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【コロナ情報】 ドイツ・ベルリンでの自粛/制限の緩和/延長/現状について

ドイツでのコロナウイルス感染者状況

(2020年4月20日 AM 11:00 更新)
ドイツでのコロナウイルス感染者数
 145,743名
感染者数前日比
 +559名
回復者数
 91,500名 (回復者数には公式の予想も含まれます)
回復者数前日比
 +3,500名

ドイツでの対策 コロナウイルスに対抗する動きの変化

コロナウイルスによって世界各国、様々な対策が行われ、外出制限や営業の制限が行われています。

そんな中、ドイツでは2020年4月15日に生配信で行われた会見で首相を含む4名の政治家がコロナウイルスに対する政策で緩和や延長した事柄に関して発表しました。その会見の中で発表された、現状の対策や規制に関して4月17日公開の動画(【ドイツで経済活動再開】コロナ危機最中に来週から多くの店舗が再オープン)でも述べている内容をより細かくお伝えします。

4月15日、首相と各州の州首相や市の市長らが電話での会議を行い、「何が許可できるか」「何がまだ許可できないのか」についてウイルスや感染に詳しい専門家と共に話し合いました。

意識の変化や人との距離感

その中でも、強制ではないですがマスクの着用を強く勧めていました。公の場で人との距離を十分に開けられない場合、例えば買い物や公共交通機関を利用する際にマスクを着用するよう、呼びかけました。

ドイツでは、コロナウイルスが拡散する以前はマスクの着用が浸透しておらず、医療機関以外でマスクを着用する人を目にすることはありませんでした。それが、今では感染リスクを意識する人や首相の推奨もあり、ちらほらではあるものの増えてきて、今までになかった光景が広がっていることにCOVID-19の影響が見受けられます。

コロナウイルスに対して、対人間の接触が制限されました。この接触制限は規制され始めてから感染者が増える速度がわずかながらも緩まっています。それでもかなりの速さで増え続けていることは否定できませんが、効果を少しずつ発揮していることが分かり、これまでと変わらず接触の制限は続けるようにと発表されました。具体的には他者との間に最低でも1,5メートル、できれば2mの距離を取り、なるべく外出せずに家にいるという対策です。この制限で言われる他者というのは、一緒に住んでいない人すべてのことを指します。

外出はOK?!

そんな中、外出が可能な場合は次のように決められています。
・仕事へ行く必要がある場合
・買い物へいく場合
・病院(診療所)の受信が必要な場合
・回避できない重要な予定(例:試験)
・外での運動
このような場合、1人での外出は可能ですが十分に距離を保つ必要があります。また、一緒に住む人と一緒に外出することも可能ですが、一緒に住んでいない他者とは最高1人までとしか会ってはいけません。
いずれの場合も一緒に住んでいない他者とは最低1,5mの距離を保つことが最低条件です。

これに加え、日帰り旅行を含む旅行へ行ってはいけません。ドイツ国内や国外への旅行はもちろん、親戚や友人を訪問することもこれに含まれます。場所を問わず、集まってパーティーを開くことも禁止されており、これに反すると罰則も課せられます。

外出といえば食事を外で済ませることも多い昨今。飲食店への制限から、今は外食ができない状況です。飲食店は店内での食事をすることが禁止されており、デリバリーとテイクアウトに限られています。テイクアウトやデリバリーで飲食業界を応援する傍、今こそ自炊を初めるきっかけへと繋がる可能性もあるのではないでしょうか。

他にも飲み屋やバー、カフェ、映画館や劇場、博物館やギャラリーなどの展示スペース、スイミングプールや公園、ジムなどの運動施設、レジャー施設での営業は禁止されており、宗教信者の礼拝式も行うことを禁じられています。

4ヶ月先まで禁止... 「それほど深刻、わかって欲しい!」

これほど制限される施設やお店が多い上に、追い討ちをかけるかのうような衝撃的な規制が、大きな集会、イベントなどの人が多く集まる催し物は、なんと8月31日まで禁止になりました。「収束したら...」と楽しみにしていたサッカーの試合やコンサート。もうしばらく辛抱が必要のようです。ただそれは、それだけ深刻だということをわかって欲しいと、配信された会見の中でもバイエルン州の州首相であるゼーダー氏は述べていました。

家にいてばかりでは、髪も伸び美容院に行きたくなり、運動をせず座ってテレワークを行なっていれば、マッサージを受けたいと感じる人もいるかもしれません。ですがマッサージ店やエステサロンなどのサービス業も営業を停止しています。この業種ではどうしても1,5mの距離を保つことが難しいため店を開けることはできません。その中でも朗報があり、美容院に限って、5月4日から営業の再開が許可されました。ただし、条件として客の人数を最小限に抑えたり防護服の用意など、最善の注意を払うことが必要です。慎重でいなければならないのは他と変わりありません。ただし、病気を抱えており、特別なマッサージやケアが必要な方はこれまでと変わらず継続して、ケアを受けることができます。

朗報? 制限を一部緩和

ここまで読むと、例外以外には禁止されていることばかりに思えるかもしれませんが、今も変わらず営業を続けているところはもちろんあります。その中でも上とは対照的に、営業をしなければならないものもあります。例えば食品スーパー、薬局、郵便、一部の当局、銀行は通常通り、もしくは通常以上に営業を行なっています。

今回の発表で制限が緩和されて営業が可能な幅が増えました。販売面積が800平方メートル*以下の小売店は本日、4月20日の月曜日より営業が再開可能となりました。ただし、もちろん条件付きで厳しい衛生要件を満たす必要があり、買い物客の人数を制限したり、行列を避けたりする工夫が必要です。小売店では販売面積が条件にありますが、自動車や自転車の販売を行う店や書店は面積を問わず、衛生要件を満たし、買い物客の制限や行列が回避できる店は営業の再開が可能となりました。
*800平方メートルはバスケットコートの2倍分の広さです。

学校や教育機関

教育面では、卒業試験などのように大事な試験を受けるためには学校へ行くことは可能です。ただし、教育機関でも充分な衛生要件を満たしていることは教育機関でも必須です。

2020年5月4日以降に授業の再開が始まりますが、ゆっくりと慎重な姿勢を取ります。卒業する学年、翌年に試験を受ける予定のある学年や小学校最高学年など、より将来に関わる学年から徐々に学校での授業を再開し、慎重に判断していくとのことです。

学校にいけない子供たちはもちろん家にいなければならないわけですが、ここで負担になってしまうのが、仕事のために外出せざるを得ない親です。テレワークが不可能な上に今もっとも現場で必要とされている医療機関や警察などで働く親は日中、子供の世話ができません。このように必要とされる職場で働く親のため、子供のために緊急託児所が設けられています。

今後の衛生面を強化

学校や老人ホーム、障がい者施設などでは今後、保護プランを考える必要があります。学校では1クラスあたりの人数や、それぞれの距離感、衛生面の管理が必要です。

老人ホームや障がい者施設では、よりウイルスに影響を受けやすい人が多いため、保護プランを制作しなければいけません。このような施設では、よりウイルスに影響を受けやすい人が多いため、最善の注意が必要です。ただしその反面、孤独を感じさせるようなことがあってはなりませんので、専門家とともに特別な保護プランを考える必要があります。

この先の対策はどう変わってくるのか

この記事で挙げたドイツでの禁止事項や緩和された営業の幅、これらの決まりは2020年5月3日まで有効とされています。その後の対策がどのように変わってくるのかは、2020年4月30日にメルケル首相と、各州や市のトップが話し合い、経過を見て4月15日と同じような形で、会見を開いて国民に2020年5月4日以降の対策について伝えるとのことです。

まとめ

他者との距離を保ち、飲食店はデリバリーとテイクアウトのみ。このような制限が引き続き延長される中、小売店や学校など、慎重ながらも徐々に再開していきます。

今後どのように変化してくるのかによって柔軟な対応を行い、緩和されることも増えるかもしれませんが、反対に延長される制限が出てくるかもしれません。

この状況下で政治が柔軟に対応するように、国民の我々も柔軟に従う必要があります。目に見えないウイルスと戦うには経過を見て、どの対策が効果的かを見極める必要性もあります。厳しい制限の延長、慎重な対応は一見、自由に外出できる日々をどんどん奪われているように感じるかもしれません。

しかし、未来に本当の自由を生きるための近道だと信じて従い、一緒に耐えましょう。

一人でも多くの方が苦しまずに済むことを願っています。



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