【行政書士試験FIRST STEP】4話 勉強時間の捻出について
今の生活を維持しながら勉強できますか?
行政書士試験を受験しようと考えている方の多くは、今の自分の生活や待遇を変えるため、ステップアップしていくために決意した方々だと思います。
そうなってくると必然的に、今現在自分が送っている「生活」というものがあります。
朝起きて、食事を摂り、仕事に向かい、昼休憩を取れる人もいれば取れない人もいて、へとへとになりながら帰宅し、夕食を摂って眠る。
行政書士試験に挑戦するということは、そんな長年築き上げてきた「生活」の中に、いきなり「勉強」という行為を捻じ込んでいくことになります。それも、少ないとは決して言えない時間を。
そんなこと果たして可能なのでしょうか。
勉強はマラソンのようなもの
そんなもん、気合と根性でどうにかするんだよ!!
私もそんな風に思っていた時期がありました。とにかく無理をして、勉強時間を捻出すればいい。やれるときにやればいい。
しかし、その考えでは継続していくことは難しいでしょう。無理をした反動は近いうちにあなたに襲い掛かります。
私の経験から言うと、ある日突然、まるで糸がプツリと切れたかのように、何もかもがどうでもよくなり、机に向かうのも億劫になり、1週間何もせずにボーっとしていたことがあります(もちろん仕事などの最低限のことはしていましたが)。
勉強とは短距離走ではありません。マラソンのようなものです。
今日頑張ればいいというものではなく、今日も明日も続けなければなりません。
モチベーションが高い日だけ10時間勉強する人と、どんな状態でも毎日4時間勉強できる人、どっちが長い時間勉強できるかについては言うまでもないでしょう。
これから1日の勉強時間の捻出方法について記していきますが、決して無理はしないように、勉強し続けられる体力を養っていくイメージで計画していきましょう。
「この生活を毎日続けることができるか?」
と常に自問自答しながら進めていくことをオススメします。
合格のためにはどれくらい勉強しなければならないのか
これについては一概になんとも言えないのが現状です。
FIRST STEPの最初にもお話した通り、一般的に行政書士試験合格のための勉強時間は600~1,000時間と言われています。
法律を勉強したことがある人であれば600時間程度、初めて勉強する人であれば800~1,000時間程度と考えてもらえばいいでしょう。
しかし、これも最初にお話した通り、1,000時間勉強したからと言って必ず合格できるのかと言われればそれもNOです。
現にここに1,200時間以上勉強した上で、4点足らずに不合格だった人間もいますし(勉強した時間の総合計時間で言うならば2,000時間以上)、わずか3ヶ月の勉強期間で合格することができた猛者もいらっしゃいます。
このように勉強時間が絶対的な指針とならないのであれば、ここで私が言えることは
試験日当日までに、継続可能な範囲内で自分の時間をできる限り勉強につぎ込もう!
ということだけです。
FIRST STEP 自分が勉強した時間を記録してみましょう。
まずは自分がどれだけ勉強できるかを知る必要があります。
ストップウォッチを持って、自分が机に向かった時間を記録してみてください。集中力が切れたなと思ったら5分程度の休憩をし、休憩が終わったら勉強を再開します。
5分程度の休憩であれば勉強時間にカウントしても問題ありません。細かいことは気にしないでいきましょう。
1日の終わりにその合計時間を算出します。
どうでしょうか?
それが今現在のあなたの行政書士試験に捧げることができる時間です。
意外と少ないな、と思っても安心してください。
繰り返していくうちに勉強できる時間も増えていきます。
私は最初15分が限界でした。それでも最終的には10時間机に向かい続けられるようになりました。その様子を両親から気持ち悪いと言われましたが(笑)
重要なのはあなたの現在地を知り、そこからどうしたら勉強時間を増やすことができるか対策を練ることにあります。
対策1 自分の生活を見直して、どこに勉強を差し込めるかを検討する
1日の生活の中でスマホをなんとなくいじっていたり、ボーっとしている時間ありませんか?
毎日忙しい! と慌ただしく生きている方でも必ずそういう時間があるはずです。その時間を勉強に差し込めないかと検討します。
例えば、昼食の後、なんとなくスマホを眺めていたら昼休憩の時間が終わってしまった。なんてことあったりしますよね。その時間を勉強に充てられないかと考えます。
対策2 朝型の生活に切り替えてみる
1日のうち、最も予定が入っていない、邪魔が入らない時間帯は朝です。
あなたが目覚めたその時を狙って仕事を押し付ける上司もいませんし、朝から同僚に飲みに誘われることもありません。気になっているあの人を朝食に誘う、なんてことも起こらないと思います。
朝は受験生にとって神聖なものです。
誰もが寝ている中、自分一人だけが起きて、自己研鑽に努めている。それだけで他人より1歩多く進むことができます。
是非、朝型の生活に切り替えてみてください。
私の勉強時間の一例
最後に、受験生時代の私の勉強時間を一例としてご紹介します。
といっても私は当時、受験生としてはかなり恵まれていた環境で勉強していたと思いますので、あくまでも参考程度にご覧ください。
前提条件として私の環境を記しておくと
仕事が9時~17時。土日祝日休みでした。
今回は残業が無かった日の平日の勉強時間を記載していきます。
朝5時起床
6時まで勉強(1時間)
朝食
出勤時間まで勉強(45分)
通勤時間中勉強(30分)
出社、仕事
昼休み 昼食後に勉強(30分)
仕事
業務終了、帰宅の電車にて勉強(30分)
帰宅の後に夕食
夕食後就寝の準備
準備完了後勉強(1時間)
就寝
合計4.25時間
以上が私の勉強時間の枠です。不測の事態が起こったとしても、これくらいの時間を確保していれば、大体1日で3時間~4時間勉強できると思います。
これを300日程度繰り返していくと、行政書士試験の日までに1,000時間程度勉強できる計算になります。
毎日3~4時間程度勉強できていれば、休日に気合を入れて長時間勉強する必要も無くなります。
あくまでも勉強時間のみに絞った話をすれば、一般的な合格に必要な勉強時間はこのようにして確保することができます。
効率を求めれば必要な勉強時間はもっと短くできるのでは?
現在、効率よく勉強するという名目で様々な教材が書店やネット上で販売されています。
それらを使い、短期間で合格を勝ち取る人も確かにいます。しかし、私は現時点でその方法に手を出す必要は無いと考えます。
どんなものにも抜け道や裏技があったりしますが、それに今の段階で頼ってしまえば不測の事態が起きたときに何もできずに終わってしまうからです。
仮に「これだけやっておけ! 行政書士試験パーフェクト予想問題集!」というタイトルの教材が10万円で売られていたとしましょう。
内容は過去の行政書士試験の傾向から出るところだけを抽出し、それを基に今回の行政書士試験の出題範囲を予想したものです。
あなたはそれを購入し、それを問題文から解説までを丸暗記して試験に挑みました。
しかし、本番ではその範囲からは全く出題されませんでした……なんてことが実際に起きたりします。
詐欺ではありません。あくまでも予想でしかありませんから。出版者に文句を言ったとしても、そのような事態に対応できなかったあなたが悪いんでしょ? で終わってしまいます。
そういう教材に手を出すなとは私の口からは言えませんが、今の段階では参考書を読み、問題集を解く、王道のスタイルで進むことをオススメします。その王道を進むために勉強時間の確保が重要となってくるのです。
私の経験でも記したように勉強時間を確保したからと言って試験に合格できるかと言えばそうとは限らないのがこの試験です。
しかしながら、それ相応の勉強時間を確保しないうちに効率や裏技を求めてもそれはなんのプラスにはなりません。
勉強時間の確保は、あなたを最後の最後で支える柱になります。試験が近づき、誰もがプレッシャーや不安、緊張に押しつぶされそうになっている時に
あれだけ勉強したんだから絶対に大丈夫。
という自信があなたを最後の最後で踏みとどまらせる大きな力となると私は思います。
今回は勉強時間の確保についてまとめました。
勉強時間を確保した次は長期的に考える勉強計画についてまとめていきます。
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