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十五夜の月をみて思う。

目と目が合って、はじまる恋。
そんな気持ちをどこへ置いてきてしまったのだろう。
今では目と目が合えば、不審な気持ちを抱いてしまう。
だから目と目が合わないように、お互いに関心をもたないようにする。
関心をもたないように、別のものに関心を向ける。前を向かず、視線は手のひらの画面へ。

周りに関心をもたないように、周りから関心をもたれないように。それぞれが創り出した手のひらの空間に生きる。でもそれって楽しいの?

少しでいいから顔を上げてまわりを見てほしい。
夜なのに明るい気がしない?
なぜだか分かる?照明のせい?
夜なのに明るいのはお月様のおかげ。
今夜は十五夜、しかも満月。

月の丸み、いい気がしない?
月の傾き具合い、いい気がしない?
なんだか今夜はいい雰囲気じゃない?
今夜のショーは特別で、観る人を穏やかにしてくれる。
きっとあなたにも残っているはず。子供のころ見た景色。見るものすべてに関心をもって、あらゆるものに感動し、心が育まれていたころの記憶。

ショーの終演は日が昇るまで。
だからゆっくりとご覧あれ。

顔を上げて、空をみて。
夜空にはこんなに美しい世界が広がっているんだから。

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