投資契約の実務〜投資家からの要求事項:先買権〜

【目的】
先買権とは、株主の誰かが保有株式を第三者に売却しようとする場合、その売却条件で先買権を有するその他の株主が、前述の第三者より先に譲渡を受ける権利です。
投資家がこの権利を有することによって、売却条件が本来的な株式価値よりも安いと判断したら、先買権を行使して投資家自身の保有比率を上げることができます。

なので、先買権が投資契約・株主間契約に入っている場合、発行会社は、売却条件を先買権保有者に告げて、同一の条件で購入する意思があるかどうかを確認する必要があります。その際に、先買権保有者で、買取希望を表明した既存投資家がいた場合、当初予定していた第三者ではなく、先買権を行使した者に譲渡対象株式を譲渡するというアレンジメントを行うことになります。

先買権は、複数の投資家が行使した場合にはその持株割合に応じて認められることになります。

【記載例】TBD

【論点】
ポイントは、①誰からの譲渡の時に適用するのか=経営株主からの譲渡なのか、既存投資家からの譲渡なのか、②誰が先買権を有するのか、

①については、両方ともあり得ます。
②の「誰が先買権を有するのか」については、株主間契約に記載することが一般的だと思いますので、すべての株主に先買権を与えることが一般的かと思います。(仮に、保有比率の問題でリード投資家だけに先買権を与えるとしても、恐らくフォロー投資家からも交渉されると思われます)

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