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A-04 STがChatGPTに聞いてみた! 「中高生や成人の吃音は治せますか?」

こんにちは、ことばやコミュニケーションの専門家 言語聴覚士のSuke(すけ)です。
この記事シリーズでは、ことばの悩みや不安をChatGPTに聞いてみたとき、どんな回答が返ってくるかを専門家である言語聴覚士(通称ST)が解釈してみるシリーズの第4段です。


1.中高生や成人の吃音とは?

 吃音は、2歳ごろからのことばの発達段階で発症する”発達性吃音”と、事故でのケガや脳の病気などで発症する"獲得性吃音"に大別できます。多くの方が発達性吃音ですが、自然に回復されたり、専門的な治療を受けほぼ症状が出なくなった方もいらっしゃいます。
 一方、症状の改善が見られず、中高生になっても残っている方や、大学・就職と成人になられても症状がある方、また獲得性吃音のようにある日から突然症状が始まった方など、吃音は子どもだけではありません。
 では、大人になった方の吃音はもう何も出来ないのでしょうか。ChatGPTならもしからしたら治し方を教えてくれるかもしてない。そんな疑問を今回はテーマにしました。

2.実際にChatGPTに聞いてみた!

中高生や成人の吃音は治せますか?

吃音(どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害です。
発達性吃音の場合、70~80%ほどは自然治癒するといわれていますが、残りの20~30%は症状が残り、日常生活に影響が出ることもあります。

成人になって発症した場合、環境を改善する(喋る機会の少ない職種に変えるなど)、焦らずにゆっくり話すことなどによって、吃音自体は治らなくても工夫次第で違和感のないコミュニケーションをとって問題自体を無くすことが可能とされています。

学校や家庭での対策、専門的な治療法もあります。
自宅での練習法としては、鏡の前で話す、ゆっくり話す、深呼吸する、読み上げるなどがあります。

専門的な治療法としては、言語聴覚士による治療があります。
治療プログラムには流暢性形成吃音緩和法カウンセリングなどが含まれます。

各治療法の有効性は個人差がありますが、組み合わせて試すことで効果的な結果が得られることもあります。

ChatGPTより(2024年7月現在)

3.回答にSTが補足します。

 ChatGPTからの回答は如何だったでしょうか。中高生になっても、成人になっても、"治る"という表現はありませんでしたが、様々な改善する方法を紹介してくれましたね。
 私から特に補足したいことを3点挙げてみました。
① 「吃音は必ず治さないといけない」 ではない!
② 吃音の専門的機関が少なくなる
③ 今までの経緯が大切

①「吃音は必ず治さないといけない」わけではありません。
 例えば、インフルエンザに感染した場合、高熱や鼻水、咳などの症状で日常生活が難しくなります。他の方へも感染する可能性があるので、学校や会社もお休みし、病院で診察、処方されたお薬を飲みながら治さなければ、復帰することはできませんね。
 一方、吃音は他の方へ感染しません。一緒に積み木などで遊んだり、席が隣になったり、グループになって会話をしたり、カラオケに行ったり、同じ食べ物をシェアしたりしても絶対に感染しません。「必ず治さなければならない」というわけではありません。吃音を治そうと努力することも、吃音があっても気にせず生活をしていくことも、吃音のある方の自由です。
まず大前提として、このことを知ってもらいたいです。

② 専門的機関が少なくなる
 ChatGPTに"言語聴覚士による治療"とありましたが、幼児期から未就学までであれば、小児病院や療育センターなどがあり、小学校や中学校に入学すると特別支援通級教室である「ことばの教室」に通うことが出来ます。しかし、高校や大学、社会人になると、それらの機関に継続で利用することは難しくなります。さらに、"成人吃音の専門施設"はとても少なく、吃音の治療を受けられるチャンスはとても少ないです。インターネットやSNS上では、様々な方の良くなった例もあれば、逆にまったく変化がなかった例についてもたくさんの情報を検索することができます。「大人になってからもう治すことができない」と思われがちですが、少しでも症状が和らぐことで生活が豊かになったり、楽になったりすることが望めます。

③ 今までの経緯が大切
 最後に補足したいことは、現在までに至った経緯です。いつ頃から吃音の症状が始まり、どのような施設や相談、治療を受けれ来られたか、また小学、中学、高校、大学と、吃音の症状とどのように向き合いながら生活を過ごされて現在までに至るのか、この経緯はとても大切な情報です。ご自身で振り返ったり、思い出したりすることは時には辛いこともあるかもしれません。無理のないことから始めてみること、チャレンジしてみることが第1っ歩です。そして、ご自身の吃音のことを正しく知ることは、少しでも症状を軽減していくためのヒントになります。

4.受けられる施設が見つからない場合は…

・中高生の場合は、高校・大学受験での面接!
・成人の場合は、就職活動での面接、社会人になって会議やプレゼン!
 幼児期とは異なり、進学や成人になると吃音が原因で困る場面が変化していきます。
 中高生や成人の吃音の方が受けられる、施設や機関、サービスなどは少ないとお伝えしましたが、私が運営していることばの相談室では、大人の方の吃音もご相談を受付しています。病院の先生の診断書や紹介状などは必要なく、年齢も問いません。お話しを伺いながら、少しでも症状が軽減し、生活が楽になる方法はないか寄り添いながらご提案しています。
 初回は無料相談を実施しています。
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