見出し画像

コミュニケーションで不足していたのは、「話す力」ではなく、「聞く力」だった#KINOKO読書記録

ミツキ読書記録第3回目。今回紹介する本は「人生は『聞く力』で9割変わる」です。著者は㈱話し方研究所会長である福田健(ふくだたけし)氏。「コミュニケーションが難しい」という悩みは、現代社会において、普遍的な悩みとして存在します。「どうしたら、あいてに理解されるだろう」と悩んだとき、この本は解決の糸口となるでしょう。今回は、「『話す力』ではなく、「聞く力」がなぜ重要なのか」をテーマに、本の一部を紹介します。

「話すのは難しい、聞くのは簡単」という思い込み

 著者が講演をする時に、聴講者に向けて、「話すのが苦手であるか」と「聞くのが苦手であるか」をよく訊ねます。すると、「話すのが苦手」と挙手するのは8割以上に対して、「聞くのが苦手」と挙手するのは1割未満という結果に。多くの日本人の意識に、「話すのは難しい、聞くのは簡単」という意識が支配していることがわかります。

聞かなければ何もスタートしない

 上記の他にも、「話し手前提の聞き手」という思い込みの支配があると著者は話します。たしかに、話す行為がなければ、コミュニケーションは何も始まりません。しかし、聞く行為がなければ、意思疎通の関係は成立しません。つまり、一方的にお互いが話を続けても、コミュニケーション成立は不可能なのです。「マネジメント」という本で有名な経営学者のピーター・ドラッカーは、ある言葉を残しています。

「コミュニケーションを成立させるのは話し手ではない。聞き手である」

話さなければ何も始まらないのではなく、聞かなければ何もスタートしない、「聞き手前提の話し手」を示しています。

「聞く」とは?

そもそも、「聞く」という行為はどんな行為なのでしょうか?「聞く」とは「相手の言い分を理解している」という合図の発信を意味します。たとえば、スピーチをしている時、「うん、うん」と頷いている聞き手と、無表情な聞き手がいたならば、どちらが理解していると認識するでしょうか。前者であると答える人が多いのでは。話し手の考えに対して尊重を示すため、聞き手は、相手の話の意味を解釈する。その上で、不明点があれば質問して、相手を理解するというプロセスを踏むことが重要です。

話を聞いて、相手とのつながりが生まれると、相手はこちらの話にも耳を貸してくれるようになる。・相手の「気持ち」をわかろうとする。・相手が「何を必要としているか」把握する・相手が「一番わかってほしいこと」を知るなど、「わかろうとする姿勢」を忘れないでいたいものである。

「聞く」ことのメリット

わずかな時間の短いやり取りでも、自分の話を聞いて、気持ちを理解してくれた上で言葉を贈られた嬉しい経験は、誰しも持っているのではないでしょうか。「心が触れ合う」経験は、人との「つながり」を生み出します。「つながり」は、人を説得、協力させやすくなります。また、もらったらお返ししたくなるという「返報性の原理」が働いて、今度は相手から自分への理解を得ることができます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?