甘口でなく辛口なストレス対処法。「癒し」でなく「噴出」させよう

一、けんかしたら、先にあやまった方が「エライで賞」に輝きます。

などなど。私は結婚式で“5つの宣言”を妻としました。

ヘンテコなこの宣言に、周囲から笑い声が聞こえましたが、今思うと決め事をしておいて良かったと思います。そのおかげで、夫婦げんかもすぐ解決します。

「もう知らない!」と激昂するような時だって、解決するのに日をまたぐことは滅多にありません。基本30分以内に解決します(笑)。

今朝もありました。私が一昨日つくったカレーが鍋ごとキッチンに出されたままに。一日放置したらカビが生えてしまったんです。朝食べようと楽しみにしていたのに…ショック大です。「今度から気を付けよう」と言う妻に、「もっと一緒に悲しんでよ」と謎の八つ当たりをしてしまいました(苦笑)。

「朝から気分悪い!」と怒られてしまいましたが、すぐに謝り、10分で解決できました。

「先に謝った方が勝ち」というルールは我ながら良かったと思っています。もし仮に「けんかしない」というルールだったら成立していなかったでしょう。

けんかすること自体は悪いことじゃない(まあ、今朝のは私が100パー悪いのです、ごめんよ)。消化しきれない負のエネルギー(ガス?)を放出させることができますから。

「ケンカするほど仲がよい」のは、上手くエネルギーを放出するシステムが出来上がっているからなんでしょう。

といっても、誰もが〝円満なけんか〟をする相手や機会を持っているわけではないと思います。それこそ、うちの妻がメンタルが絶不調だった時は、けんかなんかできません。相手からしかけてくることもないですし、こちらがしかけたら相手はシュンてなってしまうからです。

では負のエネルギーはどう処理していたか。これも前書いたことと重複しますが、自分は読書です。

特にドストエフスキー作品がおすすめです。「え? 罪と罰の人? なんかムズそう…」と思う方もいらっしゃると思います。自分も理解できているかと言ったらあやしいです。でも、とりあえずストレス過多な人に処方したい。

なぜかというと、出てくる登場人物たちの、もがくエネルギーがすさまじく、「なんだ人間ってイライラするもんだな。こいつとんでもないなあ、なんか自分のことも笑けてきたわ」と、ちょっと気が落ち着くというか客観的に自分を見れるようになるからです。

「私は勢い余った人が好きだ」という齋藤孝さんの『ドストエフスキーの人間力』(新潮文庫)を読んで、自分の感覚が言語化されていたので興奮しました。

私には今の日本の多くの人が「癒し」を求めるのがよくわからない。癒しビジネスにのせられているようにさえ思える。というのは、現在の日本では、人々は疲れているというよりは、むしろエネルギーが溜まってだるいのではないかと思うからだ。エネルギーを充填すること以上に、余っていて使い切れていないエネルギーを体中に抱え込んでいるためにどこかアンバランスな感じを持ちイライラしている。その状態を脱するには、まずは癒しよりもエネルギーの噴出が先ではないかと思える。思い切りエネルギーを噴出させれば、すっきり眠ることができる。そうすればエネルギーは自ずと充填される。エネルギーを出し切らなければ、縮小再生産になり、どんどん弱くなってしまう。

ドスト作品は、まさに「過剰な人の展覧会」。「癒し」にしっくりこない人、エネルギーを放出させたい人は、連中の”スパイス効いた振る舞い”に得られることは多いと思います!



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