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【ウラ話】人生初の著書『フォトショの5分ドリル 』の執筆の裏側

こんにちは、VoicyでUX/UIデザインをしているスタミです。

TwitterやInstagram等のSNSでは既にこれでもかというほど告知していましたが、12/5に人生初の著書『フォトショの5分ドリル 練習して身につけるPhotoshopの基本』が出版されました!
浅野桜さん、楠田 諭史さんとの共著で、私は画像のレタッチと加工のパートを担当しています。

興味がありましたら書店で手にとっていただいたり、ご購入いただけたら幸いです。
あと、「ここの本屋さんにありました!」という発見報告だけでもとても嬉しい気持ちになりますのでドシドシ報告ください♪

どういう経緯で出版することになったの?

発売されてからかなりの率で以下のことを聞かれるので、今回はそこを振り返りつつ掘り下げて書いていくことにします。

  • あんまり考えたことなかったけどそもそも本てどういう流れで作られてるの?

  • なぜスタミが写真のレタッチについて解説するの?

1点目に関しては私もしばらくは手探り状態だったくらいなので、普通に生活していたらそういえば誰がどうやって作ってるの?って思いますよね。
そして私の仕事について詳しく知っている人ほど、私がいわゆる職業カメラマンではないということを理解しているので疑問に思う人が多いのかなと。

ウラ話①経緯

メインの著者である浅野さんが出版社の編集さんとPhotoshop本を企画し、共著者として私にお声がけいただいたところから私の人生初書籍執筆は始まりました。
なぜ私に?と私自身が一番思ったので聞いてみたところ、「魅力的なPhotoshop本を作るには、解説内容のわかりやすさと同じくらい魅力的な作例でやりたいと思ってもらうことも重要で、そういう作例を作ってくれそうな方にお願いしている」ということでした。
この時点では「担当はレタッチね!」と限定されていたわけではないのと、題材がグラフィックデザインをはじめとして幅広い用途に使われているPhotoshopという点でカメラマンではなくグラフィックデザイン経験のあるデザイナーとして私を選んでいただけたのかなと。
すっかり褒められた気になった&人にやり方を覚えてもらう題材という視点で写真を撮るのも面白そうだなと思い、未経験ながらプロジェクトにジョインさせていただくことにしたのです。

じゃあなぜアサインの対象に入ったのか?で言うと、メイン著者の浅野さんとは10代の頃一度だけミクシィのオフ会でお会いし、当時通っていたのが美大ではなかったという共通点を見出したことよってその後のデザイナー人生を気づけば20年間もお互いにインターネットを介してウォッチし合っていましたw
そんな中4年ほど前にそこそこイケているSONYのミラーレス一眼カメラを購入した私はそこから今に至るまでInstagramをはじめとしたSNSの写真投稿、Adobe stockやPIXTAなどのストックフォト販売に興じていたので、その様子も見てもらえていて印象的だったのかなと思います。
こういうことがあると、趣味の発信が仕事につながるっていうのは普通にあることなんだなぁと実感しますね。これからもどんどんやっていきます。

ウラ話②どうやって執筆したか

大枠はあらかじめ決まっていた

「Photoshopの基本的な使い方を5分程度で終わるような課題でマスターする」「なんとなく使い方を知っている人向けには、まず自分で考えてやれるように素材は提供する」「よく分からなかったという人のために実践動画も見られるようにする」など、コンセプト自体やトピックス、見せ方の構成はあらかた決まっているところからのジョインでした。(今時の本は提供の仕方に工夫がありますね…!)

教本のプロジェクトの進行はとにかく著者の裁量が大きい!

本の種類によるところだと思いますが、教本系だからなのか、プロジェクトの進め方は思っていたよりずっと著者の裁量が大きく、本当に進行のペースや内容面でもざっくりフォーマットに則っていればあとは各々が自由にやって良いという感じでした。
未経験の私は戸惑うところが大きかったのですが、とりあえず前半は全く原稿を書くみたいなことは、ほとんどしていなかったです。
「解説内容と同じくらい良い作例でやりたいと思ってもらうことが重要」ということだったので、普段のデザイン業務と似たような感じで目的に沿った作例の提案から始め、大体のイメージがまとまったらまずは自分が試作しまくる、そこから良いものを選定という感じでひたすら写真の選定や撮影、レタッチ加工をして前半の工程を終えた感があります。

良い作例についてもう少し掘り下げると、見た目がおしゃれ+ちゃんと普段使いできるレタッチ機能がセットになっていて「やってみたい!」→「現場でめっちゃ役に立つやん…」と満足してもらうことが条件です。
私の担当であるレタッチや加工の分野で良い作例は、「いい感じではあるけどちょっとだけ物足りなさのある、惜しい写真素材を狙って用意し、それを読者が自分の力で良い状態に持っていくストーリー」と定義しました。
写真は過去の作品から選定したり、撮影時にしくじっていないと無理なパターンは追加撮影をしましたが、教材のデザインとして何をどう撮るか考えるのは結構難しかったです。(学生の時、テスト問題を作ってくれていた先生ってこんなこと考えてたんだ…平均点が低かった時なんかによく「これは問題が悪いよね〜」とか言ってたのでブーメラン怖いです…w)

実際に載せた作例(一部)

このままでも充分綺麗なんだけど、もうちょっとアーティスティックな雰囲気にしても良さそうな女の子の後ろ姿

ロケーションはおしゃれだけど、電線が景観を損ねていたり、視点が極端すぎる建物の風景

モチーフとしてはかわいいのに立体感の無いクリームソーダのグラス

美味しそうだけど出来立て感のない料理

後半は作例をもとにひたすら執筆と検証の繰り返し

前半は全く執筆しないで終わりましたが、後半は「あれもしかしてタイムリープしてますか…?」と思うくらいに以下の作業をひたすら繰り返して内容の精度を上げました。

  1. 作例をもとに手順の解説テキストを書き起こす

  2. テキストにある通りの手順で作業し、実際に狙った状態になるか検証

  3. 時間通りに仕上げられるか検証

  4. 合わなければ別の方法で作例の加工からやり直し

というのも、同じような状態に仕上げるレタッチや加工の方法は一つではなく、本のコンセプトとなっているレベル感、作業工数に合わないものは載せられないので、そこの辻褄を合わせるのにだいぶ苦戦しました。
ちなみに共著者3名の中で私が一番担当ページ数が少ないのですが、他の方(経験のある方)は一体どのくらいの手数、ペースで進めていたのだろう…。

本のデザインへの原稿流し込み、校閲、検証以降は出版社主導

グラフィックデザイン経験者がアサインされたということは、もしかして本自体のレイアウトデザインもこちらでやるのかな?と思ったのですが、そこは出版社主導で別で進行していただいていました。
一通りの原稿が出来上がったら、その後は出版社主導で本のデザインに原稿を入れていただいたり内容をチェックしていただいたり、それをこちらで修正したりと、テンポ良くやりとりしながら進行しました。

後半は転職したばかりの本業との両立もなかなかに厳しかったですが、全てがとても良い経験になりましたし、本という体験設計の一部をデザインしたことになるので、普段やっている仕事にもかなり通ずるものがあるなと気づきもありました。
そして何より自分が撮った写真が本に載って、デザイナーになりたい人のステップアップの役に立てるなんてなかなかできることではないと思うので非常にテンションが上がっております!!!!

お願い

ここまで長文を読んでくださった方、ありがとうございました。
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本書と全く関係ないお願い

私が所属しているVoicyではデザイナーをはじめ全職種で積極的に採用活動をしています。
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