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吉田拓郎のイメージの詩を聴きながら言葉の守破離を考えた話

2021/5/16

【吉田拓郎のイメージの詩を聴きながら言葉の守破離を考える話】

一昨日この歌を初めて聞いたが、
ある種の衝撃だった。

イメージの詩/吉田拓郎

これを23歳で書いたというのだから、比べちゃ悪いが、比べることもできねぇが、自分は全く赤ん坊のようだなぁと思い知った。

専門知識が乏しくて分からないけれど、詩も凄いんだろうが、メロディもきっと凄いんだろう。

そしてこちらが昨日のオールナイトニッポン。

明石家さんまがプロデュースする映画「漁港の肉子ちゃん」の主題歌にもなっている、「イメージの詩」稲垣来泉ver.が、これまたえぐい。(冒頭5分くらいから流れます。)
吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD | ニッポン放送 | 2021/05/14/金 | 22:00-24:00

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▽歌詞を慈しむということ。▽

楽器の歴史より、詩の歴史は長いのだろうか。
言葉という情報伝達手段に、「音」を加えた、驚くべき芸術作品。
言葉を並べるというだけのシンプルさであるのにも関わらず、人は視点をドラマチックに動かしながら、物事を「感じる」という、他ではない表現技法だ。

いまや、言葉は、誰しもが使っている。
誰しもが使っているのに、だのに言葉を常々守破離している人って、本当に少ない。言葉の解釈は自由だし、言葉の愛で方も自由だ。

言葉には歴史があるし、文字には成り立ちがある。そこにはたくさんの想いや世界が結びついている。それを毎日一つの言葉でもいいから、考えてみる。それを、自分が無意識で使っていたその言葉の「意味」と、もう一度比べ直してみる。(守)

そんでもって、1回、これまでの「意味」や「使い方」をぶち壊してみる。空っぽの状態にしてから、もう一度その言葉を風のように感じる。(破)

自分なりの「意味」を付与してあげる。
そしたら言葉は始めて「生まれる」。
スっと立ち上がって、みんな「生き始める」。
それぞれが、「生きている」のだ、
その時にはもう、言葉たちは、私に支配されず、大衆に支配されず、規範に支配されず、生きている。(離)

こうして「守破離」した言葉には、「文脈」が生まれる。

自分の周りや、自分の中に、たくさんの「言葉」が生きてる状態の人の「お話」には、心のこもった温もりがあるし、それぞれの深みも出てくる。

今、言葉の守破離を始めよう、
毎日少しずつ、少しずつ、僕の周りには愛しい「言葉」が増えていく。

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『イメージの詩』 吉田拓郎
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これこそはと 信じれるものが この世にあるだろうか
信じるものがあったとしても 信じないそぶり
悲しい涙を流している人は きれいなものでしょうね
涙をこらえて 笑っている人は きれいなものでしょうね
男はどうして 女を求めて さまよっているんだろう
女はどうして 男を求めて 着飾っているんだろう
いいかげんな奴らと 口をあわして 俺は歩いていたい
いいかげんな奴らも 口をあわして 俺と歩くだろう
たたかい続ける人の心を 誰もがわかってるなら
たたかい続ける人の心は あんなには 燃えないだろう
傷つけあうのが こわかった昔は 遠い過去のこと
人には人を傷つける力があったんだろう
吹きぬける風のような 俺の住む世界へ 一度はおいでよ
荒れはてた大地にチッポケな花を一つ 咲かせておこう
俺もきっと君のいる太陽のあるところへ 行ってみるよ
そして きっと言うだろう 来てみて良かった 君がいるから
長い長い坂を登って 後を見てごらん
誰もいないだろう
長い長い坂を下りて 後をみてごらん
皆が上で手をふるさ
きどった仕草がしたかったアンタ
鏡をみてごらん
きどったアンタが映ってるじゃないか
アンタは立派な人さ
空を飛ぶのは鳥に羽があるから
ただそれだけのこと
足があるのに歩かない俺には
羽も生えやしない
激しい激しい恋をしている俺は いったい誰のもの
自分じゃ言いたいのサ
君だけの俺だと 君だけのものなんだよと
裏切りの恋の中で 俺は一人もがいている
はじめから だますつもりでいたのかい 僕の恋人ヨ
人の命が絶える時が来て 人は何を思う
人の命が生まれる時には 人はただ笑うだけ
古い船には新しい水夫が 乗り込んで行くだろう
古い船を 今 動かせるのは 古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も 新しい船のように 新しい海へでる
古い水夫は知っているのさ 新しい海のこわさを
いったい 俺たちの魂のふるさとってのは どこにあるんだろうか
自然に帰れって言うことは どう言うことなんだろうか
誰かが言ってたぜ 俺は人間として自然に生きているのさ
自然に生きるって わかるなんて なんて不自然なんだろう
孤独をいつの間にか さびしがりやと感違いして
キザなセリフをならべたてる
そんな自分をみた
悲しい男と悲しい女の
いつもひとりごと
それでもいつかは
いつものように 慰めあっている

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