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宇宙に鳴る潮騒

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宇宙に憧れ、星を愛し、それを糧として生きる人たちの群像劇です。少しずつ更新していきます。少し、切ない。そんな気分になりたいときにおすすめです。一話完結ですのでお気軽にどうぞ。
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記事一覧

宇宙さんはロマンティックがお好き

「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。  どんな話の流れだったろうか、その…

星見さとこ
2週間前
5

真実のロマンチスト

私がその店に足を踏み入れると、今しばらく終電までの時間を楽しみたい男女で込み合っていた。…

星見さとこ
5か月前
2

想い人の彼

「ただいま。」  玄関からリビングに抜けると私はそのままソファーに突っ伏して倒れこんだ。…

星見さとこ
6か月前
2

光の速さで

 私は星空ツアーガイドを生業にしている。  地域のキャンプ場や文化施設、学校の課外授業な…

星見さとこ
6か月前
8

抜けぬ太刀

さて、快刀乱麻を断つ、などと言いますが。 これはよく切れる刀で、複雑にからまった麻を切る…

星見さとこ
6か月前
3

二重スリットの彼女

その日、彼女がふたり来た。 「ごめんねー、待った?」「服選んでたら遅くなっちゃった」 小…

星見さとこ
6か月前
1

星のラブレター

私は古い灯台の上にいた。写真部の私は星空の写真が撮りたくて、新月の夜にはこうして家を抜け出し、この灯台に忍び込んでは撮影をしている。 暫く前に建てられた新しい灯台のおかげで、今やここは何の役目もなく放置されていた。しばしば幽霊が出ると噂され、おかげで気味悪がられて誰も近づかない。撮影をするには都合がよかった。 星空の撮影にはコンディションがとても重要になる。それは日に依って時間に依って、その姿形を変えた。今日の夜空はどうだろうか。月明かりのない新月の夜は貴重だ。灯室を囲むよ

私の先輩

ゼミの懇親会の帰り道、先輩とキスをした。何故それに至ったのか覚えていない。 何か口論にな…

星見さとこ
7か月前
1

私を月に連れてって

背が高いのは、私のコンプレックスだった。 小学校に入った頃から席は一番後ろで、中学に入っ…

星見さとこ
7か月前
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友達のロケット

ここは海沿いの小さな町だ。随所古びてはいたが、漁師町として今でも活気がある。 魚市場を中…

星見さとこ
7か月前
2

空の向こうの彼女

妻は私の弾くピアノを愛してくれた。しかし彼女はもういない。 私はピアニストだ。駅や空港、…

星見さとこ
7か月前
1

祖父の空

私の祖父はかつて空軍のパイロットだった。 私が物心つく頃には現役の飛行機乗りを退いていた…

星見さとこ
8か月前
1

投影機が照らすもの

学芸員の彼は小さなプラネタリウムに勤めている。 ベッドタウンの脇に建てられたその施設は、…

星見さとこ
8か月前
1

星占いは嘘をつく

 少女は朝から極めて上機嫌だった。気が付けば鼻歌交じりで制服のブレザーに袖を通している。  毎朝目覚め一番の日課になっている星占いアプリによると、今日のいて座の運勢はどのステータスも最高で、こんなこと今日まで見たこともない。おまけに、総評として「今日こそ願いの叶う日!」と書かれている。  願い。願い。そうだ。彼女の脳裏に浮かんだのは彼の顔だった。  彼とは、同じ部活に所属する同級生で、何かと一緒にいることが多かった。最初は他愛もなく会話する程度であったが、彼のちょっとした仕