#8 放り込まれたハケン

当時の彼女さんからの言葉もあり、ファッションブランドの派遣販売員として社会人の第一歩を歩み出した私。

2006年2月の事、齢23歳でした。

配属されたのはインポートジーンズブランドの卸先店舗で、百貨店内の多数のメンズブランドを取り扱う売り場のメーカーの人間でした。

分かりやすく言うと”家電量販店内パソコン売り場のVAIOの人”みたいな立ち位置で、VAIOに詳しく、VAIOを売らなきゃいけないけど、他のメーカーに流れたら他社も販売できるように知識を持っておかなきゃいけない、そんな環境でした。

当時はプレミアムジーンズという一本2〜3万円以上するジーンズブランドが流行っており、様々な海外ブランドが日本に買い付けられていました。

配属先の売り場では10ブランドほど扱ってたと記憶していますが、それぞれのブランドが様々なジーンズを出しており、とてもじゃないけど百貨店の社員さんだけでは知識が追いつかないため、ブランドメーカー側の人間を数名置くような形態でした。
メーカーから3名、百貨店社員5名ほどの規模の売り場でした。

私の会社からは2つのブランドを卸していましたので、その2つのブランドの担当を掛け持つ事になりました。

私が担当するブランドは両方ともそこそこ知名度のあるブランドで、ジーンズだけではなく、アパレルを総合的に展開するブランドでした。


なんと私は、研修も無くそこに放り込まれました。
商品知識も無く、販売スキルも無く、社会人の礼儀も知らないままに放り込まれました。
派遣社員なのに。
しかも担当の2ブランドは売上仕入と買取と、仕入れ方が異なっており、当時の私はますます訳が分からなくなっていました。

ブランドからは私1名体制のため、知識豊富な先輩もいません。既に辞めていました。
百貨店社員さんはメーカーの人だからブランドのプロフェッショナルが来ると思っていたようです。

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