から乗り換える必要がある。JRは、武雄温泉駅では新幹線と在来

          速達性をどこまで追い求めるか?

          「美しい世界の線路」誕生秘話

          お陰様で無事発売となった、技術評論社の図鑑「美しい世界の線路 ヨーロッパ編」。この企画が最初に立ち上がったのは、実は今から遡ること10年前、2011年のことでした。 当時、別の本の出版(共同で執筆したもの)が終わったあとで、編集担当者たちと飲み会をしていたのですけど、その席上でたまたま線路の話になり、今度私が撮影した線路の写真を見せるという約束になったのです。 後日、私は何枚かの写真をメールで編集担当者に渡しました。その担当者は「線路の写真が面白い。どうにかこれを1冊の本

          「美しい世界の線路」誕生秘話

          リニアは本当に必要な未来の乗り物か?

          今から約20年前の2000年2月、ドイツ政府とドイツ鉄道およびその協力企業は、首都ベルリンとハンブルクの間を結ぶ磁気浮上式鉄道「トランスラピッド」プロジェクトを中止すると発表した。このトランスラピッドは、1969年からドイツの国費によって開発を続けてきたもので、ドイツ2大都市間を結ぶ路線は1990年代に入って事業化が決定したものだが、約8年後に呆気なく終焉を迎えることになった。この事業へは、中止時点ですでに約4億マルク(当時で約2億ユーロ相当)が投じられていたが、中止の決定が

          ¥200

          リニアは本当に必要な未来の乗り物か?

          ¥200

          「ずかん 美しい世界の線路 ヨーロッパ編」発売!

          私事で恐縮ではございますが、拙著「ずかん 美しい世界の線路 ヨーロッパ編」が本日7月31日、発売となりました。 図鑑なので、もちろん対象は子供です。線路を中心に、それに関連するインフラ設備を分かりやすく用語解説をする「お勉強のページ」に加え、ヨーロッパ各国の鉄道の様子を写真付きで紹介しています。もちろん、車両の写真もたくさん掲載されています。 発売当日の2021年7月31日。神保町の書泉グランデ(注:2021.8.1修正/当初、秋葉原の書泉ブックタワーと記載しておりました

          「ずかん 美しい世界の線路 ヨーロッパ編」発売!

          COVID-19陽性患者数と列車の関係

          タイトルだけ見ると、え?なんかそれ関係あるの?となると思います。 まあこじつけかと言われたら、そういう感じも致しますけど、陽性患者数の増減が与える影響って、鉄道にもまったく無縁ではないよな、と最近つくづく思ったのです。別に科学的根拠だとか、そんな難しい話じゃないですので、お気軽にお読みください… (そもそもCOVIDの専門家じゃないので、そんな話もできませんが) このグラフは、昨年3月のCOVIDが流行り出してからのチェコ国内における1日当たりの陽性患者数の推移です。秋以

          COVID-19陽性患者数と列車の関係

          【鉄道模型】異常なまでのオークション価格高騰の理由は?

          最近、たまに見かけるネットオークションにおいて、一部の外国型鉄道模型の価格が高騰しておりますが、そのあまりの高騰ぶりに驚きを禁じ得ません。上がり方が半端ではなく、例えば新品価格が7000~8000円程度だった客車1両が、その倍の15000~18000円にまで跳ね上がっているのです。セットとなると40000円以上、物によっては50000円を超えている商品もあります。これはちょっと尋常ではありません。 ただ、ネットオークションにおける中古品の価格高騰は、別に今に始まった話ではあ

          【鉄道模型】異常なまでのオークション価格高騰の理由は?

          旅行業界の未来は?

          コロナウィルスの感染拡大により、色々な業種が大なり小なり影響を受けましたが、その中でも旅行業界は、最も酷い影響を受けた業種の一つと言えるかもしれません。世界中の多くの旅行会社で大量の解雇者を出しましたし、早期退職者を募るところも出ています。私の友人や元同僚など、旅行会社で勤めていた人たちは、新たな職を求めて就職活動をしています。 しかし当然と言えば当然です。なにしろ、不要不急の外出を控えろと言われているのですから、旅行へ行きたくても行けません。無理にでも出かけようものなら、

          旅行業界の未来は?

          今年の夏は自由に旅ができるのか?

          今年2021年の夏は、どんな過ごし方ができるでしょうか。2021年5月現在、いまだ世界中で多くの感染者を出し続けているコロナ(COVID-19)の影響もあって、このままの状況が続けば夏休みまでに収束するとも思えません。 しかし一方で、ワクチン接種が始まっています。最初は医療従事者や高齢者など、本当に必要とされる人たちが優先されていますが、十分な数のワクチンが量産されれば、いずれ現役世代の若い人たちにも行き渡ると思います。ちなみに、EUはワクチン接種を条件に、EU域外からの観

          今年の夏は自由に旅ができるのか?

          イタリアの新世代近郊車両 ALe/ALn501型

          イタリアでは1993年の国鉄民営化以降、より充実したサービスと高度な輸送能力が求められていた。これらの要求に対し、民営化された新生イタリア国鉄の列車運行部門であるトレニタリア(Trenitalia)は、都市間輸送においてエウロスターイタリア(ES)やインテルシティ(IC)といった特急列車網の拡充を行い、また都市圏輸送では新型2階建て電車ALe426型、通称「TAF(Treno Alta Frequentazione/高度なフリークエント輸送の意)」の投入を進め、ローマやミ

          ¥200

          イタリアの新世代近郊車両 ALe/ALn501型

          ¥200

          鉄道ファンのマナーに警鐘

          相変わらず後を絶たない、鉄道の撮影を巡るトラブル。ただ、これまでは小競り合いや大声を上げるなどの迷惑行為程度で済んでいましたが(もちろん『程度』で済ませて良いとは思いませんけど)、ついに傷害事件に発展してしまいました。 事件は25日午後5時過ぎ、JR西川口駅で発生しました。その日に通過する臨時列車を目当てに、多くの鉄道ファンが西川口駅に集まっていましたが、撮影の邪魔になると10~20代の男性と中学生がトラブルになりました。その様子を撮影していた別の中学生に腹を立てた男性が、

          鉄道ファンのマナーに警鐘

          撮り鉄騒動の根底にあるものは

          撮り鉄の暴走は留まるところを知りません。駅のホームで奇声を発したり、周囲の人間へ罵声を浴びせたり、というところから始まり、線路や私有地への不法侵入、そして大切に育ててきた、家族との思い出が詰まった木の伐採。いったい、何が彼らを暴走行為へと掻き立てるのでしょうか。 「人の心がない」「頭がおかしい」などと言ってしまえば簡単ですが、「撮り鉄」という趣味そのものの根源に、その原因が潜んでいるのではないか、少なくとも仕事として鉄道に関わっている身として、そう感じざるを得ません。 鉄

          撮り鉄騒動の根底にあるものは

          鉄道雑感

          皆様、こんにちは。欧州鉄道フォトライターの橋爪です。フェイスブックやツイッターでお馴染みの皆様も多いと思いますが、フェイスブックはプライベート色が強くて仕事には使いづらく、ツイッターは字数制限で本当につぶやくくらいしかできません。鉄道に関連した話題を提供したいと思った時、他にもう一つ、何か別のツールがあればと感じ、noteで発信をしていくことを思いつきました。 肩書通り、欧州の鉄道が自分のフィールドで、日本の鉄道は並のファン程度の知識しかなく、現在皆様からの情報を基に勉強中