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インドで出会った砂漠のオアシス2

続きは明日と思ったけれど
勢いで書いておこう

この小さなホテルに宿泊することになった
いきさつはというと

ジャイサルメールに到着した私と友人は 
まず駅を出て待ち構えていた
リクシャーの客引き争いにショックを受けた

お互いを こいつ嘘つき悪い奴 
とひどく罵り合う
都会より田舎の方がのんびりしていて
人がいいんじゃないかという
幻想を抱いていた私たちは
ちょっとゲンナリしちゃったのだ

そしてリクシャーに乗れず
酷暑の中をフラフラ歩いていたら
背の高いインド人に日本語で話しかけれた

彼は砂漠の駱駝キャンプツアーを
やっていると言う

僕は日本じゃ有名なんだよ
ほらほら 地球の歩き方にも写真が載ってる
と言って そのページを見せられた

暑さと客引きの罵り合いに心折れそうだった
私と友人は 何だかやけに高い気がすると思いつつ
まぁいいか とそのツアーに参加する事にし
事務所っぽいところへ連れて行かれた

ところがそこで 友人が軽い日射病のようになり
気を失いかけたため 急遽彼の友人が
やっているという この小さなホテルに
連れてこられたのだ

そのホテルは 小さいけれど清潔感があり
働いている人たちも みんないい笑顔で
温かく出迎えてくれ物凄く安心したのを覚えている

そして部屋のベッドで休みを取り 
そう言えばと 地球の歩き方を
引っ張り出してきて彼の写真が載っている
ページを見てみると

なんと
その写真に添えられた文章は

このゲジゲジ眉毛の男に御用心!
コイツは日本人と見ると寄ってきて
吹っ掛けボッタクリます 気をつけて
と書いてあるではないか

いやぁ よくこれを見せるよな
まぁ旅してて暑すぎて疲れてると 
ちゃんと内容を確認しなかったりするからね

幸い友人の日射病症状はすぐ回復して
元気になったのだが ここは病気という事で
キャンセルさせてもらった

インドの人は大抵根っから
悪気があるわけではなく
病気と言うと心配しあっさり引いてくれる

デリーで出会った 以前日本に住んでたという
インド人もこんな街中だけじゃ
本当のインドは分からないよ
僕の田舎を見せてあげる インドの家庭のご飯も
食べさせてあげるよと言われ
なる程 それもそうかもと
ホイホイ連れて行かれた愚かな私達に 
車の中で 日本はなんでも高いよね
だけど一つだけ安いものがある
それは女の子 とのたまったため

私たちは これはヤバいと顔を見合わせ
早速 アイフィールシック
気分が悪いです 病気ですを連発すると
すぐにデリーに戻ってくれました

それはともかく この地球の歩き方にも
認定されている ボッタクリ野郎 
ゲジゲジ眉毛男さんのお陰で 
この素敵なファミリーに
出会えたのだから彼に感謝しなくちゃ

この家族は 今までの人生で出会った
家族の中でも 一番素敵だったなあ

兄妹姉妹 それぞれが個性的で互いを
信頼しあってて 仲良しで
家族に何か問題があると
誰もご飯を食べず まず全員で話し合う
その時は次男に何か問題が起こったらしく
みんなご飯を食べずに待っていた

そして私たちを家族の食卓に招待してくれた
とても優しい味の野菜とお米のスープ
外のレストランで食べるのとは全く違う
身体と心に優しい滋養溢れる食事 

そしてホテルの従業員も
絶対にスペシャルプレゼントを
ねだったりしない

持っていった折り紙で 鶴を折って見せると
すごく綺麗と言うので 次女に綺麗な模様の
折り紙をあげると言っても 
いやいや貰えないと固辞するので 
一緒に折り紙をして遊んだ

ちょうどホーリー祭と言って
風船に赤い液体を詰めてぶつけ合ったり
赤い粉を顔に塗ったりするヒンズー教の
大きなお祭りの日と重なり
みんなで顔を粉だらけにして遊びました

本当に短い間だったのにその時の記憶は
鮮烈に残っている

こんな素敵な家族もあるんだなぁって

私は何となく家族や親子や夫婦に対して
幻滅していた若者だったので何だか
すごく印象深くて インドのホーリースピリット達
に導かれ出会った気がしています

       続く





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