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『外国人大活躍の町・長野県川上村』Talk on STAGE #1

Talk on STAGE

ニュースなどでは一部の外国人の良くない部分が取り上げられることも多く、外国人に対して悪いイメージを持っている日本人の方も少なくないと思います。
一方で、日本人で外国人と関わっていたり恩恵を受けていたりする方々の声や、外国人の方々の日本に対する情熱と希望を知る機会はほとんどありません。

そこで外国人にとっても日本人にとっても互いに理解を深めて住みやすい日本にしていくために、この「Talk on STAGE」の企画を通して、外国人や外国人と関わりの深い現場の声を動画や記事して届けたいと考えています。


長野県川上村とは

川上村は長野県南佐久郡に位置し、全国でも有数のレタスの生産地として知られています。また外国人の人口率が世界一高い町としても知られていて、コロナ禍の現在でも約5人に1人が外国人という数の多さです。

そこでこの度は、30年以上川上村役場で働き川上村の農業と関わってきた原さんに、外国人と共に働く中での楽しさや厳しさについてインタビューをさせていただきました。

なぜ外国人が多いのか

川上村はレタスの生産で有名な町であり、その経営規模は全国でも珍しく年々増加しています。
一方で、多くいた日本人農業アルバイトの方々は下記のグラフからも分かる通り減少しています。

川上村の農業人口

その労働力不足を補うため、川上村は平成15年より外国人研修制度を取り入れました。
初めは少数の中国人から始めましたが、20年以上経った現在では東南アジアを中心に800人ほどに増加しました。

多くの外国人が働くようになってから耕地面積や出荷数量も実際に増加してていて、何気なく日頃食べているレタスの多くは外国人のおかげであることが分かります。

川上村の耕地面積

また原さんは、これらの成長は外国人の人柄の良さのおかげでもあるといいます。良く働いてくれるだけでなく、とても礼儀正しく、街で見かけた時には挨拶をしてくれるそうです。

壁とその改善

外国人と共に働く中で一番大きな壁となるのが、言語と文化の違いです。
実際のところ外国人の方が失踪してしまうリスクも少なからずあるようです。

そこで川上村は、外国人にとって住みやすい環境にするために努力しています。

例えば今年の3月、一千万円以上を使いエアコンや温水洗浄便座付きトイレなど設備が整った宿舎を作りました。
それだけではなく賃金を800円から1000円に値上げしました。
他にも管理団体と協力して行う生活指導はもちろんのこと、スーパーには外国人向けの商品も並ぶようになり、外国人用のホームページやベトナム人相談窓口なども作りました。
さらに町中に並ぶポスターやごみ収集カレンダーには、英語・インドネシア語・タガログ語・ベトナム語・中国語など多くの言語が見られます。

こういった活動が、川上村が外国人に選ばれ、働くことができる理由の一つかもしれません。

多言語で表記されたポスター

不法行為は本当にないのか

日頃ニュースを見ていると外国人の悪いところだったり、逆に日本人の雇用者が外国人に対して不適切な扱いをしているところが取り上げられるため、外国人や外国人の関わる労働に対して、そのようなマイナスなイメージを持っている日本人の方は少なくはないと思います。

実際、川上村のとある団体も20年ほど前に摘発を受け、インターネットで検索するとそういった情報も多く見られます。
また農家が増えすぎて役場が管理しきれず、知らずに不法就労をしていた農家がいたというケースもあったそうです。

しかしこれらは川上村だけの問題ではないと思います。

例えば外国人が川上村で働くまでには、現地の人材派遣会社、日本の人材派遣会社、または管理団体も関わっています。
最近は人材派遣会社が増えすぎて困っている現状があったり、現地の人材派遣会社との契約で借金をして日本に入ってくる外国人も少なからずいます。
このような関係性の中で、お互いが利益を求めすぎ不正が行われることもあり得ると考えます。

もちろん不法行為は許されないことであり、川上村も二度とこのようなことが起きないように、より厳重に指導・改善に取り組み続けています。
不法行為を行う人もいるかもしれませんが、そういったことがないように全力で取り組んでいる人もいるということを忘れてはいけないと思います。

学生にできること

私たちが何気なく食べている物は、多くの外国人のおかげであることが分かったと思います。

そこで私たちにできることは、もちろん感謝することも大切ですが、そういった外国人の助けになることではないでしょうか。
インターネットで探してみると、あなたの住んでいる町にも多くの外国人が働いていることが分かるはずです。
彼らの休みの日に日本の文化について教えたり、おしゃべりをするだけでも、彼らは住みやすい良い町だと感じるのではないでしょうか。

あなたも海外に行ったら外国人になります。
『そこで何があったらいいか』、『どんな人がいたら良いか』を考えてみてほしいです。

そしてSTAGEはそういった団体でいられるようにこれからも努力していきたいです。


執筆者:高岡 和真
沖縄出身、現在はアメリカの大学に通っている19歳。
国際交流や国際協力に興味があり、多くの外国人と話す中で彼らの日本に対する情熱に触れ、その思いを多くの日本人の皆さんにも知ってもらいたいという想いから「Talk on STAGE」を始動させた。


最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の記事もお楽しみに!

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