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「さよならのせつなさ」が教えてくれたこと。

先日、ある方に会いに、東京に行ってきました。

その方は、ある企業にお勤めの方。かれこれ、15年近くの付き合いになります。

出会いは、私が社会人になりたてのころ。当時、私は営業の仕事をしていて、毎日飛び込み営業をしたり、電話営業をしたり、精神的にも、体力的にもハードな仕事をしていました。悔しくて泣いたことも、大声で叫びたくなることもありました。

「私は何がしたいんだろう」なんて思いながら、ただひたすらがむしゃらに働く日々。

その方とのご縁は、そんな日々の中で、私が飛び込みでおじゃましたことがはじまりでした

学生が無理やりスーツを着ているような、そんなあどけなさが残ったまま、なんだか必死だったから話を聞いたんだ、と後から教えてくれたけれど、正直、私は、ほとんど記憶にありません。たぶん必死だったから。

何度か訪問し、お話をしていくうちにお仕事をいただけるようになって、結局、私が会社を去るまでお取引を続けてくれました。聞くと今もその取引は続いているそう。私の後任もとてもがんばってくれたようで、後任も、担当が離れた今も、時々連絡をしてくるそうだ。

転職して、会社を離れ、業界も変わり、もうご一緒する機会もないだろうなと思っていたけれど、私にとっては、忘れられないお客さま。ふと思い出して連絡すると忙しいにも関わらず、いやな顔一つせず、いつも温かいことばで迎えてくれます。

東京を離れて、いすみに移住をすると決めた時も「報告しなきゃ」と想い会いにいったっけ。「がんばってね」と笑顔で送り出してくれました。


社会人1年目のころ、仕事でお付き合いのある方と、仕事以外で付き合いをするという意味が全くわかりませんでした。仕事は人と人との付き合いなのだけど、それがわからなくて「仕事」の自分はどこか「他人事」でした。仕事の意味も働く理由もわからなかったのです。

でもある時、気づいてしまったんです。

「このまま、この人との付き合いが、その場限りなのはなんだかさびしいなぁ」と。

営業としてモノが売れればいい、という一度きりの関係性は、なんだか寂しい。私は、そんな仕事をしたいんだっけ?いやいや、ちゃんと自分に正直に、胸を張った仕事がしたい。それならば、ちゃんとひとりひとりと向き合わないとだめじゃん。このまま「さよなら」なんて、せつなすぎる。

そこから仕事に対する意識ががらっと変わりました。意識が変わると行動も変わる。イマイチぱっとしていなかった営業成績が、劇的に伸びたのだから不思議。

あの時気づいた「さよならのせつなさ」は、今も私の根本にあります。ご縁とか、つながりとか、大事にしたいと思うのは、今も変わりません。


お会いした方は、今はその企業の役員になられていました。小さいながらも私も社長になりました。お互い立場は変われど、想いはあの時のまま。また何かご一緒できるといいな、なんて思いながら東京を後にしたのでした。





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