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営業が強いB2Bメーカーになりたい!営業DXへの挑戦。

みなさん、こんにちは。
社会人11年目、石川県の中小製造業の会社に勤める金パパです。
いかがお過ごしでしょうか?

まだ寒い日が続きますが、体調にはお気を付けください。
今回のような話題を書く際に使うペンネームが、「金パパ」でよいものなのか、僕は最近悩んでいます。悩みすぎて、お風呂にずっと入っていたら、あやうく湯冷めしそうになりました。(若干、鼻水が。。。)

Twitterネームなどが「金さん(@Stammkneipe)」なので、そちらにしようかなと思っていますが、Stammkneipeがドイツ語で「いきつけの居酒屋」という意味なので、それもまた適切なのか、悩みどころです。
もう、「金さん」でよいかもしれません。

冒頭、本題から逸れました、申し訳ないです。
創業75年の老舗B2Bメーカーで働いています。
本日は、「営業が強いメーカー」になるために、試行錯誤を現在進行形でしているので、その事について綴れたらなと思います。

「会社からオンラインでの営業のやり方を考えてほしいと言われているけども、何から手をつけたらいいか分からない。」

「昔から働いているけども、どうも今の時代とやり方があっていないように感じる。」

そういった、現在の所属組織に対するぼんやりとしてでも、問題を感じている方々の参考に少しでもなればよいと思い、自分たちの取り組み書いていきます。

(取り組みを行う中で、自分が参考にしてきた書籍は文末に記載します。)

自社の現状分析

何事もまず、今、自分たちはどこにいるのか?どんな状態なのか?を確認することが必要なので、ここでは自分が行った自社の簡単な現状分析について書きながら、「歴史がある=古い」ではなく、歴史があるこその強みも交えていきます。

営業の方法を変えるべき理由

「そもそも、今のやり方を変える必要があるの?」

「すべき!」っていうと、もはや反射に近い反応みたいに上のような質問きそうですよね。
自分も変えなくてもよいのであれば、変える必要があるとは思いません。

「なんとなく、他社のやり方と比較して、古いから。違うから。」というように、しっかりと現状把握をせずに、「なんとなく」の感覚で変えたほうがいいと思っていたとしても、その「なんとなく」を相手に理解してもらわないと簡単にやり方は変えられないですよね。

自分の場合は、よく自問自答をします。

  1. 今のやり方で、成果を出せているか?

  2. その成果は、期待通りのものか?

  3. (期間などを短くできるように)もっと良くなる方法はないか?

少なくとも、上の(1)および(2)に即答できないのであれば、何かしら改善をしたほうがよいかもしれません。

その成果(目標値)をどこに置くか次第でもありますが、目標値が妥当であった場合は、方法を変えるしかないです。

自分の会社のやり方は?

今の会社に中途入社し、丸2年。
詳細はこちらに記載!

既存事業の営業の方々のお話を伺ったり、社内の報告資料や方針資料を読み込んだ後、率直に感じたことが…

「足らないなぁ」

当社(株式会社白山)は、光通信用の多心光コネクタ部品(MTフェルールという樹脂成形部品)なるものを作っています。

この製品が関係する光通信市場が、年平均成長率(CAGR)が10-17%(実際の製品によって異なる)の成長市場なのです。

使われるのは、主にデータセンターです。
皆さんが普段使っている動画コンテンツやSNSの情報のやり取りはデータセンターが、後ろで色々とやっているわけです。
なので、データを使えば使うほど、データセンタが必要になる、または、より良い設備が必要になると思ってくれて、OKです。

お家に光ファイバ(光ネットワーク)が通っているのであれば、壁の近くから線が一本近くの機械に出ていると思います、あれは、単心コネクタ(ファイバが1本タイプ)なのですが、それがネットワークの拠点に近づけば近づくほど、沢山ファイバが通ってる多心コネクタが沢山ある場所にたどり着きます。

多心光コネクタ部品(MTフェルール)
大きさは、8.0 x 6.4 x 2.5mm (コーヒー豆ぐらい)

真ん中の穴にたくさん光ファイバが通ります。(1本は髪の毛1本の大きさ)

コロナ禍によって、テレワークなどが増え、お家でのインターネット消費が加速したのも大きな要因です。

つまりは、何が言いたいかといいますと、市場が伸びてしまうので、市場でのポジションが変わらない限りは何もしなくても、成長してしまうということ。

なので、営業に仮に力を割いたとしても、市場がそもそも成長しているので、その営業のおかげなのか、単に市場が伸びているからなのか、効果測定もしづらいし、分からない。

「何もしなくても、勝手に伸びるなら・・・」

無理して頑張らなくても、ということになるやもしれないですし。

少し横道に逸れましたが、率直に感じた「足らない」というのは、こうした市場成長率と会社の売上伸び率を過去に遡ってみたときに、ある部分までは市場成長率に沿った形で伸びていましたが、その伸びが緩やかになってきたと数字で判明してしまったからなのです。

自分が所属する部署が、自分の入社1ヵ月前にできた新設の部署だったのですが、厳密には営業部署ではありません。
どちらかというと、市場の調査や動向調査、新規企画を行う部署で、これから成果を出す部署でした。

  1. 今のやり方で、成果を出せているか?

  2. その成果は、期待通りのものか?

  3. (期間などを短くできるように)もっと良くなる方法はないか?

市場調査や新規企画、製品を広めるといった観点でマーケティングが近いかもしれませんが、営業さんとの連携は必須であり、最終的には、会社の成長に繋げるといった視点が必要なので、どうしても「もっとできるのでは?」という思いがありました。

コロナ禍で、いち早くテレワークを導入するなどしていましたが(Microsoft 365の導入など)、既存業務をデジタル化したり、既存のお客さんとの打ち合わせがオンライン会議になったり、と基本的には従来の活動をデジタルにした、といった内容のものです。(主にやってきたのは、以下のリコージャパンさんの記事を参考にいただければ!)

「これからビジネスを伸ばすためには、単に業務をデジタルにするだけではなく、デジタルを駆使し、新たな価値やビジネスを生み出すことが必要なのではないだろうか。」と徐々に思うようになりました。

歴史がある企業の強み とは?

「どうやって、新たな価値やビジネスを生みだすことができるのか?」

そうした時に、自分の中で大事にしてるのは、ウチ(内)をよく理解することです。
どうしても、何か新しいことをしようってなったときに、ソト(外)に目が行きがちなのですが、実は近くにヒントが隠れていたりすることが多いです。

最初の企業(京都の大手メーカー)でも、2社目のとき(金沢の創業50年以上の中小製造業)でも、ウチをよく調べたときに突破口を開いたことがあったので、そこから学びました。

「会社の情報を網羅的に集めるだけで、そこからヒントがあるのでは?」と思い立ち、まずは社内の情報整理から集約をすることをしようと思うようになりました。

歴史がある=情報(ビジネス情報や人脈など)が蓄積されている、ということ、それがひとつの強みだと考えました。

本当に精査してみないと、何が価値があるか分からないもの。

ドラクエ6でいうと、氷の洞くつで錆びた剣を見たときに、テリーはその場で価値判断をしたけども、磨けば、実は伝説の剣(ラミアスの剣)だったのようなオチがあるかもしれない。

今までの経験からそれを体験してきたので、やる価値があると思ったのです。

何を目指したいのか?

前章では、市況(成長市場)と自社の状況(成長が緩やかになってきた)を照らし合わせた際に、改善できることがあると考え、そこからのヒントを探すため、まずは情報の集約をしようと思うようになりました。でも、その結果、何を遂げたいのか、それを含めて、この章では書いていきます。

問題と課題の違い

突然ですが、「問題」と「課題」の違いって分かりますか?

自分もあまり違いを意識せずに使っていました、この本を読むまでは。

「問題」は、 目標である未来の「理想的な状態」との間にギャップが発生 している、現在の「問題を抱えている状態」です。問題の所在はあくまでも現状の中にあります。ネガティブな影響を及ぼすため、解決するべき事柄です。「課題」は、目標である「理想的な状態」と問題を抱える状態のギャップを埋めるためにやるべきこと・やると決めたことです。「What to do」と理解してください。

阿佐見 綾香 (著)『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書』90ページ
(PHP研究所、2021年)

理想的な状態(未来)を考えなければ、現状とのギャップが生まれないので、問題は存在しないことになる。
問題がなければ、課題もないので、いまのままでよいということになる。

何を目指したいか?(未来をどうしたいか?)を決めないと、これから私たちがやることが何の意味があるのかも分からなくなるので、ここで明らかにしたいと思います。

因みに、余談ではございますが、この本は、マーケティング分析手法のひとつである3C分析から実際のリサーチ方法まで、基本的な考え方に加えて、リサーチ方法も網羅的に学べます。
「リサーチのやり方が分からない。」「マーケティングって何?」「基礎に立ち返りたい。」っていう方には、とてもおススメな書籍です。

どんな未来が欲しい?

「会社を続けたいから。」

などといった、炭酸が抜けたコーラのような味気がない回答をする気はございません。

会社(組織・集団)も何かを達成しようとしてあるので、やはり目的があって、初めて成り立つもの。

白山の社員としてのこうしたい!というのと、
個人の思いとしてのこうしたい!というのが、自分の中であります。

単純に白山の社員としては、
「光接続技術なんて面白い技術を世界の色々な人に知ってもらいたい。」

そして、光接続技術屋さんとして、
「新しい技術やお客さんの価値になるものを提案したい。」という想いが強いです。一定程度のシェアを持っていて、お客さんからも買ってもらっている、それを今後も続けたいし、自分たちがいなくなったら困ってしまうのでは?とも思う、だから、これからもより良いものを提案して、貢献していきたい。

そのためには、自分たち自体が成長していく必要もあると考えているから。

因みに、専業で光接続部品(+周辺の接続構造も考えられる)メーカーって実は少ないと感じています。(ある程度リサーチしてもそうなのですが)

競合製品はあるけども、専業でやっていなかったり、だからこそ、専業だからこそできる価値提案があるはず。

あとは、個人(地方に勤める会社員)としての想い。

「どんな場所にいるかは関係なく、誇れるものがあれば、どこへでも自分たちで制限を設けずに活躍できる」という実感を地方に広めていきたい。

最初の企業が、京都(大都市)の大企業で、その後、地方(石川県)の中小企業に入って、周囲の方々(他の企業の方も)からはよくこうゆう消極的な声が聞こえます。(何か新しいことを提案した際に)

「うちは、中小企業だから。」

「うちは、都会の企業ではないから。」

それは、お金がないから、中小企業だから、力がないから、とかいろんな意味を含んでいるかもしれませんが、いまだによくわからないのが本音です。

会社の規模やどこにあるかで、会社の価値が測れるということなのでしょうか。

大事なのは、自分たちが選択し、どうなりたいか、を決めたうえで、今の状況があるのか。質の高い仕事をしたいかどうか、それに限る。

これからの自分の子ども世代に、可能性を広めるといった点でも、地域の会社でも世界に通用する技術があれば、(誰かに依存しなくても)どこでも生きていける、そんなことを伝えたいと思っています。そして、そういった考えが地域でも広がっていけば、もっと地域は活気づくと思っています。

だから、そういった企業の成功事例になりたいという個人的な思いもあります。

なお、ちょうどタイミングよく共感した記事があるので、紹介しておきます。

地域に仕事を作る、価値の高い仕事(賃金が良い仕事)を作るためにも、しっかりと常に考えていきたいです。



相手が価値を感じられるようなアプローチをする。
価値が出る仕組みを作る。


製品の魅力をしっかりと(適した)相手に伝える。

  • 製品の魅力を(適した)相手に、理解してもらえるよう伝える。

  • 相手が価値を感じられるような提案(アプローチ)を行う。

  • 価値が出る仕組みを作る。

  • さらに高い価値を提供できる製品を考える。

それが、営業やマーケティングのやるべきことであり、それがしっかりとできれば、どこででも戦っていけるメーカーになると思ったので、営業が強いB2Bメーカーになることが、自分の欲しい未来じゃないか?と思ったわけです。

目指すものに向かう最初の一歩 とは?

営業/マーケティングの分野で何かできることがないか、と思ったときに、まずは自社の営業の状況をよく理解する(結果的には、現状分析)が必要なのでは?

既に製品が買われているということは、何かしらの理由があるから、買われている。それを明らかにすることで、我々のウリを見つけることができると考えているので、既存のお客さんを理解する、自社製品を理解する、普段のやり取りを理解する、が重要なはず!

だからこそ、まずは、「自社の技術で、より多くの人たちに貢献するとともに、地域の中で質の高い仕事をし続けるために、成長していきたい」という願いのなかで、まずは何が問題なのか、所在を明らかにするうえで「営業及びその周辺の可視化」が最初の課題だと捉えました。

そして、営業DX へ。

営業及び周辺の可視化。

まともにやってできるのかな?そう思いました。

過去の資料全部見たり、営業さんにヒアリングしたり、
今のお客さんとのやり取りを全部網羅する?

そんなことができるのか?

それ自体が目的になるぐらいに、時間がかかるのでは?

そう思ったので、今の技術に頼りたい!と考えました。だから、その課題っ解決に資するツールを探し始めました。

願わくば、そういった行動をする中で、自社の問題を浮き彫りにし、そこから新たなやり方が生まれれば、とデジタルを使って意識を含めてやり方を変えていき、価値を作っていく、そんな営業DXができればなぁとぼんやりと考え始めて、動き始めたのが、昨年(2022年)の春頃。

なお、補足ですが、自分の中で、DXは業務のデジタル化ではなく、デジタルを活用したトランスフォーメーション(変化)だと思っているので、意識や行動の変容のきっかけがデジタルであるだけで、デジタル化とは違う意味で使っています。

続く。

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