見出し画像

第7回奥三河パワートレイル

2018年の上州武尊70K以来、3年以上ぶりとなるミドルレンジのトレイルレース。目標と結果を記録します。

1.コースプロファイル

愛知県最高峰の茶臼山高原をスタート地点とし、旧門谷小学校をゴール地点とするワンウェイコース。
公式:約70km 4000mD+,5220mD-
手元:63km 3500mD+ (Garmin935) 

(北から南へ進むワンウェイコース)
(高低図)

前後半で展開が大きく変化するこのレース。cp3までは見てのとおりダウンヒルレースで、ロードや林道が中心。cp3以降は、前半と打って変わって険しい山岳区間。関東の里山には少ない鉄梯子が多用された高度感ある山域を進み、山全体が天然記念物になっている鳳来寺山から、1425段の石段を一気に下り、NHK朝ドラ「エール」のロケ地となった、木造で趣のある旧門谷小学校へゴール。
涼しいうちに前半で飛ばすと、中盤以降、気温の上昇とともに山岳区間で痛い目を見るレース。今年は(今年も?)4月にしては厳しい暑さで最高気温25℃超の夏日開催となった。

(旧門谷小学校。奥三河観光ナビHPより)

2.リザルトに対する目標と結果

目標 8:30:00
結果 9:05:38(総合12位、年代別2位)

前回大会のリザルトから目標タイムを設定したが、30分強オーバー。今回の自分のゴールタイムは前回なら27位なので、今年は暑さもあって全体的に厳しい展開だったんだと思う。完走率は55.7%(前回67.5%)と大きく下がった。ゴールで迎えてくれた石川弘樹さんからも「今年の奥三河を完走できたのなら自信を持っていい」と言ってもらえた。

(ゴール後に石川弘樹さんと)

3.レース内容に対する目標と結果

(1)目標

今回の目標は4つ。

①成功と失敗をそれぞれ3つ経験する
レース出場数の少ない自分にとって圧倒的に不足しているのはレースならではの経験。良いことも悪いことも全て正面から浴びたい。成功、失敗3つすれば、合計6つの成功につながるはずと考えた。

②テーパリングを2週間でテストする
恥ずかしながらテーパリングというものを今までしたことがなく、2週間かけてトレーニングボリュームを減らすようにした。その上で当日の身体や脚の軽さを確かめたかった。

③トップ選手の走りを間近で見て学ぶ
トップ選手が何を考えて、何を意識して、どれくらいの努力度でミドルレースを走るのか知りたかったので、できるだけ有名選手について走り、あわよくばヒアリングすると決めて臨んだ。

④改善中のランニングフォームの再現性UP
前回noteでも触れたあしラボでのフォーム改善を意識して走る初めてのレースなので、どこまで再現できるかを試したかった。
自分の走りにだけ集中するため、普段は必携品の心拍計(胸ベルト)は外して臨んだ。(レース中、時計はほとんど見なかった。)

(2)目標に対する結果

①経験した3つの成功と失敗

[成功]
■1点目:補給が上手くいった
ジェル1個/45分、グミ1個/30分、後半ジェル飽きしてからライスピュレへ変更。

2-3月に行った50kmトレイル練ではジェル補給を1個/60分としたところ、途中でガス欠を起こしペースダウンすることが何度かあった。それを踏まえて補給頻度を上げて臨み、ガス欠なく動き続けることができた。
あえて言うなら、ロードや林道の走れる下りを終えてからの登り返しでしっかり動くためには、下る前の補給頻度を少し上げても良さそう(お腹の揺れが怖いけど)。

■2点目:暑さ対策が成功した
前述のとおり暑熱順化もままならないタイミングでの夏日開催、熱中症や脱水、脚攣りに苦しまないために暑さ対策をして臨んだが、これが成功した。特にMAGMAはレース初投入だがかなり良かった。今後ヘビロテ間違いなし。
〈取り入れたもの〉
 MAGMA、塩熱サプリ、OS-1、コムレケアゼリー

■3点目:ハンドボトル&ウエストベルトが良い
普段から空身で走ることが多く、ザックの締め付けや重さが苦手なのもあり思い切ってスタイル変更したがハマった。水分摂りやすいし補給食は手に届く範囲に全部あるし、ザックのない解放感は最高だし、何よりカッコいい。唯一の懸念点だったボトル両手持ちだが、思っていたよりストレスがなく、自分は両手持ちもアリかなと。
2点目に記載した暑さ対策として、ハンドボトルで給水をスムーズにできたのも成功要因の1つだと思う。

(今回レースの装備一式)

フラスクはNATHAN(532ml)にmont-bellのネオプレンバンドルストラップをあわせた。
ウエストはAnswer4のNO LIMITに外付け。

ハンドボトラー転向に向けてRun boys!Run girls!スタッフりょーさんのブログを参考にした。レース直前にもお店でお会いできて色々お聞きできた。
(りょーさんありがとうございました!両手でいけました!)

[失敗]
■1点目:長い登りが相対的に遅い
単純に長い登りをあまり登っていないのはあるが、一緒に走った集団で最遅だったのではないかと思う。登りのビハインドを平地で取り戻す繰り返しだった。
特に後半、モモ前の内側広筋の“終わった”感が強く、登り時の身体の動かし方の見直しと、正しいフォームで登る練習が必要と感じた。

■2点目:メンタルを立て直すトリガーを持っていない
先輩方から「ロングでは不調の波が来てネガティブな感情の割合が高まる時がある」みたいな話を聞いたことがある。(ロングじゃないけど)今回自分にもその波は訪れ、しばらくその感情に引きずられた。何の対策もせぬままダラダラと順位を落とし、抜かれたことがネガティブに拍車をかける負のスパイラル。
早く抜け出せるならそれに越したことはない(陥らないのが1番良い)が、自分はそれが遅すぎた。

今回自分が立ち直ったトリガーは休憩。急登が辛すぎて、途中の狭いシングルトラックに、寝た。それはもう、人が通れないくらいに大の字でトレイルに倒れ込んで空を仰いだ。補給して、靴を脱いで、目を瞑って1分ほど過ごした。
心拍が落ちついて、立ち上がると身体が動くようになって「自分まだまだ動けるぞ」とポジティブに切り替わり、脚が動き始め、動き続け、「よっしゃ!」とか「いける!」とかポジティブな言葉を大声で口に出しながら走り(側から見たら変な人だ)、終盤には前から落ちてくる選手を拾うことができた。もっと早く休んでいたら、あと1人、2人は順位を落とさなかったかもしれない。そうしたらTOP10だ。

どうしようもなく辛かったら少し休めばいい。

これは良い失敗だった。他にもトリガーになる行動があるはずなので、洗い出してレースでしんどくなった時に色々試して増やしておきたい。
※ロングレースならこんな状態になるまで追い込まないんだろうと思う。

■3点目:下りで集中力切れがち
中盤以降、下りでつまずくことが多かった。誰しもそういう時があるとは思うが、今回、下りで大転倒して顔面を木に強打し流血した。幸い大事には至らなかったが、思い出すだけでゾッとする。安全に走り続けるためにも集中力は切らしちゃいけない。強く肝に銘じたい。

以上が、目標に対する結果①経験した3つの成功と失敗について。これらは遠くないうちに6つの成功につなげたい。
①が長くなってしまったが、②に進もう。

②テーパリングを2週間でテストする
2週間は長いと思っていたけど、そのおかげか痛む箇所や疲労感が残ることはなく、良い状態でレース当日を迎えられた。パフォーマンスがピークに達していたかはわからないが、疲労抜きは上手くできたので、テストとしては成功。
テーパリング直前1ヶ月の走行距離は自己最長の450km。普段から走行量がそこまで多くない自分にとって、120km/週×3週間を終えた直後の疲労感は相当だったので、2週間しっかり休んだのは良かったのかもしれない。
今年は昨年よりボリュームを増やしてトレーニングを回せるようにしていくつもりなので、慣れていけばボリューム期後の疲労感も軽減されるとは思う。
次のレースでは、ボリューム期の量を少し落として、テーパリングを1週間でテストしてみたい。

③トップ選手の走りを間近で見て学ぶ
今回、多くのレースで好成績を残されている町田知宏選手(直近だとFTR3位)と長い時間一緒に走らせて頂いた。たまたまお話しできて、町田選手の人あたりの柔らかさに惹かれて、勝手にスタートからcp3あたりをご一緒した。
(以降先行されて一度も見ることはなかった笑)
レース中にもかかわらず、自分の質問に快く答えてくださったり、他愛もない話に付き合っていただいたりした。町田選手がどんなことを意識して走り、登り、レースをしているのか垣間見え、とても参考になった。一緒に走らせていただいた数時間は学びが多くとても有意義で、楽しかった。
町田さん、本当にありがとうございました。

④改善中のランニングフォームの再現性UP
点数をつけるなら60点か。平地、斜度の小さな登りは80点、足を振り上げないと登れないような急登や、ロード/林道の下りでの身体の使い方はまだまだ下手くそで10点。後半疲れてきた時に再現性が顕著に下がったのもある。ランニングフォーム改善は今年の大目標であり、伸びしろポイントなので、引き続き改善・再現性UPに取り組む。

3.奥三河パワートレイルというレース

もう最高のレースだった。何が最高って、本当にたくさんの地元の人たちがそれはもう素敵な笑顔で歓迎してくれて、応援してくれて、辛い時も声かけてくれて、すごく嬉しくなったし力になった。こんなに人に応援される経験は普段なかなか無い。
スタート地点に向かうバス乗場であるふれあいパークほうらいで見た満天の星空も、茶臼高原からの朝焼けの景色も、牧場の景色も、迫力ある岩山も、苔むした森も、山中や集落で見られる桜も、鳳来寺山の石段も、全部とっても綺麗。とにかくキツくて走り終えた時の達成感もハンパじゃない。

レース開催に向けて尽力された、たくさんの関係者の皆さん、本当にありがとうございました。
奥三河パワートレイル、最高に楽しかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?