ワークライフバランスではなくマコレダバランスを

ワークライフバランスという言葉はどうもピンと来ない。ワークとライフの境界が曖昧だとはよく聞く話だが、それ以上にどうも「バランスを考える対象」の選定がズレているように感じる。

じゃあどういう対象ならしっくり来るのかと考えて、整備した結果、マコレダバランスというものが生まれた。

マコレダバランスとは

以下四つのバランスを指す。

・Must(マスト)

・Cost(コスト)

・Rest(レスト)

・Dust(ダスト)

それぞれの意味を一言で

Mustとは「やらなければならないこと」だ。やらないと短期的または中期的に致命的な事態に陥るもの。食事や睡眠もそうだし、労働や子どもの世話、あるいは通院など色々あるだろう。

Costとは「コストをかけるべきこと」だ。自分がやりたいものもあれば、Mustほどでないがやっておかないと後々しんどいこともある。趣味や自己投資は前者、部屋の掃除や運動は後者にあたる。

Restとは「休むこと」だ。睡眠や休憩以外にも、気分転換やだらだらするといったことも含む。(特に軽視されがちな後者は)地味に大切だ。

Dustとは「ゴミ」だ。言い換えると「嫌なことで、かつ意味がないこと」。このゴミはストレスの温床でありゼロに近づけたい。嫌だが意味があることや、意味はないが嫌じゃないことは構わない。両方満たしたものがゴミであり、ゼロにすべきものだ。

どのようにバランスを取るべきか

Mustは抱えすぎないようにする

かといって少なすぎると退屈すぎて逆に辛いため、程々に抱えるのが良い。毎日4~5時間くらいは欲しいところだ。人によってはもっと多くないと物足りなかったり、逆に少なくても良かったりするだろう。

たいていの人は既に仕事か家族を養うという形で満たしているが、何もしないと膨れる傾向にあるため、意識的に棚卸しをしたい。僕は「毎日定時退社」というラインを決めている。

Costはできるだけ欲しい。

これは7つの習慣で言えば「第2領域」に相当する部分だ。いわゆるトレーニングやインプットである。やればやるだけ成長するので、やるに越したことはない。

ただし人によって許容量とモチベーションがあるので調整は必要だ。詰め込みすぎると(Mustほどではないが)危ないので、少しはゆとりが欲しい。自分に厳しくしすぎない。

ただ、そうすると今後は手持ち無沙汰になってしまうが、そこはこまめに家事をするなど生活の雑事に当てるのが良いだろう。こういう雑事は案外バカにならなくて、心も穏やかになるし、雑事も片付くしで、QoLが上がりやすい。

Restはぜひ入れたい。

Restは足りている人よりも足りていない人の方が多い。目安は「今の生活を何十年続けたとして保ちそうか?」という問いだ。「うん、無理」という場合は、Restが足りない。

足りないことは睡眠かもしれないし、もっと抽象的に「ゆとり」かもしれない。ゲーム、散歩、ぼーっとする、同じ本を読み返す、だらだらするなど、無為に思える行動もRestとして機能するため、あまり冷たくせずおおらかに受け入れると良い。

ただし「Restの皮を被った修行」には注意だ。たとえば同じ体勢のままスマホを見る、などはこれにあたる。身体に相当な負担がかかっている。

「負担がかからないようなRest」。これを心がけたい。

そして最後にDustだが、

Dustは極力ゼロにするべきだ。

自分にとって嫌なことで、かつ意味もないことなど無意味どころか有害ですらある。Dustをなくすための努力は惜しんではならない。場合によっては戦うことも必要だ。

一つ肝心なのが、Dustの定義は人それぞれということだ。何が嫌なことで、何が意味のないことは人によって違う。自分が嫌だと感じ、意味もないと感じたことがDustである。他人がどう言おうと関係がない。

僕の例で言うと、「騒音に耐えること」はDustだ。耐えるだけでは何も変わらないし、僕が騒音に適応するということもない。だから僕は行動してきた。隣人の生活音、向かいのマンションの風鈴、自席近くの貧乏ゆすりマンや独り言おばさんなど、管理会社や上司を通じて、あるいは直接指摘してきた。

僕は性根が弱く、クレーマーなど肌ではないが、それでもDustを潰すために勇気を出した。穏便に済まなかったこともあったが、結果的にDustはかなり軽減されてQoLは悪くない。

おわりに

ワークライフバランスにかわって「マコレダバランス」というものを紹介してみた。Must、Cost、Rest、Dust――ワークとライフよりは、もうちょっとバランスを取る対象として扱いやすいのではないかと自負している。

p.s. 単語を「-st」で統一できたこともひそかな自慢だ。マコレダバランスを思いついたときの興奮は、未だに覚えている。

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