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言葉の暴力性とは

私は「言葉の暴力性」というものに対し、少し敏感かもしれません。
いわゆる「しね」とか「うざい」とか、明らかに「言われたら傷つく〜!」といったことももちろんですが(書いているだけで悲しい…)

私が感じる暴力性は、コミュニケーションの中で「心がざわつく(落ち着かない)」「窮屈で息苦しい(大きな部屋の隅っこにひとりぼっちな感じ)」などの感覚を伴うものです。

私調べでは、私は言語聴覚士という「言葉に障害がある人を支援する仕事」という事情があるとはいえ、どうも人よりもその辺りおセンチな気質だと推測されます。

どうして自分が言葉の暴力性に対してこれ程関心があるのか思いあぐねた時、やはり幼少期の母親との関係性の影響は大きいのだろうな〜、と薄ぼんやり気づけるようになった今日この頃です。

私の母はフルタイム共働き、夫の両親と同居という超ストレス環境の中、24歳の若さで私を生み、仕事も家事も子育てもフルマックスに頑張ってるような、そんな女性。

普段は優しく愛情たっぷりなのですが、時々みせる警戒心むき出しのチーターのような顔。その時は決まって、愛情のある言葉とは真逆の言葉が次々私に飛んできます。具体的な馬事雑言を助長するのは「どうせ」「結局」という言葉達。

決めつけられる、諦めれるというのは、悲しいことだなと思っていました。

大人になって思うことは、母も余裕のない時があったんだな〜ということ。
ただ子どもの頃は母の事情がわかるはずもなく、言葉のナイフの傷口がいつまでも痛むような気がしたものです。

大切な人に言われるからこそ、「言葉の暴力性」をより強く感じてしまい、かつより鮮明な記憶として残ってしまいます。

まぁこんなことを語っている私自身が、人を傷つけない大人になれたかというと、残念ながら全くそんなことはなく。コミュニケーションを扱う仕事であるにもかかわらず、反省の嵐な日々であります。

そんな私が少ない知恵を絞り出してやっとたどり着いた、よくやりがちな言葉の暴力を2例とその対処法を、少しシェアしてみたいと思います。


⑴口癖的にしてしまう言葉の暴力 

 「いつも◯◯」
「普通◯◯」
「絶対◯◯」

え?そんなことと思う方もおられるかもしれませんが、相手が自分を評価している気分になってしまったり、相手の指定する「枠の大きさ」を意識させられてしまいます。私の場合は窮屈な気持ちになります。

自分の意見であるにも関わらず、あたかも大人数の意見を代弁しているような印象を受けることがあります。

私は普段から活発な議論ができる素晴らしい仕事仲間に恵まれているのですが、特にこの議論の場になると私、やっちゃってます。

その裏には自分の意見を通したい、自分の意見が正しい、といった心理があるような気がします。そんな思惑は見え隠れどころか、相手には丸見えです。たぶん。

暴力性回避のマイルール

「いつも◯◯」「…なように私は思う」
「絶対◯◯」「…と私にはみえる」

とっさに出てしまったら、このように付け加えます(笑)
「話の主語を大衆ではなく自分にする」です。

みんなが思っているわけではなく悪魔で個人的な見解なんですけど、結構強く思ってしまった結果、口にしてしまってます、今!、という気持ちを全面に込めてみます(笑)

強く思ってしまっているあまり(+口癖)、バチーン!と言い放ってしまうことがあるんですよね。せめても、マイルドさを追加できたらと編み出した方法です。

⑵苛立った時にでやすい言葉の暴力

自分がイラッとした時に、その場で相手をとがめてしまうことはありませんか?
特に家族やパートナーなどの気が置けない関係性の場合

暴力性回避のマイルール

話あいの予定を「保留にし未来に託す」                                                                ※イラッとして、話し合いで解決したいと思っているときにおすすめ。

例えば、イラついている時ほど電話や直接会話はしません。そのかわり「明日か、明後日か、明々後日のどこか15分ほどお話したいのだけど時間はある?」とメールなどで聞きます。(相手が話し合いが怖くならない工夫は必要ですが笑)

言葉はイラっとしている時その場で発すると、ぎらっぎらに光るナイフになることがあります。

「保留にし未来に託す」ことの恩恵はとっても豊かです。

まず、未来のどこかの時間でお話ができるというだけで、いつかは自分の話が聞いてもらえるという安堵感が湧く(特に女性は話を聞いてもらいたい生き物なんです)。

そして、気持ちが一旦落ち着いた上で「何を話そう?」と構想する。
すると、案外自分の怒りの理由は大したことじゃないと気づいたりするんです。
でも、未来の話し合いの予定はFIXなので、本番までに気持ちを整理し、課題整理し、前向きな話ができる。

私は、この方法をとれるようになってから、不用意に人を傷つけずに済むようになった気がしています(と信じたい)。

「話の主語を大衆ではなく自分にする」
「(炎上しそうな時は)保留にし未来に託す」

この2つ、私にとっては大事。
言葉の暴力性を避けると、自然と人も自分に優しくしてくれる気がします。


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