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人気パン屋ベルベが突然の倒産報告

火宅之境(かたくのさかい)
→ 火のついた家にいるような苦境、災いに満ちた境遇。

人生は長く、そして短い。

そんな人生は上手くいくことばかりではないし、悪いことばかりそう続かない。

だからこそ、一度しかない人生を必死になって生きることが、この世を去るときに楽しかったと思える方法だと勝手に思っている。

とはいえ、悪いことが続くと、なかなかそんなポジティブは気持ちになれないということも理解できる。

そんな気持ちになっている人がいるのではという記事を見つけたので、書いていこうと思う。

人気パン屋の突然の倒産

社長失踪で突如「全店閉店」人気パン屋倒産の顛末

(出典:東洋経済オンライン)

正直、私はこのパン屋を知らなかったのだが、神奈川県を中心に人気を誇る、ベーカリーチェーン・ベルベをしっているだろうか。

パン工房ベルベ、ブーランジェリーベルベの名称で大手町やお台場などの首都圏にも28店舗を構え、積極的に出店攻勢をかけていたパン屋だという。

そんな、人気パン屋のベルベが、2021年11月9日に突然の全店舗閉店と倒産を発表したというのである。

突然の閉店を惜しむ同社のファンの声も聞かれる一方で、同社の従業員への給与未払いや取引先への代金未払い、銀行への借金の未返済が起きているそうだ。

現在、状況を精査中だということだが、社長の所在は現時点で不明で問題解決に時間がかかりそうだという。

人気パン屋ベルベについて

そんなベルベについて、知らない人はどんなパン屋だったのか、気になる人も多いのではないだろうか。

ベルベの創業は1973年。

創業者が製パン大手の工場勤務を経て、横浜発祥の新興ベーカリーで総務課長に従事した後、8年の業界経験をもとに独立した。

その後、社長は地元商工会議所の常議員を務めるなどして事業基盤を固め、従業員教育にも長年力を入れていた。

創業以来、手作り製法にこだわり妥協しないを理念として、1店舗・1工房の体制で手間暇をかけたパンが特徴だった。

高級フランスパン、クロワッサンなどの調理パン、各種ケーキのほか、人気商品である、ふみおおじさんのこんがりラスクなどの焼き菓子がラインナップにあった。

その中でも、スイートポテトは主力商品の1つ。

地産地消のコンセプトで、地元のサツマイモである、ベニアズマを使用した季節限定商品はかなりの人気だった。


創業以来、毎年のように新規出店し、一定額の月商を下回る店舗は順次閉店するという展開をしていた。

賃料や面積でより条件の良いテナントへの移転を進めるなど、積極的なスクラップアンドビルドをくり返し、安定した収益を確保していた。

様々な企業で新型コロナウイルスの影響が出た2020年6月期の年売上高も過去最高となる約25億6,000万円という発表をしている。

また、2021年9月18日に静岡にオープンした裾野店では、パンを買い求める人々が列をなし、駐車場も満杯の盛況ぶりだったそうだ。

そんなベルベは、積極的に拡大基調を続ける、いわゆる優良企業と見られていたのである。

ベルベに起こったこと

そんな順風満帆にみえたベルベだったが、2021年10月下旬に借入金の返済遅延、複数の取引先に対する支払遅延が判明した

その後、2021年11月2日に事態は急変する。

前日まで連絡の取れていた社長が書き置きを残して失踪し、家族も会社関係者も誰も行方がわからなくなったのである。

残された専務取締役らが中心となり社外対応に当たっていたが、それまで経理面にタッチしていなかったこともあり、状況は刻一刻と悪化していったそうだ。

後にわかったことだが、社長は2021年10月末に東京の弁護士事務所を訪問していた。

ベルベの今後について相談するためと見られているが、この時点では破産ではなく、営業継続を前提とする民事再生を検討していたという。

しかし、直後に社長が姿をくらまし、再生計画自体を早期に立てることができず、事業継続が困難な状況に追い込まれていった。

それでも、2021年11月5日の時点では、取引先からスポンサー支援の紹介案件がベルベの元に複数持ち込まれるなど、存続の道は残されていた様子だった。

けれども、上述したとおり、2021年10月下旬からすでに資金ショートを起こしており、具体的に話を進めるには時間がなさすぎた。


そして、2021年11月8日夕刻、1枚のFAXが取引先各社に届いた。

都合により本日をもって、ベルベ全店の営業を終了させて頂くことに致しました

2021年11月8日当日も午前中まで通常通り営業を続けていたベルベのピーク時に400名を超えた従業員にも直前まで倒産の事実は知らされなかったそうだ。

翌日の2021年11月9日、自己破産申請の準備に入ったことを発表したという流れだ。

弁護士からの書面

その後、2021年11月15日に事後処理を一任された弁護士から債権者宛てに届いた書面がある。

その書面には、ベルベは現段階では約52億円の負債を抱えているという事実が書かれていた。

優良企業だったはずの会社が突然倒産した上に、関係先に提出していた決算書の負債額との乖離に関係者は愕然としたという。

というのも、ベルベの2020年6月末時点での負債額は約10億円ということだったが、5倍以上の負債が発覚したのだから、混乱は避けられないだろう。

加えて、この負債の使途が社長の失踪により、究明に時間がかかるという状況だ。

まとめ

このニュースを知って、どういう風に思うかは人ぞれ異なるのは当然だが、どうしても経営者としての立場から見てしまう。

もちろん、事実が全くわからないので安易にイメージで物事を書くことは避けようと思う。

ただ、ベルベで働いていたスタッフのことが気がかりである。

ある日突然、職を失うということ、未払いがあったとしたらどうやって生活をしていくのか、再就職できるのか、不安でしかないと思う。

こんな状況で私のような人間がいうことではないかもしれないが、なにかしら困っている人がいたら、stak社でも仕事の手伝いをしてもらいたいことがあるので、問合せしてもらえたら嬉しく思う。

どんな人でもいいということはないけれども、まずは今までどんなことをしていたのかを教えていただき、一緒に仕事ができそうであれば、ウェルカムである。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。