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Vリーグはメディア事業の赤字を恐れるなかれ

#Vリーグに物申す 。このタグへの反応を見ていると、メディア事業(主にVTVイージースポーツ)に対する不満がかなり多いと感じます。そこで今回はバレーボールはメディア事業をどうすべきかという話。

メディア事業方針を刷新「売るんじゃなく、配る」

新規顧客の獲得もそうだし、リーグ財政の安定のためにも、まずメディア事業の方針を見直し、大金をかけてコンテンツを作りそれをタダで配ることで、盛大に赤字を垂れ流す(⁉️)方針を提案したいと思います。

「国内バレーにコンテンツバリューはない」という現実を直視せよ

放映権料はスポーツビジネスにおいて極めて重要な収益です。(そろそろ怪しいですが…)JリーグのDAZNマネーなどを見ればその影響力は一目瞭然です。一方で、もう一つの厳しい現実を直視する必要もあります。それは「価値の高いコンテンツに投資が集中し、価値の低いコンテンツは見向きもされない」ということです。

20-21シーズンを最後に、Vリーグはこれまで多額の放映権料をもたらしていたDAZNと決別します。「バレーボールは儲からない」とDAZNは判断し契約内容の見直しを求め、Vリーグ機構は「安売りはしない」とそれを拒否した。というのが実情でしょうか(想像です)。「配信は儲かるに決まってる!いい機会だ!自主配信にすれば中間マージンも取られないし、ウハウハだぜ!」くらいに思っていたかもしれません。

しかし、ここで気づくべきだったのです。「国内バレーに(残念ながら)コンテンツバリューがない」ということを。ここは涙をのんで「まずはタダでもいいから見てもらって価値に気づいてもらう」というところから出直すべきだったのです。今からでも遅くないと思います。ゼロから出直しましょう。

価値がないものを大事に抱え込んでどうする?

しかし残念ながら、今も「安売りはしない」というスタンスは変わっていないと思われます。以前、排球堂というVリーグの子会社のようなところがVTVを運営していた時代に映像利用の規約を読んだことがあります。たしか秒単位だったか分単位だったかで映像を使用する度に使用料を取るぞ、露出が大きいメディアほど高い料金を取るぞ、みたいなことが書いてありました。今どうなっているかわかりませんが、Vリーグの映像を公式以外でほとんど見ないことを考えると、継続されているのかなと思います。

まずはニュースのスポーツコーナーで取り上げてもらうところから

ニュース番組のスポーツコーナーなどでVリーグが全然報じられないのは、この「出し惜しみ」が影響しているのではないかなと思っています。ニュースのスポーツコーナーなんてVリーグが一番リーチしたい「バレーは知らないけどスポーツは好きな層」が見てるところですから、ハイライト映像くらいタダで差し出すべきだし、それでも取り上げてもらえないなら、リーグがお金を払ってでも映像を流してもらうべきでしょう。ここは出し惜しみするところではないはずです。

映像制作費を負担してでも、地上波で中継してもらう

次に中継ですが、Vリーグ負担で映像制作をして地上波で放送してもらい、見逃しはYoutubeなりTVerなりで無料配信がベストでしょう。テレビ局も苦しくなってきていますから「製作費負担します」なんていったら飛びついてくるんじゃないかと思うのです。もしこれでダメなら、さらにお金を払って枠を買う。やっぱりなんだかんだいってテレビ局の映像制作技術は頭ひとつ抜けていますから、いい映像ができるはずです。

まずはゼロから再スタートして、放送をやめたらテレビ局に苦情が殺到するくらい市民権を得られればゴールです。そこで改めて、放映権料を取ることを考えればいい。

SNSも当然活用。ここにもしっかりお金をかける

もちろん今はテレビ一強の時代ではないですから、インターネットメディアの活用も大事です。ここでも出し惜しみはダメです。以前にも書きましたが、オフィシャルアカウントに投稿するだけじゃなくて、広告費を払っておすすめ枠に動画がガンガン流れるようにしないと、新規客なんて獲得できません。

権利は囲うな、タダで配るのだ

インフルエンサーにもタダで映像を配って、どんどん発信してもらいましょう。例えば、狩野舞子さんや迫田さおりさん、何なら川合会長もYoutubeやってますよね?この人たちがたまにVリーグの話をするとき、権利に配慮して画像や映像もなしに、ただトークだけで進める感じです。もったいない!そこに公式映像があったらもっとおもしろいコンテンツになるのに!

そこで、もう資料を差し出しちゃいましょう。公認インフルエンサーはVリーグ関係の画像・映像なんでも使い放題だと。例えば、もし解説に定評のある福澤さんなんかがYoutube始めて、公式映像付きで解説動画なんか出したらめちゃめちゃ回ると思いませんか? おそらくVリーグは「回るなら権利料を取りたい」と思うでしょうが、それはだめです。制限なく使えるから回る動画ができるんです。そして権利料が取れなくても「Vリーグが露出する」というだけでとてつもなく価値があるということを認識すべきです。

もはや権利は囲う時代ではなく、積極的に解放していく時代だと思うのです。権利絡みの硬直感は、実はサッカー界も同じなのですが、バレーボール界からこの現状を打破できませんかね。

Jリーグが立ち上がった93年の頃にいろんな権利を管理する会社を作ったんですね。… もらえるものなんだ。っているところがスタートとしてあるわけですよ。権利のお金をもらえるもんだって。それを売ったりとか、その内容について「こういう価値があるんですよ」って説明しなくても売れた時代があるから、そのまま引きずってきちゃっていて。未だにこの既得権ということに関しては断固として譲らないというところで止まっちゃってるんですよね。

倉敷保雄「30周年のJリーグ、盛り上がっている?アーカイブの開放を。好きの搾取はダメ」
小澤一郎Periodista

お金がない?先行投資を活かして営業だ!

当然「そのお金はどこから湧いてくるんだよ」という意見はあると思います。もちろん、メディア事業単体でみれば大赤字です。でも露出は確実に増える。それをスポンサーへの営業に繋げるんです。以下の2つを見比べてみてください。

  • 毎週 VTVイージースポーツで配信されるVリーグ

  • 毎週 地上波で放送され、ニュースでも取り上げられ、TVerでいつでも見れ、SNSの広告枠にも出てくるVリーグ

全然スポンサー「映え」が違いますよね。というか、イージースポーツと現地でしか広告が露出しないVリーグをどうやって営業しろと?「地上波で毎週露出しますよ」くらいの口説き文句がなければスポンサーなんて取れませんし単価も上がりませんよね。そのための製作費負担であり、タダでのバラ撒きなのです。

いきなりの先行投資が怖ければ、地上波の話をテレビ局とする前に企業に営業をかけて「来年から地上波でやるかもしれないんですよ」とか言って、それならいくら出せるかを聞いて回る。その合計金額が映像製作費とトントンくらいになったら即GOです。Vリーグの露出が増えるという大メリットを考えれば、新スポンサー獲得とメディア事業の赤字がトントンなら、もう大黒字です。

リーグがやらないならクラブがやっちゃうよ?

ちなみにこの露出を増やしてスポンサーを増やす方針は、別に各クラブが個別にやってもいいんです。もし私がチームのオーナーなら、リーグにお金を払ってでもどんどん映像の権利を買って、それをタダでバラ撒きます。それによる露出増を売りに、映像を買ったお金以上のスポンサーが取れればいいんですから。本来そのスポンサーはリーグが取れたはずのスポンサーなので、チームが動き出すほど、リーグの機会損失は大きくなりますけどね。

まとめ

まずはメディア事業を「リーグがお金を払ってでも露出を増やす」という方針に変え、その露出増を売りにスポンサーを獲得すれば、リーグ事業として十分ペイするのではないか、という話でした。最低でもニュースのスポーツコーナーでVリーグが見たいぞ!

メディア事業での赤字、恐れるなかれ。

Enjoy volleyball !!


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