#10 コントロールできない負のループ

アパレル店長として改心し、最優秀店舗賞という栄光を手にした私でしたが、その後も順風満帆にいくわけではありませんでした。






ある日、フェアで用意するノベルティの質が悪いのに気がつきました。

数も足りません。



すぐに自社の本社に問い合わせし、

「こんなんじゃフェアをやる意味がありません！」

と直談判しました。



担当営業部長は困った顔をしています。

歯切れ悪く何か言っていましたが、到底私の耳に届きませんでした。






何とかフェアを乗り切りましたが、今度は物流に違和感を覚えました。

どう考えても納品数が少ない。


次第に、入るはずの新作の納期が遅延し始めました。


売上は好調だったため、店舗の在庫数は日に日に少なくなり、誰から見ても何かが起こっていることは明白でした。






ある日、休憩から戻った私にスタッフが言いました。


「店長、なんかFAXが届きましたけど、『民事再生』って何ですか？」