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『僕の姉ちゃん』シリーズのこと

何かを読みたいけど、小説を読む気分じゃない……そういうときに、益田ミリさんの漫画はとても心地よく胸に響く。

『すーちゃん』から始まって、ほぼすべてのシリーズを買って読んでいるけれど、
いちばん好きなのは『僕の姉ちゃん』シリーズだ。


最近新刊を発見して、
(『進め! 僕の姉ちゃん』)
さっそく家に帰って読んだ。


姉の「ちはる」を弟「順平」視点から眺める漫画なのだけど、ちはるの物事の捉え方がとても素敵で面白い。
(Amazon プライムビデオでドラマ化もされてるなんて知らなかった……!
ちはる役、黒木華さんだし!これはぜひ観なければいけない……!)


ちはるは恋多き女性で、ものすごくモテることが推察される。
(めちゃくちゃ女子力が高そうなのだ)
そして、その所以は「自分を全力で肯定しているから」
自己肯定感が突出して高く、ときおり混ざる会話はちょっと哲学的ですらある。
それなのに軽やかで、聞いてて楽しい。
なんだかハッとさせられる。
恋とスイーツと好きなもので構成されたちはるの日々。

順平はそんなちはるを(ときどきあきれつつ)
見守っていて、その距離感もとても良い。
こんな姉弟がいたらホントに素敵だな、と思う。


『僕の姉ちゃん』が面白いのは、
ちはるの考え方が世間の「常識」を覆すからだ。
順平が思っているような世間の「思い込み」を簡単に踏み越えていってしまう。
そこにはちはるにしか見えない景色があって、
いちばん大切なのは「自分自身」だって、
彼女の言葉は分からせてくれる。

ちはるが魅力的なのは、いつも恋してるからだ。
でも、それは異性に惹かれているのと同時に、
何より自分自身が好きだからだろうなと思う。

究極的に揺るがない自己愛。
ポジティブさがまぶしいから、やっぱり惹かれてしまう。
(ちはるがモテるのもよく分かる)
(恋の駆け引きについての話は順平がおののくレベルのもので、その会話も面白い……)

ひとそれぞれ才能があって、
みんなかけがえのないひとりの人間だ、という理念がちはるの根底にはある。

人生に恋をする、ということ。

そんなときめきを、私も日々感じたいなと思うのだ。


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