ステドク記事 | 日本のAIスーパーコンピューターが新境地を開拓、速度は6.2エクサフロップスに達する

【要点】

◎ HPEが構築した新しいスーパーコンピューターは、人工知能分野における日本のコンピューティング能力を強化し、テクノロジー産業と教育産業の開発速度と品質に直接影響を与えます。

【背景】

◎ 2018年以降、産総研のクラウドスーパーコンピューティングサービスは、あらゆる規模の研究機関、大学、営利企業に開放されており、ゲノム配列を予測するAI技術やマテリアルズインフォマティクスの開発など、幅広い科学研究を支援しています。

◎ 産総研は、日本最大の公的研究機関の一つであり、日本の産業・社会に役立つ技術の創出・実現に努めるとともに、国内外の主要研究機関と包括的研究協力覚書（MOU）を締結するなど、積極的にグローバルネットワークの構築を行っています。

【出来事】

◎ HPEは、日本最大の研究機関の一つである産業技術総合研究所（AIST）向けに、ABCI 3.0と呼ばれる新しいスーパーコンピューターを構築します。

◎ ABCI 3.0は、 HPE Cray XDシステムとNVIDIA H200 TensorコアGPUを備えて 、NVIDIA Quantum-2 InfiniBandネットワーキング経由で接続される予定。

◎ このスーパーコンピューターは、日本最速のAIスーパーコンピューターになることが期待されており、大規模な基礎モデルの生成AIをサポートし、企業、政府、学術機関の顧客にクラウドサービスとして提供されます。

【今後の展望】

◎ ABCI 3.0は、AIタスク用の計算能力に対する日本の増大する需要に対応し、半精度（16ビット）性能の理論上の最大値約6.2エクサフロップスに達すると予想されます。

◎ スーパーコンピューターは、特にAIと機械学習のパフォーマンスを生成する際に、より強力な計算リソースを研究ユーザーと商用ユーザーに提供し、科学的発見と技術革新を促進することが期待されています。

◎ AIとコンピューティングの需要が高まる中、ABCI 3.0の運用が成功すれば、より多くの企業や研究機関が産総研のクラウドスーパーコンピューティングサービスを利用するようになる可能性があります。

【彼らの見解】

◎ NVIDIA CEO ジェンスン・ファンは、NVIDIAは日本が独自の能力とデータを活用して生産性を向上させ、経済を活性化し、科学的発見を前進させるのを支援すると述べました。

◎ HPE CEO Antonio Neriは、産総研がNVIDIAの高速コンピューティングプラットフォームと組み合わせるためにHPEのAIシステムと専門知識を選択したことを光栄に思うと述べました。

◎ 産総研 執行役員 田中良夫 は、AIおよび計算リソースの需要に応えて、産総研はABCI 3.0の機械学習パフォーマンスを最大化していると述べました。