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「人たらし」は善?悪?#KINOKO読書記録

ミツキ読書記録の第2回。今回から、#ミツキ読書記録として創作することにしました。今回扱う本は「『人たらし』のブラック心理術」。著者は立正大学客員教授で心理学者の内藤 誼人(ないとうよしひと)氏。私が図書館に行って借りてきた本の1冊です。この本を選んだ理由は主に2つ。1つ目は、日常生活に役に立ちそうだったから。2つ目は、自分の目標の一つが、「人たらしになること」だからです。 仕事とプライベート両方で、人間関係は、避けられないものです。アドラー心理学を創始したアルフレッド・アドラーはこう言っています。

すべての悩みは対人関係の課題である

「人たらし」になって、人間関係がより楽になり、愛される人生を送ることができたとしたら? この本は、愛される人生を送るのに役立つ「ブラック心理術」を7章に分けて、記しています。ここでは、人間関係の基本を記した、1章の「人たらしになるための基本ルール」から、いくつか重要ポイントを紹介したいと思います。

「人たらし」=「頭がいい」の図式で考える

 「どう行動すれば相手に喜んでもらえるのか」を本気で考え、行動している人間を受け入れる人は多いのでは?人たらしは、欺く、誑かす(たぶらかす)といった悪いイメージを持たれることがあります。しかし、見方を変えると、欺く行為は、知性が無ければできない行為です。「相手が喜ぶ行動はなにか」と考えることは、知性の1つである洞察力を高めています。洞察力がないと、場の空気や相手の心情の推量ができず、自分勝手な行動をしやすくなり、相手から拒絶反応を受ける可能性があります。

 つまり、人から好意を持たれるには、知性と関連していることがわかります。だから、「人たらし」=賢い人と考え、「社会的知性」(心理学上で人から好かれる知性を意味する)を高めることは、結果的に生きやすくなります。

「ウソはよくない」とか「偽善的になってはいけない」という信念を頭に残したままだと、本書で提唱するような「人たらし」の技術を身につけることはできなくなってしまう。そのため、最初に、こういう思い込みはなくして欲しいのだ。                        まずは頭の中の図式を再構築してほしい。「人たらしになるのは、悪いことではなくて、むしろ、いいことなのだ」と。

人たらし=良いという印象は、主観的に漠然とあったものの、明確な理由がわかりませんでした。しかし、この本を読むと、「人たらし」を目指したほうがいい理由がはっきりします。

”性悪説”を信じて行動せよ

「性悪説」とは、人間の本性は益をもたらさないばかりか、有害ですらあるという説です。本の著者は、性悪説は人間関係をスムーズにさせるのに役立つと、伝えています。人間関係は、脆弱な基盤から成立しており、何十年という付きあいでも関係が崩れることがあります。人に好かれるコツの一つに、「何度も、相手が喜ぶことを続ける」というのがあります。「これだけ相手が喜んでくれたから、大丈夫」ではなく、「これだけ相手が喜ぶことをしても、まだ足りないかも」と思うのが重要なのです。

10年付き合おうが、20年付き合おうが、親切さ、丁寧さ、謙虚さを忘れない。人の本性が善だと信じていないから、甘えていると危険だと思うのである。性悪説の立場にたつと、いい意味で緊張しつづけるからこそ、いつまでも人たらしでありつづけることができるわけだ。

「親しき仲にも礼儀あり」という諺があるように、周囲への謙虚さを大事にすることで、良い人間関係がもたらされることを改めて実感しました。映画館でで、相手の席を蹴らない、騒ぎ立てないというルールが成立しているからこそ、映画を楽しむことができることと似ている気がします。何十年の付き合いだったとしても、「境界線」を守ること。今から、一層頭に深く刻み込んで行動します。

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