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PMFのジレンマ:CEOが気づきにくい市場の半歩先

CEO自身がペインを理解している当事者であることが成功していくために重要である、ということはよく言われることです。

一方で私は、CEOがペインを理解する当事者だからこそ「市場に対する錯覚」が起きるリスクが高まると考えています。

市場に対する錯覚とは、一言でいうと、CEOが市場があると思う感覚と現実がかけ離れているということです。時代が追いついてない、という言い方もすることもあります。
CEOが描く世界を理想と共感する人は多くいたはずなのに、そのソリューションを作り上げたところ、現実的にお金を払ってまでやる人はほぼいないという壁にぶつかります。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

ペインと向き合い続けることによって起こる弊害

CEOは24時間365日、そのペインに向き合います。その過程の中で、ペインを抱えている人やその解消に興味のある人との接点が極めて多くなります。自分に入ってくる情報はペインに関わることがほぼ全てとなり、ごく自然に特殊な環境に身を置くようになります。

周りを見渡しても、自分と同じペインを感じて共感してくれる人ばかり。入ってくる情報もどんどん盛り上がってきているように感じる。
自分や周りの人が感じているこのペインは絶対に存在する!今こそ解決しなければ!との思いが極めて強くなっていきます。
そして、その思いのままソリューションを作り上げて投入したとき、世の中のほとんどの人とマッチしない現象が起きます。
他の人から見ると、確かに課題感はあるけど、そこまで必要かな?と感じたり、ソリューションは正論なんだけど、実際やるのはちょっとね、と言われ採用されません。

市場の錯覚について、当事者でもあるCEOの場合、自分で気づくのはとても難しいです。PMFの原則である「狭いターゲットに刺さるものを作れ」から、ある意味相反する思考を持たないといけないことも難しさを助長します。

「半歩先のソリューションになっているか」を問う

錯覚に陥っていないか早く気づくためには、思考の軸として「半歩先のソリューションになっているか」を常に問いかけることが大切だと感じています。

一つ例を挙げたいと思います。

例えば、CEOであるあなたは、環境問題を改善するには個人の意識改革が必須であると思っていたとします。周りも熱くその議論をしたり共感する人ばかり、そして、入ってくる情報は環境破壊に関わる危機的なものばかり・・・。
その思いのまま、個人の意識改革をするために、一人ひとりのエコ指数(環境破壊率)を可視化しシェアし、何らかのインセンティブが働く世界を作ります!とソリューションを打ち上げたとします。
でも、現実的な市場を見渡すと、確かにそのぐらいやらないと意識は変わらないかも、将来立ち行かなくなっていくのもしれないけど、今かと言われるとちょっとね…となる人が多いのではないでしょうか。

一方で、半歩先のソリューションを考えるとは、今、目の前で、現実的に困っていることに目を向けることです。
例えば、ゴミの仕分けでいちいち毎回「プラ」表示を探して目チェックしないといけない、ご近所さんに仕分けで注意されてしまう、生ごみほったらかしにしてると腐って匂いが気になるし虫が来ないか心配、といったペインがあったとします。
環境問題に熱くなっているあなたからすると、当然それは一人ひとりが意識してやるべきことでしょと思うことかもしれません。
でも、市場を見渡すと、普段やらなくてはいけない家事が減らせるなら取り入れようかな、ご近所さんと揉めなくていいならやろうかな、日頃から適当に捨てていて罪悪感あるし、きっかけがあれば変えたいとは思っていたんだよね、ということからの行動変容は多くあります。

もしかしたら、そのペインから考えた半歩先のソリューションのほうが、結果的に多くの人の行動(正しく分別して捨てる)を変えて、実現したいこと(環境問題)に寄与できるかもしれません。

このテーマは、本当に難しいと思っていて、過去の私自身、意識していてもついついハマってきています。
今、自分が考えているソリューションが、ターゲット顧客において半歩先のものになっているかを考えていきましょう!

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