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猫が繋ぐ男女の不器用な愛「猫は逃げた」

先週見た「愛なのに」に続く、今泉力哉監督と城定秀夫監督がお互い脚本を書き、相手が書いた脚本を撮る企画「L/R15」の2作目。

「猫は逃げた」を見てきた。
脚本が城定秀夫さん、監督が今泉力哉さん。

話は。。。。
離婚直前の夫婦は猫の引き取りだけ決まらず、揉めていた。お互いに恋人は存在していて、両方の相手は離婚を望んでいたけど、なかなか離婚しない状態にモヤモヤしていた。そんなある日、猫がいなくなってしまった。

夫婦で同じ好きなものがあるっていいな。
本作ではそれが猫なんやけど、離婚直前の関係になっていても、猫への愛はお互い変わらない。その猫のおかげで、二人は一緒に懸命に探し、見つかった時は同じ気持ちで安堵する。
同じ感覚を持つ人って心地よいと思う。

一番好きなシーンは亜子(妻)が足をつった時のマッサージのシーン。
松山くん(彼氏)の時は、慣れていないため力加減ややり方が違っていて苦戦する。
一方、広重(旦那)の時は、慣れているため力加減ややり方がちょうど良い。その対比を表現しているのもいいし、それを感じて思わず亜子が泣いてしまうのも良い。
夫婦だから分かるやり取りって、見ていてもほっこりする。
それが押し付けがましくなく、自然にシーンで表現されるのが素敵だったなー。
こんな人と結婚したいですよ。

そして、今泉力哉さんも城定さんの脚本から追記して力を入れたと言う気まづい4人が一度に揃うシーン。

今は会いたくないような人たちが同じ場所で揃い、言いたいことを発言し、その結果相手に伝わっていなかった気持ちが伝わるシーン。まるで、「街の上で」を思い出した。インタビューにも書かれていたけど、こだわっていたあのシーンも凄い好きだったな。

L/R15としては「愛なのに」は結婚、「猫は逃げた」は離婚と男女の対照的な姿を描いた作品ではあるけど、どちらも愛に不器用な男女の話なんだと感じた。

「愛なのに」は振られ続けても、好きな気持ちを手紙で伝え続ける女子高生。
「猫は逃げた」は旦那の浮気をきっかけに離婚しようとするが、お互いに気持ちが残っているが言葉にできない夫婦。

一方的に好きで伝え続ける愛、お互い好きなのにはっきり言葉にできない愛。
愛というのは不器用な形なのかもしれない。

旦那の広重(毎熊克哉さん)は「愛なのに」に同名で出演しているが、直接の続きではないらしい。
それについて、同じ世界の話と思ってもいいし、別とも思ってもいいと答えていた今泉力哉さんと城定秀夫さんのインタビューも良かった。

あと、芹澤興人さんが出ると、今泉力哉映画の雰囲気が一気に増す気がします。
出てきた瞬間、少し劇場が沸きました。(今泉力哉監督ファンでしょうね。)

猫を拾ったことをきっかけに結婚に繋がった夫婦が、離婚危機に猫がいなくなり、見つかった時には気持ちとヨリが戻る。
そして、猫を利用して離婚させようとした相手同士もくっついちゃう。
まさに、猫が繋ぐ男女の不器用な愛を描いた映画だと思います。

おもしろかったー。

あ、パンフレットにはシナリオもついているので映画好きな人にはおすすめですよー。




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