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職場で着る服

私は、今までの社会人人生で、職場に合わせて服を選んでいる気がする。当たり前のことだろうか。合わせすぎだろうか。

私が最初に勤めた会社は、出版社だった。そして、最初に配属された部署が営業部だったので、私は、その職場では、スーツばかり着ていた。会社に入る前に、何着かスーツは買ったが、働くようになってもらった給料を、スーツにつぎ込んだ。
一年半、営業部にいて、次に編集部に配属された。というか、もともと私は、編集部に配属される予定で、現場を見てこいということで、短い間営業部を経験させられたのだ。
編集部に移って、私は、スーツを着る必要がなくなった。私は編集部希望だったのに、編集部に行くようになってから、どういう服を着ていたのかよく覚えていない。たぶん、スーツはそんなに着てなかったと思う。結局、職場に馴染めなくて、メンタルの調子を崩し、会社をやめた。

最初に勤めた会社をやめて、職を転々とした。精神科の病院に入院もした。入院中の服については、服に名前を書かなくてはいけないことと、ヒモがついた服はダメ、ということはよく覚えている。
入院の後は、なかなか働けなかった。メンタルを病んでいる人たちが集って軽い労働をする場所に行ったり、病院のデイケアに通ったり。その頃の私は、たぶんカジュアルな格好をしていたと思う。

職場で着る服、ということでは、ハッキリと服装に決まりがあった職場もあった。そこは、大きな外資系の通信販売の倉庫で、私は倉庫で働く人を管理する事務所で働いていた。でも、事務所の人間も倉庫の中で働く人と同じ服装をすることを求められた。
おおむね、カジュアルな格好でOKなのだが、よく覚えているのは、フード付きのパーカーはダメ、ということだ。フードがダメなのだ。世の中、フード付きのパーカーが多いので、フード無しのスウェットを探すのに苦労した。あと、夏は、ランニングはダメで、肩が覆われていればいいとか、細かい指定があった。

その後勤めているのが今の職場だ。小さな写真屋さんである。服装に特に規定がなかったのはよかった。フード付きのパーカーも着られる。ジーンズもOK。パートの人でエプロンを着ている人がいたので、なるほどと思い、黒いエプロンを買った。これで、スウェットでも、少しキリッとなるかなと勝手に思っていた。
ところが、春の、大学卒業生の袴姿の記念撮影の出張に、いつものままのスウェットで行ったら、上司に言われてしまったのだ。「店の中はスウェットでもいいけど、出張だから、できれば襟のついたシャツがいいね、ジーンズじゃないズボンで。」と。それから、出張には、スーツで行くことにした。ユニクロの安いスーツだけど。春の出張シーズンが終わってからも、なるべく襟付きのシャツに、ジーンズじゃないズボンで出勤するように努めていた。でも、秋になって寒くなってきて、私は寒がりなので、シャツでは寒い。それでまたスウェットを着ている。これでいいのかな?とちょっと悩んでいる。カメラマンである社長は、一年中シャツなのだ。下着で調節してると思うんだけど。

というわけで、振り返ってみると、私はかなり職場にふさわしい服装というのを意識している。職場に着て行く服を第一に考えている。職場にふさわしい範囲の中で、おしゃれを考えているのだ。自由なおしゃれでなくて、制限のある中でのおしゃれは、それはそれなりに面白い。もちろん、金額の制限もある。私は、たいてい、お気に入りの店を決めているから、その店の中で選ぶ、という制限もある。まあ、全部その店で買うわけではないが。
人によって、洋服の選び方はいろいろだろう。私の選び方はひとつの偏ったものに過ぎない。最近、noteで、おしゃれに関する記事をいくつか読んで、私なりの意見を書きたくなったので書くことにした。

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